コーギーと過ごした3494日と12時間くらい。うちに来てから旅立つまでの毎日。
お母さんと上のお姉ちゃんがケンカしてる時も。
たまにお父さんがお酒に飲まれて帰ってきたときも。
下のお姉ちゃんが会社で嫌なことがあって元気ないときも。
誰かが泣いてる時も。
いつもただただそばにいて話を聞いてくれたね。
犬は話せないけど、お兄ちゃんはめいとたくさん話をした気がするよ。
たくさんの季節がすぎて、めいはたいせつな家族になったね。
散歩中にうしろあしがプルプル震えたり、息切れしたり、あんまり走らなくなって。
「こっちに行きたい」もあんまりしなくなったね。
7歳になった。秋。
お父さんとお母さんがに連れられて病院に行ったね。
この歳まで生きたことが凄いことです。
一緒に生まれた兄弟はすぐに3人死んじゃってたってね。
あの日は久しぶりに一緒の布団で寝たね。
寝てるのに、かまって攻撃がやむことはなかったね。
それからしばらくして、お腹にしゅようができ始めたね。
それも検査したけど、心臓が悪いから手術ができなかったんだよ。
でも薬もご飯もたくさん食べてたし、
散歩もゆっくり短い距離だけどいけてたし、お腹だして変な恰好でねてたし。
ゆっくり1年が過ぎて。
家の中で飼おうってことになって。
お兄ちゃんの部屋がめいの部屋になったね。
10年かけてめいの為に庭を改造したお父さんが、今度は部屋の改造に夢中になってたね。
お母さんも仕事があるのにいつもご飯くれて、掃除してくれて。
帰ってくるのはお母さんが一番はやいから、
いつも「倒れてたらどうしよう」って心配してたんだって。それは大丈夫だったね。
ドックランに行ったらお兄ちゃんとお姉ちゃんたちが食べてた銀ダコほしがってたね。
あんなに美味しそうに太った後ろ足もすっかり細くなって。
普通にあるくだけでヨタッて倒れこんじゃったね。
でも越えられたね。頑張ったね。今年は暑かったのに。
秋口からしゅようがどんどん大きくなって。歩くときもお腹がすっちゃうから痛かったよね。
だんだん散歩にも行けなくなったね。
でも痛いそぶりもしないし、ほえないし、いい子だった。
めいは「いい子」ていうのと「かわいいね」が大好きだった。
11月24日の昼過ぎに上のお姉ちゃんから
「めいが危ないから帰ってきて」ってメールもらった時はいよいよか、
と思って久しぶりに実家に帰ったよ。
あの時に帰らなかったら、もうめいに会えなかったね。
帰ったらそんなそぶりは全然なくていつも通り、やや元気なめいがニコニコしてたね。
お母さんとお姉ちゃんから「今朝おきたら血まみれですぐ病院つれていった」って聞いてたけど
人騒がせなめいだな、と思いながらやっぱり年は越せないかなとも思ったよ。
次の日が朝早かったから、あんまり夜も遊んであげられなくてごめんね。
朝になってばたばたしながらめいのところに行って
「再来週の土日はまた実家に帰ってくるからゆっくりしようね」って。
いま思えば。
最期に頭をなでなでした時のめいと、
最初にペットショップで会ったゲージに入ってためいは本当に同じ顔をしていたよ。
足を前に伸ばした変な座り方をして首をかしげながらずっとずっと僕を見ていてね。
それが最後。
でもその週末は本当に元気だったみたいで、
久しぶりに下のお姉ちゃんお母さんとたくさん遊んだらしいね。
この半年、ずっと面倒みてくれてた上のお姉ちゃんが大阪に行ってたから
気晴らしに下のお姉ちゃんと遊んであげてたんでしょ。
11月28日の朝に上のお姉ちゃんがやっと大阪から夜行バスで帰ってきたんだよね。
お姉ちゃんは帰ってきてすぐにご飯をあげたのに、めいは食べなかったんだってね。
それでお姉ちゃんが少し部屋で寝てたんだよね。
そのときにいったんだね。
最後に会いたくて待ってたんだね。
いい子だねーめい!
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