東大生がネトゲで出会った女性と結婚し、「生きる理由」を教わって人生が変わった話

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こうして僕は、晴れて筑駒生になった。


高校生活から浪人生活


高校に入学した僕は、「筑駒合格」というそれまでの人生で最大の目標を達成して、完全に目標を見失っていた。


僕は誰よりも努力した。


しかし、それだけだった。



僕は目の前の「受験」と言うレースに身を任せた。

筑駒には入りたかったが、受験レースは僕が設定したものではない。

そして、受験レースを誰よりも速く駆け抜けるために、自分という存在のほぼすべてを投入した。


その結果、僕からは「自分が達成したい目標を見つける能力」が失われていた。

何のために生きているのかわからなくなっていた。


高校2年生からはゲーセンに入り浸るようになった。

あれほど行きたかった鉄緑会もサボるようになった。


それでも、鉄緑会の上位クラスはキープしていたし、

学校内の模試では学年の上位1/4をキープしていたから

大したものだと思う。


恐らく、高校受験の時の貯金が効いていた。


高校生のときに、中学校の恩師にお目にかかる機会があった。

恩師
(中学生のときよりも)落ち着きが出て、大人びたなぁ

折角お褒めの言葉を頂いたのだが、きっと、「生きる意味」を見つけられずに勢いを失っていただけだと思う。


結局、受験直前のラストスパートに身が入らず、現役の時は東大文科1類に僅差で落ちた。

あと3点だった。


他に受けた私立大学はすべて合格していたが、どれにも行く気がしなかった。

子どもの頃から「トーダイ」と自分の頭に刷り込んでいた。

親の期待を自分の中に取り込んでいただけかもしれない。


僕は東大を目指す明確な理由を持たないまま

東大合格を目指して浪人することにした。



浪人生活


浪人生活が始まっても僕はゲーセンに入り浸って勉強をしなかった。

予備校にも顔を出さなかったので、担任のチューターに顔も覚えてもらえなかった。

合格の報告をしたときは絶句された。


「僅差で落ちたのだから、少し勉強するだけで合格できる」

こんな甘えがあった。


実際、これは間違ってはいない。

だが、残り3点を埋めるためにはどれくらい勉強をしなければならなくて

そのためには何月から勉強すれば良いのか?

こう言うシミュレーションが必要だ。


僕はこのシミュレーションを全くしなかった。


そして11月頃、僕はPCでやるシナリオゲームをやっていた。

そのゲームのテーマは"Will"

Willとは「意志」


「生きる意味」すなわち意志を持たない僕の胸に

キャラクター達のセリフがグサグサと刺さる。

「夢をかなえるには、まず、夢そのものがないといけない。」

(他にも心に刺さったセリフはあるのだが、割愛)


そしてエンディングで号泣。

1時間くらい泣きじゃくっていた。


「翼がなくても、きっと行ける」

そう背中を押され、僕は東大に合格することを決意した。

僕の浪人生活は12月に始まった。



人生2回目の猛勉強シーズン到来(浪人生)


とは言え、時間はない。

半年以上、全く勉強をしていなかったので予想以上に学力が落ちている。


予備校にすら顔を出していなかった僕は、

睡眠(7時間)+ お風呂、食事、トイレ(合計1時間)=8時間

これ以外のほぼすべてを勉強に充てた。

一日の平均勉強時間は15時間くらいだった。

再びこんな感じ↓

猛勉強の甲斐があって、僕は1浪で東京大学文科1類に合格した。



2.東大入学後からYさんとの出会いまで


東大に入ったからと言って、「生きる意味」が見つかるわけでもなく、

僕は塾講師や家庭教師のバイトでお金を貯めて、海外旅行に行くようになっていた。

今から思えば、一種の「自分探しの旅」だったかもしれない。

日本に閉塞感を感じて逃げ出したかったのかもしれない。


そんなある日、僕はブラウザ三国志(ブラ三)と言うネトゲに出会った

ワールドの中で他のプレイヤーと同盟(ギルド)を組み、同盟間で競う。

マップ上の7つの城を制覇した同盟が「天下統一」を達成する。


  天下統一


なんと甘美な響きだろうか


競争好きな僕の心に火が付いた。

1つめのワールドでは大きな同盟の盟主を務めるまでになったが、

天下統一を果たせぬまま、同盟運営の失敗や体調不良が理由で泣く泣く引退した。


すると、先に引退したと思っていた前盟主からメールが来た。

前盟主
新しいワールドで一緒に天下統一を目指しませんか?

僕はこの誘いに飛びついた。


新しい同盟では盟主職を前盟主にお願いし、自分は外交官職に就いた。

ほかの幹部たちも各ワールドの有名人ばかり。

「これは行ける」と確信した。


僕たちの同盟は着々とワールド内で勢力を拡大していった。

同盟員たちとはチャットで毎晩盛り上がっていたのだが、

同じ幹部のYさんとはアニメやゲームの話題で盛り上がることが多かった。

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