東大生がネトゲで出会った女性と結婚し、「生きる理由」を教わって人生が変わった話

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そして、お互いに年末の冬のコミックマーケット(冬コミ)に参加することがわかった。

冬コミに参加するほかの同盟委にも誘い、冬コミ後にオフ会(飲み)に行くことになった。


冬コミ当日、僕は自分の用事が終わったので、少し早かったがYさんと合流することにした。

Yさんとはコスプレイヤーとして参加しているらしいので、コスプレ広場に向かった。

あ、もしもしー。Iですけども。


僕はブラ三内では「I」と名乗っていた。

そして、コミケは本当に人が多い。

近くに着いたくらいじゃ初対面の人なんてどこにいるかわからない。

(コミケの様子↓)

コスプレ広場の前に付いたんですが、どのあたりにいます?
Yさん
えっとねー、階段の正面のあたりにいるよ。
とりあえず広場に入ってきてよ。
入ったよ。
Yさん
今、手を振ってるよー。
探してみるね。


この時点で僕がYさんについて知っていたのは

・女性

・丸顔(顔は事前に写メを送ってもらっていた)

・腰にまで届くロングストレート

この3つだけだった。

流石にこの人混みだと、なかなか見つからないなぁ。。。
Yさん
(ブンブンブンブン)
。。。

自分とは反対の方向に向かって大きく手を振っている女性がいた。

顔は見えないが、僕がさっき説明したあたりに向かって手を振っている。

そして、腰にまで届くロングストレート。

後ろから近づいてみた

(何かこの人っぽいな。。。)
Yさん
(ブンブンブンブン)
あのー。Yさん?
Yさん
(グルン)

Yさんが長い髪を振り回しながら振り向いた。

Yさん
Iさんだー。うわーほんとだー。わかーい!

会う前に自分のおおよその年齢と男性であることを伝えていたのだが、

実際に会うまで年齢を信じてもらえなかった。

チャットでの会話内容が老けていたらしい


そして


Yさんが振り向いたとき

僕は生まれて初めて恋に落ちた。


一目惚れだった


3.Yさんとの結婚まで



冬コミからしばらくすると二人で一緒に遊びに行くようになった。

Yさんは自由奔放に見えた。


「何かをしたい」と言うとき、「どうして?」と聞くと

「面白そうじゃん」

とか、具体的な理由は何も返ってこなかった

できそうかどうか、周囲の人間がどう思うかは関係なく

面白そうかどうかで自分の行動を決定していた。

明確な理由なしに何かをすることがなかった僕にとって

大変なカルチャーショックだった。


そして、僕は自由奔放なYさんにますます惹かれていった。

「生きる意味」を見失っていた僕にとって、

やりたいことをガシガシやっていくYさんは太陽みたいにまぶしかった。



ちなみにここでYさんのスペック。


僕の9歳年上

離婚歴あり

子ども二人

学歴なし


僕と同じ境遇にほかの男性がなったとき

たぶん、多くの人は「あきらめる」と思う。

一緒に遊ぶには楽しいんだけどな、で止まるかもしれない。


だが、僕はここでアクセルを全力で踏み込んだ。


初めて冬コミで会ってから2ヶ月後には交際を申し込んだ。

Yさんにはもの凄く止められた。

というより、正気か疑われた。

つきあって下さい。
Yさん
え?
つきあって下さい。
Yさん
それって彼女としてってこと?
(うなずく)コクリ
Yさん
私、9歳年上だよ?
うん。
Yさん
私、子どもいるよ?
うん
Yさん
Iさんはまだ20代だし、年貢を納めるのはまだ早いと思うよ?
Yさん
子どももいるし、9歳年上だからIさんとの結婚は難しいと思うよ?
そんなことないよ。僕はYさんと結婚したい。
僕はYさんに年貢を納めたい。
Yさん
!!?

結局、「結婚したい」のところについてはYさんはまだ半信半疑だったが

「真剣につきあいたい」という気持ちは通じたらしく、僕とYさんはつきあい始めた。


その後、東日本大震災のときに一緒にいたことも後押ししてくれて、

僕とYさんは結婚した。


今ではYさんと僕の間に一人の息子も生まれている。



4.Yさんが教えてくれた「生きる意味」


Yさんは、「好奇心が強いこと」・「負けず嫌い」以外は何もかもが僕と正反対だった。


       僕 ⇔ Yさん

    学歴あり ⇔ 学歴なし

    仕事重視 ⇔ 家庭重視

実現可能性を重視 ⇔ 自分がどのくらいやりたいかを重視

    頭が固い ⇔ 頭が柔らかい

    理性偏重 ⇔ 感情偏重


Yさんと一緒になってから僕はとても不思議だった。

僕もYさんに負けないくらい好奇心が強いし、負けず嫌いなのに
どうしてこんなに性格が違うのだろう?

一緒に旅行に行くことになり

泊まる宿を直前に決めて、プランも準備も適当なままに出発したとき

僕は生きた心地がしなかった。


僕が旅行に行くときは1ヶ月くらいかけて綿密にプランを練る。

Yさんはそれを全部すっ飛ばして行った。


もちろん、旅行は満足のいくもので、特に問題は発生しなかった。



ある日、Yさんに聞いてみた。

Yさんはいつも楽しそうだよね。
Yさん
うん。やりたいことしかやってないからね。
(僕もやりたいことしかやってないはずなんだけどなぁ。。。)

僕は真剣に悩んだ。


そして気がついた。

必ずしも「自分が」やりたいことをしてきたわけではない。


アメリカにいた頃までは良かった。

授業が楽しかったし、どんどん勉強を先に進めるのが楽しかった。

サッカーの習い事も、大して上手くなかったが、サッカーが好きだったから楽しかった。

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