平日の楽しみ方
トーストを食っている
レタス、トマト、ペーパーエッグ
600円
この店は気に入らない
もう何年も通っているが
日曜の朝に一人きり
昨日を跨いて今日ってわけじゃない
ただ、たった今来たんだ
太陽の光を浴びて
休日を満喫しようと
綿密な予定を立てる
またしても、だ
くそったれ
日曜の朝にだ
月から土まで働いて
たまの休みが
一人きりでトースト
朝から酒片手に祝うわけじゃない
ブレットって言やカッコいいが
札束にありついたわけでもない
ただの焼いたパンだ
休日の朝なのに
このトーストのせいで
俺は過去の過ちを思い返し!
悲しみの追体験を繰り返し!
孤独さを再確認するはめになった!
くそったれ
こんな始まりで一日が輝くのか
馴染みのCD屋に顔を出し
つかの間の些細な喜びを小脇に抱え
寝ぐらへ続く明るい帰路を闊歩する
いったい何が休日というんだ
SNSで他人と繋がる
更に惨めさが際立つだけだ
酒で気を紛らわせとでも言うのか
口座が強姦されたと
気づく頃には頭痛と吐き気
便器でニルバーナだ
むしろこの一日こそが
週で最も苦痛な修行じゃないか
くそったれ
あぁ、こんな日が毎週来るなんて!
あと6日後にはこの日が来るなんて!
何かを変えなければならない
何かを変えなければならない
その日は来る
集団や他者は慰めにもならない
むしろ集団性が孤独を生み出す
パラドックスというやつか
あぁ、刻々と暗い影は忍び寄る
どうしようもないんだ!
逃げ切れない!
この流れには抗えない!
目に見えている暗黒の修行日
残り6日
この掛け替えのない
くそったれ6日間を
輝かしいものにするしかない
6日充実させれば
たった1日の苦行なんて
我慢できるだろう
あぁ、月曜が来る
太陽が待ちどおしい
ハレルヤ ハレルヤ ハレルヤ
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