高校生の時には夢とか留学とかそういうものに無関心だったのに、今は変な仮面をつけて進路の授業をやってるって話

概要

「将来の夢は?」という質問欄。
「私、大学入ったら留学もしたいし、サークルに入りたいし…」というキラキラした希望のある発言。
高校生時代の私は、そういうものに全く興味のない生徒でした。
大学はなんとなくここにしよう。とりあえず夢は適当にでっちあげておこう。

そういう私が、
何故こんな格好で不思議な進路の授業をやる事になったのか、というおはなしです。

私の夢は長い間「専業主婦」だった

専業主婦の皆様には大変失礼なおはなしですが、私の夢は結構長い間専業主婦でした。理由は、他に思いつかなかったからです。後ろ向きな意味で。
一応他にも時期によって夢はありました。一応遍歴としてはこんな感じです。
  • 幼稚園:おはなやさん(皆がそう書いてたから)
  • 小学生:専業主婦(思いつかなかったから)
  • 中学生:アメリカ政府お抱えのハッカー集団(なんとなく凄そうだから)
  • 高校生:研究者(勉強が得意だったから)
一応具体的な夢はあったのですが、どれもこれも実は本気ではないんです。ただ、夢って何とか聞かれるからとりあえずそれらしいものをでっちあげていただけなんです。

外国に興味のない学生、イギリスに行く

さて、そんな私は大学に入ってから英語の文法を研究する専攻に進みました。高校の頃から得意だったからです。
そこで、同じ専攻の先輩が留学から帰ってきて、土産話をしてくれました。その時に、私はふとあるものを思い出しました。
湖水地方
海外旅行は新婚旅行でいくもの、日本人は日本にいれば良い、それぐらい外国に興味のなかった私が唯一興味のあったもの、それは中学でやった「ピーターラビットとナショナルトラスト」の授業で観たビデオの映像に出てきた美しい風景でした。
ああ、あれは見てみたい。
あと、将来英語の研究するかもしれないなら生の英語を聞いておいた方が良いかもしれない。
そう思った私は、気づいたら交換留学生の募集に応募していました。

衝撃の留学初夜

そして初めての海外にして4ヶ月間のイギリス留学が始まりました。
初めてイギリスの地に降り立ち、初めて大学に行った日の夜。留学生たちのWelcome Partyがありました。
イギリスののびのびになっている(笑)パスタを食べながら、話題は「将来何になりたいのか」についてになりました。
ねえ、あなたは将来何をするの?
僕は経済について勉強しているから、資格をとってどこどこに行くね。それで◯◯の仕事をしたら起業して…
まあ、とってもinteresting!ねえ、あなたはどうするの?
え、うーんと、私はね…(そこまでマジに考えたことないよー。。)そうだな、今はクッキー屋さんとか興味あるかな。
え、なんで留学に来たのよそれ。
皆に笑われました。今考えればおっしゃるとおりなのですが(笑)
それぐらい、他の国から来た学生たちは夢どころではない、具体的な将来に対するプランを持っていたのです。
私はそんなこと調べたことも考えたこともない。そんな話が次々と飛び出してくるんです。
私は衝撃を受けました。日本だと正直私みたいなふわふわさんたくさんいるのに、なんて意識の高い人達なんだ、って。
そして、そんな彼らが夢を語るのは、とてもキラキラして見えました。

21歳、初めて夢を叶える

そんなスタートだった留学は、やはり困難の連続でした。
周りが何言ってるのかわからない。私も喋れない。他の日本人留学生は9月から来ている子が多くて語学力にも圧倒的に差がある。授業もよくわからない!
それでも、友だちになった現地の学生と毎日話をしてみたり、当時インターネットのコミュニケーションで主流だったメッセンジャーで会話したり、といろいろ頑張って、必死になって毎日を過ごしました。

そして、遂に迎えた春休み。
私はイギリス国内一人旅に出かけました。行き先はもちろん…湖水地方
電車を2回乗り換え、バスを乗り継いで行き着いた先には。


わー。
ほんもの!本物だよ!私の目の前には、あのきれいな湖が広がってる!
ぼんやりとした「憧れ」だったものが初めて私の目の前に現れた瞬間でした。それは、私が想像していたものよりも、ずっとずっと達成感があって、喜びがあって、そしてキラキラしたものでした。

26歳にして夢を語る

それからというもの、私は小さな夢や目標を作っては叶える事に夢中になりました。
とはいえ、いわゆる「人生をかける夢」というものについては、考えても考えてもどれもしっくりきていませんでした。
なので、とにかく色んなことをしました。
  • 大学院に進学して、誰もやってなさそうな研究を始めた
  • 大学のサークル(民族音楽)で頑張って卒業時にはライブの企画運営もやった
  • ちょっと面白い学習塾でアルバイトをした
  • 就職活動をした
  • 大学院卒業後に地元名古屋を脱出して関東で働き始めた
自分が何をしたいのか本当に明確ではなかったので、実験の日々だったのです。これかもしれない、でもちょっと違う。ここは良い。じゃあこれはどうだろう。
その中で、色んなことに気づきました。
  • 私は自分のしてきた経験を他の人に教える事で、その人の選択肢が広がるところを見るのが好き。
  • 私は楽しいことが好き。人を楽しませることも好き。
  • 社会は個性的な人の方が求められているけれど、学校の中ではそういう面って出しづらい。
  • 授業=つまんない、固い、という固定概念を壊して面白いな、と思ってもらいたい
  • 夢を叶えるのは結構楽しい
そんな気づきがあったので、思い切ってそれを授業という形にすることにしました。
そんな私の今の夢は「日本一面白い授業や教材を作れる進路のアドバイザーになること」です。すごくしっくりきています。
実はこの記事の冒頭の写真は、実はその夢を叶えるために、元アルバイト先の塾にお願いして、授業をやらせてもらった時の写真なんです。

夢はいつ持ったって良い。何回変えてもいい。

私はまだまだ夢に向かって歩き出したばかりです。授業もまだ発展途上で、完成していません。教材も少ししか作っていません。でも、小さな授業から始めて、少しずつ歩いていくつもりでいます。

私は、たったひとつの夢を若い時から貫いて叶えようとする人は本当に凄いと思います。
でも、それだけが人生を楽しくする道ではないと思っています。
歩きながら見つける夢があっても良いと思うんです。夢って本当に見つけたもん勝ちなんです。他の人のペースに気を取られて夢を見つけられずにいるなんていうのは本末転倒で、もったいないことだと思うんです。
夢に大きいも小さいもないです。将来どんな職業につくか、ということだけが夢でもないと思います。
人生の中で、何を叶えて、達成していくか、それは本当にその人次第です。だから、どうか今夢が思いつかないからってガッカリしたり、しないでほしい。
気楽に、こんなことしてみたいな、小さいことだけどこういうのやってみようかな、そういうことの積み重ねが大きな夢を持ってくることだってあるんですから。

そんな事を思いながら、今日も私は少しでも面白くて自分の人生を最高にhappyにできる人を増やすにはどうしたら良いだろう、と試行錯誤しているのであります。ぜひぜひ一緒に頑張りましょ。

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