もう粉々に、音もなく堕ちていったバカ 7


翌朝早く目が覚めた。
午前6時過ぎ。

あー頭まわらねえ...
まだ出勤まで時間早いし
ハーブ一服するかな...

そう思いハーブのパケ袋を見る。
もうハーブがない....

優希はそこから頭の中がハーブでいっぱいになった。

くっそ...吸いてえ...

優希はどうにか吸えないものかと考え始める。
ただまだ時間は朝早い。
誰かに電話して少しわけてもらうのも気が引ける。

どうするかな.....

はっと優希は思いついた。
優希はハーブとパイプを黒い小箱にしまっていた。

その小箱の中にハーブが少しこぼれてるんじゃないか...

優希は小箱を開けた。

2服ほどできそうなほど
こぼれてるんじゃん!

優希は頭の中が、悩み事から解放されたような気になった。

その時気付く。

俺完璧に依存してるな....

ただそう思うのは一瞬であり、
他人からみたら自分がどう映るのかなんて優希にはわからない。
ただ晴れやかな気持ちでパイプにハーブを詰めた。

そして大きく一服。
カーテンを開けて空を見た。

今日はいい天気だなぁー...

と優希はニコニコしていた。

それから2時間ほど経ちもうハーブがない。さすがに優希は諦めた。

どんどんハーブが覚めてシラフに戻っていく。その時優希は思う。

俺はハーブがなくてどうしても吸いたくなった。誰かからハーブをわけてもらえたら..なんて思ったりもした。

祐介もこんな感じでハーブがどうしても吸いたくなって、自分が見えなくなっていったんだろうな...

俺、なにやってんだろう......

サッパリしよう。
と思い優希はシャワーを浴びた。
シャワーから出てソファに座り

ダメだダメだ。気持ち切り替えなきゃ。
仕事の準備しよう。

ん?気持ち切り替えなきゃ?....
俺の頭の中はハーブしかないのか?...

あーダメだダメだ。考えたらダメだ。
そろそろハーブやめなきゃな...

と思い優希は仕事の準備を済ませ、
家を出た。

店に着いた。
仕込みのバイトのおばちゃんが

おはようー!

とにこやかに挨拶してくる。

よし、仕事仕事。仕事しよう。

優希は深呼吸して、店の制服に着替えて
仕事を始めた。

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