変な世界に迷い込んだみたい ~ 研究者の嫁 ~
恋愛から踏み込んで結婚や同棲をする、これはどんな関係であっても男側でも女側でも同性同士だろうと自分の今までの生活と違う世界と接触することになります。
価値観・生活習慣・好むもの・好まないもの・・・・
すり合わせたり妥協したり、許したり、逆に治してもらうよう努力したり・・・
それはどんな結婚・同棲であってもあることだとは思います。それができるから人間って面白いわけだし。
しかし変わった職業のパートナーとなることは「かなり変な体験をする」ことが増えることでもあるとは思います。
私が嫁いだ相手はとある場所にある「多分野を研究する研究所」の「理系工学系」に勤める相手でした。
そこであった嫁だからこそ体験した変なことをいくつか、書きたいと思います。
1 さらばシティライフ!さらばかっこいい理想像!
まず会社です。
広いです・・・・ただただ広いです。
理系の大学のキャンパスくらいと言えば想像がつくでしょうか?それくらい広いです。
これは実験施設として建物を個別に建てるために広くなってしまうのです。
よくテレビにでてくる経済系の研究所は都内のビル(かっこいいですよねぇ・・・)に集約したりすることができますが理系はそうもいきません。
なぜなら爆発・火事などを伴う危険な実験をしているから
ビルのように一つに集約してしまうと万が一の際被害者が増えてしまうでしょ?(^^)
被害者は少ない方がいいので分散されるのです(^^;;;)
もちろん実験設備を置くスペース的な問題もありますが実際にはこの考えはかなりあると思います。
そしてもちろん一般の民家から離れないと騒音などで迷惑をかけてしまうので、だだっ広い会社の周囲はかなりのスペースを取るのでなおさら広くなる。
このスペースの確保のために田舎にあります。
会社内の移動は「自転車」が主な移動方法であり、伝達はメールか社内報が基本となります。
自分の関連するところ以外(これがまたデスクワークするところと実際研究するところが異なる)は事務の棟といえども月一回いけばいい方だそうです。
そのため出会いがない!
女性研究者ももちろんいらっしゃいますが結構既婚の方が多いです(出会いは大学が多いみたいですね)
未婚の女性が多い事務にはあまり用がないうえ、女性慣れしていない彼らはどうやら適齢期・未婚の女性にはどう扱えばいいのか分からないのとセクハラを恐れるがあまり冷たく扱ってしまう無駄な知性とフェミニズム(笑)
その結果早く結婚する人の場合は「大学で付き合っていた人と結婚」というパターンが多く、そこで相手が見つからないで入社をすると晩婚か生涯未婚かのパターンに嵌るようです。
結婚相手を探そうにも「田舎」であるために「平日に会う」のはまず不可能。
そして「早く帰る」(付き合っていた時には夜9時には電車に乗らないと終バスに間に合わない。シンデレラボーイw)のでお付き合いの進展がなかなか進まず、結婚前提でもないと何時の間にかフェイドアウト・・・ということが多いそうです。
なので公言こそはしませんが真剣に結婚したい人は意外と相談所に登録してる人が多いみたいです。
しかも基本会社は男所帯で作業着生活。
そんな中で女性が喜ぶようなデートや服装を学ぶ機会を失ってしまうことがシバシバ。
なので付き合う女性は自分好みに仕立て上げる(言わなきゃわからないのでこうしてほしいなどを恥ずかしくても言わなきゃいけない。言っても納得するまでディスカッションしなきゃいけない)努力が強いられます。
そしてそれだけ長い間おひとり様でいるとこだわりが強くなってきますので、そう簡単に仕立て上げることはその人の性格次第ですが結構難しいです(笑)
あ、うちはもう散々やりましたが諦めました(笑)
抑えつけても自発的にしない限り意味がないし、自由に生き生きと生きていればもうそれだけでいいです(笑)
ただ誠実な人が多いので「浮気・不倫」みたいな心配はしたことがないです。(でもそれは忙しいのと出会いがないのが大きく作用してるかもw)
2 何かに秀でるは何かが欠けるということ
結構彼の会社の同僚の学歴などを見るとかなり派手です。結婚の「条件がいい相手」とみられると思います。
実際私は親戚に「条件がいい人だから結婚したんでしょw」とプギャーされましたよ・・・結婚式で(^▽^〆)
しかしそんな「条件がいい」人たちはそれを目指していた訳ではないのです。(一部にはそういう人もいるけど)
殆どの人は自分が興味あること、知りたいもの、他はダメだけどこれだけは自信を持ってできるという何かを見つけ、努力して、いっぱい努力してやっと見つけたことが評価になっただけです。
だから彼らからしたら研究して己を高め、わき目も振らずに今ある「研究」という山を登っていたらここにいた・・・という感じの人が多いです。
親御さんがエリート、という人もいますがほとんどが一般家庭の人です。(我が家もそう)
さてそんなわき目も振らず一生懸命に生きていると・・・・世間からずれていきます(笑)
我が家の場合はまず「漢字が読めない!日本語が変!!一般常識がない!!!」です(日本人ですが)
自分の専門分野のことだけに特化したので普通に使う文字が読めなかったりするのです。今のところ本当に大丈夫か?病院に連れて行くか?と思ったのがスーパーで買い物しているときに「『なませんいち』ってなんだろう?」と言われ見たチラシは「生鮮市」(せいせんいち)でした・・・
その他にも食事時に「会社に愛人さんと住んでいる人がいるんだけど・・・」と言われびっくり!
