バンドをやっていた時のこと、音楽遍歴、あれこれ・その6

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 前述の音響作品が(自己満足ながら)そこそこいい出来栄えと感じた我々は、第2弾を作ろうと思いたち、今度は高2の夏休みを利用し、この際、アルバム仕立てにして、90分カセットテープの片面、すなわち、45分が丸丸埋まるような作品群を作ろうとした。しかし、結果的には、このプロジェクトは頓挫した。

 今思えば、当然のことであった。我々の制作は基本的には録音することであったが、まず第一に十分な機材がなかった。手持ちのラジカセや、他の友人らから借りたカセットデッキなどを使ったものの、これでは満足のいく録音ができるはずもない。プロですら、いいテイクが取れるまで何回も録音を繰り返すのである。高校生だった我々には、そのような技量も知見も持ち合わせていなかった。

 また、一つ致命的だったのは、この第2弾のプロジェクトにおいて、私と友人との意識の違いが生じたことである。友人は、即興による特殊な音響的作品の制作を志向していたが、一方、この私が提供した楽曲は、普通の楽器を使った、きちんと作曲した歌ものであった。

 このように、友人と私との二人の方向性のズレが生じ、やればやるほど、お互いにつまらないものとなっていった。結局、無理矢理に総時間45分の作品を作ったものの、全体的には散漫な印象となってしまった。中にはそこそこ面白く仕上がった作品もあったが、全体を通じて聞くと、あまり面白くない。一作目は後先を考えない、即興的な勢いがあったが、この二作目は変な色気が出てしまい、さらにそこに技量の不足が加わり、そういった面が露呈した結果となった。

 その後、我々はこれにも懲りず、冬休みを使って第3弾の制作に着手したが、年末というせしさと、ネタ切れや勢いの欠如、機材や演奏技術の不足が明らかとなり、結局、数作品を適当に録音しただけで終わり、形にまとめることができず、この第3弾は未完の作品群で終わった。

 我々は高3となり、友人は同級生らと普通のバンド活動もしていたので、バンドの方に専念し、私は大学受験のため音楽活動は一切停止し、結局、我々のユニットは1年で頓挫した。

 これらのことを省みると、この時の活動は録音だけに専念した点があまりよくなかったように感じる。できる範囲の中で、人前でのライブ演奏を画策してもよかったのかもしれない。聞いてもらった人に受ける受けないは別として。

 しかし、この友人は、普通のバンドでは人前で演奏していたものの、この種のフリー作品のライブ演奏はやりたがらなかった。私も人前でやろうという気持ちもなかった。そして、お互いに高校を卒業し、私は大学生となり、一方、友人は就職したので時間が全く合わなくなり、彼との交流はいったんは途切れてしまった。

 ここで話は変わるが、大学での音楽系のサークルは華形で人気がある。私も大学入学当初は音楽系のサークルに入ろうと思っていたが、ここにきて現実の壁にぶつかることとなる。経済的にあまり裕福でなかったので、大学の授業後はアルバイトをしなければならなかったこと、また、その他諸般の事情により、サークル活動はしたいと思ってもできない状況になったからである。

 結局、中学以来、いつかはバンド演奏したいと思っていたものの、中学及び高校時代を通じてバンド演奏はできず、大学に入ってもできずで、私は少なくとも音楽活動においては悶々とした思いを引きずらざるをえなかった。電車に乗っていて、ギターケースを抱えた人などを見ると、すごく羨ましい思いをしたこともある。今思えば、バンドだけが音楽ではなく、ギター一本の弾き語りスタイルを選ぶこともできたのであるが、当時の私は、ともかく、バンドで派手に演奏したいという思いしか無く、一方で、それがなかなか実現できず、本当に悶々とした気持ちだけであった。

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