風邪をひいたときの話

白帯

こんばんは
風邪をひいたようだ。なんだかぼんやりする。椅子の背もたれに冷たさを感じ、体温の高さに少し驚いた。鼻水が出るし、咳やくしゃみもあって難儀している。明日が休みで良かった。このところ体調を崩したことが無かったので高を括っていたのだけれど、一旦こんな状況になってしまうと、受けるダメージの大きさや、この先何日かつぶれてしまうことを想像して怯んでしまう。やはり寄る年波には勝てないのか。
それでも三十路を迎えた頃に比べると、大分自己管理が上手くなった。あの頃は月一で風邪を患うような状況で、回復力も目に見えて衰えていたので、相当落ち込んだ。その時期と比較して体力がついたわけではなく、むしろ減退しているけれど、食事や習慣の改善が功を奏しているようだ。パワーや根性ではなく、知恵と機転で戦うようになったのだ。僕らはそうやって生きていくんだよ。
以前、カナダに留学していた友人からメールをもらったことがある。柔道の試合に出たところ、年下の対戦相手の膂力に歯が立たず負けてしまい、やはり若さには勝てないのだと嘆く内容だった。その返信で、若さが全てじゃないと書いた。勝つこともあれば負けることもあるのがスポーツやし、力や素早さではなくて、賢さと経験で戦うようになったんやよ、これから俺らはそういう風にやっていくんやで、というようなことを言ったと思う。確か20代半ばの頃で、今から考えると相当おかしな話だね。その友人もこいつジジイやなって思ったことだろう。けれど、友達の少ない僕にとって、そんなメールをくれたことが嬉しくて、随分考えて送ったんだ。
今の僕が、万が一柔道の試合に出たとしたら、問答無用でコテンパンに熨されるな。え、何で来たのって会場もザワザワする。僕もそう思うだろう。それで家に帰って、誰かに今日あったことを愚痴るんだ。そんな友達いないけれど。それでもし、こんな風に慰めてもらったとしたら、きっと、とても、とても、温かい気持ちになるだろう。
だから、今20代半ばの僕に何かしてやれるとしたら、グッジョブって言ってあげよう。大丈夫。少なくとも、僕には伝わったよ。

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