強烈なオヤジが高校も塾も通わせずに3人の息子を京都大学に放り込んだ話 パート2 受験編

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【3兄弟の合格祝いステータス】 

①:長男が合格! → ご祝儀も電報もたくさんもらう 
  母「本当に良かった!!!!」と泣いて喜ぶ 


②:次男が合格! → きちんとした懐石料理でお祝い 
  母「本当に嬉しいわ!!!」と大喜び 

③:三男が合格! → スーパーの刺身が食卓に出る
  母「あら、よかったわね〜」



どんまい三男・・・




さて、このストーリーをお読みになっている方の中には「元から地頭が良かったんでしょ」とつっこむ方もいるでしょう。そう、確かに。3兄弟は子どもの頃から頭は良かったと思います(自分で言ってすいません・・・)


それはなぜか。


当然、このオヤジが小さい頃から学力を鍛えるための様々な方法論を、遊びの中に、週末に、ちりばめていたからです。





子どもの学力を鍛えるオヤジマジック




情報処理能力をおもちゃで鍛えろ


幼少期の頃、夢中になったのがジグソーパズルやプラモデルです。同じもの何回も組み立てたり壊したり。飽きるまで何度も遊んでいました。

多くの人が夢中になる子どもの遊びの中に、いったいどんなマジックが隠されているというのか・・・ 


オヤジ「学力の土台は情報処理能力。早く、正確に、手順に従って処理する能力だ。パズルは、自分なりの手順で考えて早く完成させようとするだろ?プラモデルは、決められた手順に従わないと完成できない。手先を使っているのも脳に良い。」 



う~む、なるほど。鋭い洞察。 





レゴブロックは情報"編集"能力を鍛える


他には、LEGO。プラモデルやジグソーパズルに対して、LEGOは「答えのないおもちゃ」です。部品を組み合わせ、宇宙船やらお城やら、なんでもつくれます。


これにはどんなマジックが・・・ 


オヤジ「情報"編集"能力という力も重要だ。頭の中にあるイメージをどんな情報(部品)を組み合わせれば創造できるのか、そのプロセスを描く能力だ。発想力や創造力はこの力がないと高まらない。LEGOはうってつけの教材だ。グハハ」 


子どもの遊びの中にも、そんな大切な力のトレーニングの要素があったとは・・・オヤジ恐るべし。 





物語の力で言葉を磨け


週末になってオヤジが家にいる時は、文章を早く暗記したやつが勝ちというゲームが開催されます。短くまとまった物語を3兄弟に与えるオヤジ。ともかく声に出して何度も読めば覚えられるぞ、よーい、ドン!そうやって覚えた数々の物語。

特に印象に残っているのは中島敦の名人伝。3番目は文庫本で10ページぐらいの物語を全て覚えていましたね。あれにはまいった。 


オヤジ学力の中心にあるのは言語力・国語力。あらゆる教科に通じているのが、説明を読んで理解する力だ。考えるという行為も、人間は言葉を使ってしか考えることができないだろ?言葉の力を磨くことは頭を良くすることなんだ。」 



読書をすれば国語は伸びる、といいますが、読書をすれば頭は良くなる、ということかもしれません。 


オヤジ「ちなみに中島敦の名人伝は名文中の名文だ。なによりストーリーがいい。主人公が弓の名人になるためには、徹底的な基礎訓練に5年間かかった。名人になるためには基礎が重要だということをお前達の頭の中に刷り込んだのはオレだ。」


確かに名人伝は、今でも頭の中にこびりついて離れません。人生を通じていつも「基礎が大事だ」と思っていたのは、このためだったのか!!! 




まさにオヤジマジック。 

知らない所で仕組まれていた数々の戦略とその手口。大人になってから、舌を巻いたのは言うまでもありません・・・ 






オヤジのその後


京大3兄弟のネタが完成し、自慢話が好きなオヤジは周囲に嬉しそうに(偉そうに)話して回ります。でも、いつも返ってくるのは「あなたの3兄弟だからできた」「もともと地頭が良かったのよ」という声。


自らに対する挑戦状と受け取った強烈なオヤジは、ぶちぎれます。
「ふざけんな!誰だってやればできるんだ!!」
壮大な実験は、家庭内から家庭外へ・・・・


機会があれば触れますが、あるとき近所のサッカーバカを拾います。バカと言っては彼に失礼かもしれませんが、なにせ「県統一テストの偏差値5」という恐るべき青年です。そして彼も見事、京都大学に放り込まれることになります。 




このストーリーのつづき


強烈なオヤジは、常日頃から「世の中に挑戦しろ」「自分の信じた道をつき進め」と3兄弟に語ってきました。従って、この受験編は「3兄弟が京大に合格した」ところで終わっていますが、本当のストーリーはこれからです。


3人それぞれ自分の使命と役割を見つけ、オヤジがまいてきた種を、今度は自分の力でしっかりと育てていかなければなりません。


長男の僕は、教育の可能性とその課題を胸に刻み、大学を卒業してすぐに「起業」という道を選びました。これまで


・高校や職業訓練校への出張授業

・ITを用いた教育システムの開発

・図書館を活用した世代間の学びの場づくり


と取組んできましたが・・・当然まだ道半ば。失敗もたくさんしました。
ちょうど2年前には東京の三鷹市で学習塾を開校。
オヤジから教わった手法に自分なりのアレンジを加え、生徒に「勉強って楽しい!」と思ってもらえるような探究型の授業に挑戦しています。


最近では、数学の面白さやドラマを知ることのできる、tanQ Cinema という動画の制作を始めました。YouTubeに投稿しています。いまは高校生対象の、ほんの一部しか完成していませんが、小中学生の範囲もカバーして、ご家庭や学校でも活用してもらえる仕組みを実現していきたいと思っています!
(現在クラウドファンディングにも挑戦中。もしよろしければご覧ください。)


しかし、「塾だけ」で子どもが抱いている様々な課題や期待に応えることは難しいとも感じています。「教育は、学校や塾にお任せ」ではなく、家庭が軸となり、そして地域のおっちゃんやおばちゃんも加わって、素敵な大人が子どもと関わりを持って導いていける、そんな社会になってほしいと思っています。


いまは勉強がつまらないと感じていたり、学ぶことに疲れている子どもでも、知的感動を届けて、やる気を引き出すことはできないか。




パート3では家庭教育でどこまでできるか、勉強ってどういうことか、オヤジの教育論をベースに書ければと思っています・・・つづく・・・

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強烈なオヤジが高校も塾も通わせずに3人の息子を京都大学に放り込んだ話 パート3 オヤジの教育論編

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