離れる 〜僕が母の愛に気づくまでの道のり〜

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前回、「守られる」の続きです。


自然になった距離

中学から始まった僕と母の別居は、僕が高校に入学しても終わらなかった。その頃には、もはやその距離が必要なものになっていた。その距離がなければ、僕と母はぶつかってしまう。不干渉であること、それが僕と母のルールになった。

母は僕に何度も帰ってくるように言ってきた。僕はその度に

「自分から出て行けと言っておいて何なんだ?オレの親をやめた人間の家に住む気はない。」

と突き放した。お母さん子の兄は、そんな僕に苛立って、僕を泣きながら殴った。無理矢理母の家に連れて行かれても僕は祖父母の家に帰ってきた。
僕の帰る家は、母の家ではなかった。
もはや、僕の両親は祖父母になっていた。

あの頃の僕にとって、母はどんな存在だったんだろう。

本気で僕は、母の存在を必要としなくなっていた。


決別

高校2年の終わり頃、母は僕を脅した。

「帰ってこないなら、大学のお金は払わない。」

脅しでしかなかったが、僕は

「帰ってやるから、煙草は台所の換気扇の下で吸え。禁煙が条件じゃないんだからできるだろ?」

母も、それならばと言って僕の条件を承諾した。
僕と母の二人暮らしが始まった。
母は二人暮らしが始まって一週間で僕との約束を破った。
僕が咎めると

「ごめん。もうしないから。」

そう言った。
その3日後くらいには母は約束を再度破った。僕が咎めると、母は決まり文句で僕の怒りを流した。
何度も、このやりとりは続いた。
僕は母に呆れた。母の親の品格の無さ、人間性に心底呆れた。

みんなの読んで良かった!