えにしつむぎ 第6縁 『愛すべき荻窪ROOSTER』

荻窪に部屋を借りて今秋で早9年。この街での縁の数々より、音楽食堂Rooster佐藤ヒロオマスターこそまず始めに語るべく人物。音楽で縁を紡ぐ達人です。2004年秋、東京で腕試しするべく部屋を借りた。頼る伝手も皆無、的外れのセッションを回ってはため息をつく日々。部屋と反対側の西口に気になっていたライヴハウスRooster。一度知人が出演時にゲストで歌わせて頂いたのだが、失敗をして足が遠のいていた。ある夜、勇気を振り絞って閉店間際に行くと、丁度仲間内でセッション中。一発歌ってみると一番喜んでくれたのは「貴女がゲストで歌った時の記憶がない」と言ったマスターだった。「毎月出演中のソウルバンドを紹介するから、ゲストで歌ってみたら」と彼の一声で毎月出演する事に。様々なライヴのゲスト、周年イベントと、マスターのお奨めで、一年の間であっという間に出演ミュージシャンにも顔が知れ渡り、お客様も増えた。程なくして初ソロ出演も大成功、数年毎月ソロ出演させて頂きほぼ毎回満員。沢山の事を教わった。休み時間に自ら手品を披露、従業員に「オーダー取るより笑いを取れ」と仕込む風変わりさは他に類を見ない。一人で来ても楽しめる音楽の演芸場のように、音楽の質が良いのは当たり前、ディズニーランドのように色々楽しめて幸せになって帰ってもらいたい、そんな思いを持ち続け、めでたく去年15周年を迎えた。今では彼とは公私共に仲良し。2010年にいわきアリオスでの私の活動10周年ライヴの時に、マスターは司会として、更にギターも弾き、その根っからのサービス精神に脱帽した。毎年9月18日は彼とお店の生誕記念祭。毎回歌うローリングストーンズの替え歌の中で「寂しくなったらここへ来れば良いー」と歌いながら想いを込め過ぎて声が裏返るマスターにほろりとしながらも、これからも宜しくね、と呟く私なのである。今年の9月18日も楽しみ、上京の際は是非ご来店を。結び。

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