あ・愛人!!?大丈夫なのその人!!奥様はもとより会社にまでそんなこと言うなんて・・・とういうか会社的にどうなの??と一人焦る私。
「なんでもその愛人さんが結婚したくないらしくずっと同棲なんだって。」
・・・・・・・・・・・・夫よ、そりゃ愛人じゃない・・・恋人さん!!!
中国語では正解だけど日本語では不正解だし、なによりその恋人さんに失礼すぎる!と怒ったら「愛する人だからいいじゃん♪」と誤魔化す。そんな余計な言い訳いらない(笑)
ココアを牛乳で作ってあげたら「ココアって牛乳使うんだ・・・・」orz
最近はやっている始皇帝のマンガを読みながら「始皇帝って三国志より後の時代だよね?」・・・
三国志ファンな私は脱力。しかし知らなくても知る努力はいいこと。三国志より前の時代なことを説明します。しかしそのマンガを読むたびに同じことを質問してくる。その数約10回!!
やっと最近覚えてくれました・・・・
ニュースは基本ネットで見るので女優さん俳優さんわかりません。(まあこれも私も同じですが・・・)
また政治・経済・国際・歴史問題に疎く、ニュースなどでなんでこんなことになっているのかなどをわかりやすく説明したりすることもしばしば。
えーとなんで定時制卒が帝六の博士さまにこんなこと話してるんだろう・・・と思ったりw
好きな本は専門書以外はマンガと自己啓発の本。
自己啓発本を丸呑みし、朝活を勝手に始める。このことに相談なし。弁当を作っている私も否応なく巻き込まれ毎日1時間早く起床につき合わされました。
別に朝活を否定はしません、いいことだと思います。でも貴方そんな体力ある方ではないのに、毎日夜の早くて9時過ぎに帰ってきてるのに朝活したら体調悪くしますよ。
案の定体調を崩し、今では30分前くらいになりホッとしています。
なお寝る時間も勝手に決定済み(独身時代から)で夜11時には否応なく寝床に入れられます。
病気で体内時計がくるっている私には眠れない時間が長く続くので最初は嫌でしたが、次第にこれはこれでいいのかなと思うようになりました。
でも10時半に帰ってきて11時に寝たいってそりゃ無理じゃね??ご飯も風呂も会話もその30分でなんて無理ですよw
正直遅く帰ってこられると「時間との勝負」が始まるのでせめて8時・・・いや9時前には帰ってきてほしいんですけど(笑)
通勤時間かなり短いんだからさ・・・
あ、もちろん帰ってきてもご飯を食べ、風呂に入ったら仕事をやってたりします。
それに怒り緊急時以外は9時半まではパソコンを開けない約束をしたりしました。
正直、自己啓発はもう読まないでいいので池上さんの本でも読んでください、お願いします。
その他、一般常識に欠けた行動は山ほど。
「バレナイバレナイ!」で作業ズボンをチノパン変わり・・・
臍が隠れるその股上の長さでばれますよ、もう本当に。
服もこだわりが強く、ネットで買う。
1万位する服を試着もせずにネットで買う。こだわりは二つ、登山系の服とシルクの肌着!
なぜなら寒いのが死ぬほど嫌いなだから登山服。シルクの肌着は肌にいいから。
シルクの肌着はまだわかる。肌が弱いからね。
ただズタボロになって腰の両脇に大穴空いてるのに履いているのはどうかと思う。クィーンじゃないんだから!
黙って捨てたらゴミ箱漁って「まだ履けるのに何で捨てるの!!」と怒られた。
靴下も両方が穴が開かないと捨てない。捨てると怒られる。
あの~夫婦二人ですし、それなりに節約していますしそれくらいは買えるくらいの余裕はあるからせめて綺麗で穴の開いてない服着てください。虐待していると思われる!!
見かねて彼のサイズにあった服をこちらが買ってきても「・・・好みじゃない・・・いいよ自分で買うから買ってこないで。」と懇願される。
もう勝手にしてくださいw
しかし最近自分がユニクロで服を買うのですが、それに付き合っていたら寒いのが嫌いな彼には「ヒートテック」が琴線に触れた模様(それまであまりユニクロすらいかなかった)。
それ以来夏はシルク、冬はユニクロと使い分けるように。
ユニクロ様はすごい!穴が開かない!!おかげさまでちょっと安心している私です。
まあそんなわけで今までの自分の固定観念を壊されることはしばしば。
でも気が付いたらそれはそれで面白がっている自分もいるのです(笑)
自分の常識=他人の非常識。それを押し付けても仕方がないなら楽しんだ方が得だと思います。
アインシュタインは有名ですが、敬愛する野口英世先生やノーベル賞の小柴先生も相当変わり者だそうですし(笑)
小柴先生に関してはノーベル賞の晩餐会中に寝ちゃう武勇伝・・
でも夫の判を押したような生活を見てると研究者の多くはそういう生活を好むようです。
何かに秀でることは何かに欠けること。ならばその欠けた部分になれなくてもなにか手助けすることに意味があるような気がするのです。
自分は学歴を含めてコンプレックスが強い人間です。
でもそんな人間を必要としてくれる人がいる、しかもその人は自分には出来ない素晴らしいことをしている人。
お互い一人ではうまく歩けないけどお互いの良い部分で助け合い、人生という旅を続けることができるならばそれは幸せなことだと思うのです。
だから彼と一緒にいるのかもしれません。
毎日ちょっと笑いがちにキレながら(笑)
最初、正直変な世界に迷い込んだ気がしました。でも住めば都。
そういういい人たちといい関係を結べ、かつ夫を大事に裏方として頑張れたら今はいいのかなと思っています。
最後まで長い文章読んで頂きありがとうございました。
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