ど田舎にできた高校アメフト部がたった2年で関西大会に出た話(20現実は頭の中で起こっている。考え方を変えれば現実は変わる)

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20.現実は頭の中で起こっている。考え方を変えれば現実は変わる。

 

 次の日の練習前に僕はU先生に体育教官室に呼ばれた。

僕は、昨日からこうなるだろうと思っていた。

体育教官室に入ると

「まあ、そこにすわれや」

そういって先生は僕を正面に座らせた。

「うしよ。キャプテンとして昨日みたいな練習をさせとったらあかん。あれはなあ、やらされとる練習や」

「あんな練習では、関西大会には出れん。お前も分かっとるやろ」

U先生は珍しく穏やかな口調でいった。

「先生のいうとおりやと思う」

僕は、自分でも驚くほど素直に答えた。

「人はな、同じことをやるのに気持ちの持ち方しだいで、しんどさはぜんぜん違うんやで」

「親が、病気の子供を背負って夜中に病院へ行くのに長い時間歩いて、しんどいから怠けたろかと思うか」

「そやけど、人から届け物を頼まれて、同じ道を歩くときはしんどいと思うかもしれんな」

「どっちも同じ長さや」

「そいつの感じる現実というのは、外にあるんやなくて、そいつの頭の中にあるんや」

「お前は、みんなに『練習はやらされとるんと違う。お前らが関西大会に行きたいからやっとるんや』ということを分からせるようにせい。それがキャプテンの役目や」

「やり方はまかす。ええな」

僕はU先生の言葉に、どこか懐かしさを覚えた。

 

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