会えなかった、初恋の人。3,4

会えなかった、初恋の人。


Episode1 出会いはチャット
Episode2 会いたい
Episode3 会えなかった理由
Episode4 別れ
Episode5 彼が去った後
Episode6 15年後の今



Episode3【会えなかった理由】


Kに会いに行こう。

Hの有難い誘いに乗れなかった私。

それは私自身のコンプレックスだった。

自分に自信がなかった。私に会ったら、きっとガッカリする。
もしも私が人並みに可愛かったら、スタイルが良かったら、
少しでも自分に自信があったら、親に嘘をついてでも、何をしてでも大阪に行っていただろう。

でも私は行かなかった。行けなかった。
私に会って、私にガッカリして欲しくなかった。嫌われたくなかった。


後に彼が、スノボ旅行で岐阜まで来た事があった。
私が住む愛知県からはもう目と鼻の先だった。

滞在先のホテルの名前と、滞在期間を添えて、

「来れるんなら来てもいいよ、そしたら相手してやるよ!笑
 って受験生相手にスノボとか、わりーわりー(笑)」とメールが来た。

これがKに会える、最後のチャンスだった。
でもやっぱり私は行けなかった。会う勇気がなかった。
せめてホテルに電話すればよかったと今になって思う。
でも全ては過ぎ去ってしまった。もう何もかも遅すぎる。

自分に自信がない、それだけのことで、初めて心から愛しいと思った人に
会いに行く事すら出来ない自分が情けなかった。




Episode4【別れ】

別れは突然だった。
中学の卒業式を終え、私の高校受験が全て終わった後だったと思う。

彼から来たメールに、私は頭が真っ白になった。


「ずっとやりたかった仕事に突ける事になった。
 同居していたイトコのNの結婚も決まり、マンションも引き払うことに。
 夢だった仕事をするために、日本を出ることになった」

この頃のメールのやりとりはあまりよく覚えていない。

ただ、おめでとうと言うので精一杯だった。
彼の夢だった仕事が出来るのはとても素晴らしい、
でもどうして。。

引っ越したって、外国にだって、私たちが出会ったこの インターネットというツールはある。
世界中のどこに居たって繋がれるものだと思っていたのに。。

そしてメールは途絶え、やがては送ったメールもエラーで帰ってくるようになってしまった。
私は、初恋の人を失ってしまった。とうとう一度も会えないまま、二度と会えなくなってしまった。
呆気なく、失ってしまった。
ちゃんとお別れも言えなかった。

彼のメールアドレスは、フリーメールではなく彼が使っていたプロバイダのものだった。
そしてエラーとして返ってくるメールたちが、彼がプロバイダを解約したのを真実だと告げていた。


彼は、私の受験が終わるのを待ってくれていたのだと思う。
もし受験の真っ只中でこれを聞いていたら、私は確実にすべての受験に失敗していただろう。
それが、最後の彼の優しさだったに違いないと私は思った。

そして私は高校に入学した。とても大人になった気がした。
高校入学後3日でアルバイトを始めた。

本当に愛しい人に会いたい時に会えるように。
お金も必要だった。親や周りからの信用も必要だと思った。
一刻も早く働きたかった。


私はいつまで経ってもKを忘れる事が出来なかった。

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