自分のずるさと怠惰と虚栄心に向き合った議員インターン


この春、ずっと憧れていた大学に進学した私は燃えていました。
国際関係学を学ぶ学科に入ったので、英語の勉強をして、グローバルなサークルに入って、留学して、将来は海外でNGOなどに所属して働きたい、等々いわゆる”意識の高い”学生の考えそうなことを目標としつつ、勉強とサークル活動に励んでいました。
ですが、しばらくして自分の中で違和感が生まれ始めました。
勉強していてもいまいち面白いと思えず、あれほど意気込んで入ったサークルもあまり参加せず、そもそもなにが研究したかったのかなどと考え始める始末。
とにかく全てにおいてモチベーションが上がらなくなってしまったのです。
原因がよくわからないまま悶々と過ごしていたとき、授業前の告知であるものと出会いました。
それが、議員インターンシップ。
夏季休業中に行うインターンシッププログラムで、国際政治に興味があったこともあり、私はこのインターンへの参加を決めました。大学の勉強でもやもやしていた当時の私は、純粋に勉強したいという思い以上に、”充実した夏休み”を手に入れたい、という気持ちが強かったように思えます。

そんな不純な動機で始めたインターンは、なめてかかっていた私の想像を絶するものでした。
しょっぱなのオリエンテーションで受け入れ議員から課題を出され、どんな手を使ってでも成し遂げるよう指示されました。正直、なにが目的なのかわからなかった私は、「こんなもんでいいか」というくらいで仕上げ、精いっぱいやりましたという顔をして提出しました。
終わった後で、どうしてアドバイスをもらいに来なかったの、自分の中でゴールは描けていたの、などといろいろなところをつっこまれた末にひとこと。
「ほんとうに出来るようになろうと思ってた?これぐらいでいいやって思ってたよね。」
考えていたことを見透かされた私はびっくりしました。
そのあと、テキトーでいいと思っていたのなら、こうして時間を割いている自分(議員)にとっても失礼だし、あなたにとってもすごくもったいないことだ、そういわれた私は恥ずかしさとふがいなさでへらへら笑うことしかできませんでした。

その後も次から次へミッションが課せられました。
1か月でビラを5万枚配れ、会ったこともない人を呼んでOBOG会を開け、ひとりでできないことは誰かに頼れ、わからないことは誰かに訊け・・・
こうした課題をなんとかせねばとあがくなかで、私は自分で考え自分で動くということの必要性をこれでもかというほどに思い知らされました。
なにかをする際、黙っていても協力者は現れませんから、まず自分でメールを送るところから始めます。無事承諾を得た後、今度は協力者になにをしてもらうかを考えます。複数いる場合はダブらないように細かく計画し、詳細な指示を出していきます。ときどき確認をして、動けていない協力者やその分の仕事についてどうするかさらに考えます。
司令塔は常に自分ですから、自分が動かないとすべてが動かなくなってしまいます。
議員の仕事も、自らが主体となって課題を解決することですから、このとき議員は自身の経験から、私に自分で考えて自分から動くことの重要性を教え込もうとしてくれていたのだと思います。
逃げたいと思いながらも試行錯誤を重ねるうちに、私は大学に入ってから感じていた違和感の正体がわかってきました。

私は、ただ大学に所属しているだけで、授業に出ているだけで、サークルに参加しているだけで、何者かになれる、そう思っていたんです。
授業を受けていれば知識のある人になれるだろう、サークルで活動していれば国際問題に関わっていることになるだろう、すごい人たちのいるところにいれば自分も自然とすごい人になれるだろう、などと思い上がり、○○大学、××サークル所属、といった肩書のみで満足していたんです。
当然、いるだけで立派になることなんてできませんから、授業に出ても知識が増えない、サークルに出てもとくに大きなことは起こらない。どうしてかな、つまんないな、そう考えているうちにモチベーションもずるずる下がっていったのだと思います。
結局のところ、最初に議員に言われた通り、私は何事も「ほんとうに出来るようになろう」と思っていなかったのです。ただ、”意識の高い”ことをやっているように見せかけるだけで止まってしまっていたのです。

そんな私にとって、「口はいいから頭と手を動かせ」、「できるできないではなく、やれ」、そういって議員が課題を与えてくれたことは、本当に幸運であったと思います。
どうしたらできるかな、と考えることが癖になり、実際の動き方の順序や方法も以前よりはやくたくさん思いつくようになりました。
もやもやの正体がわかったおかげで、やっているように見せかけるのはやめて本当にやってみようと思えるようになり、かえってすっきりしました。

たった2か月の間でしたが、自分に中のプライドや虚栄心、失敗したくない、楽したいなどのどろどろしたものと向き合い、少しだけそとに吐き出すことができました。
議員インターンをして人生が変わった、今では本当にそう思っています。

NPO法人ドットジェイピー:http://www.dot-jp.or.jp


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