ある女戦士の物語
その、女戦士に出会ったのは、オーストラリアの語学学校だった。
彼女は、出会った頃には、30を過ぎていた。
彼女の半生を聞いてみると、
進学>就職と順調な人生を歩んでいたが、年齢とともに、仕事のキャリアを積んで行くと、それと反比例し、異性との出会いがなくなっていったらしい。
新しく友達もできない日々、普通に暮らしていると出会いはなくなっていくそうだ。
彼女の日常を例にあげると、
起床>出勤>帰宅>TSUTAYA>韓流ビデオを借りる。休日も、だいたい韓流ビデオ。
四六時中、韓流を見てると、韓国人男性と出会ってみたい!
遊んでみたい! デートするならこういうデートかな?と妄想の日々。
そんなおり、一大決心をした。そうだ!オーストラリアへ行こう!
補足すると、オーストラリアには韓国人がメチャ多い。石を投げると、韓国人にあたるほどだ。
英語圏での生活にも興味あるし、韓国人とも仲良くなれる。
彼女のプランは、オーストラリア>韓国人と仲良くなる>韓国に行く。
最終目標は韓国で、そのための渡豪。
いろんな人が、いろんな目的でオーストラリアに渡るが、中継地点としてオースに行く人は珍しい。
女戦士は頭もキレる。
彼女は基本的に、恋愛的出会いを求めている。
その気持ちは痛いほどにわかる、つまり、俺とは同志だ。
ただ、悲しい事に、恋愛攻撃力がメチャ低い、そこも同志。
韓国男子と、出会ってもうまくいかない。
韓国男子は、日本人女子が、大好きだからやさしい。ので、仲良くなりはするも、なかなか、その先に進めない。
そのくせ、「好き」的なアピールはハンパない。気をもたされては、他に女がいる事もしばしば。
電話が好きなのも特徴的だ。
毎晩のように電話をかけてくる、そうすればこっちも悪い気はしない。
だが、ある日突然連絡がなくなる、こちらから連絡しても、でない。
ほぼ、確実に他に女ができたと思われる。
例えば、語学学校で出会い、街で手をつないでデートをする。
これはかなりだ、恋愛フラグが三本バリバリである。今後の展開を、想像するだけで胸が踊る。
彼女も戦士といえども、大和撫子。すぐに、身体を許すわけではない。
経緯と共に行為を楽しみたいのだ。なので、デートを重ねていきたいのだが、急に素っ気なくなる。
韓国人の男は、やさしいが通説とされているが、かなりのヤリヤリ。
損得勘定が行動原理、やさしさはやらしさの、対価でもある。
あるコリアン男子の名言「一緒に勉強して、食事して、ベットを共ににする」
展開も早いが、見極めも早い。以下、余談。
彼女の攻撃力は低いが、回復力はハンパじゃなく高い、軽い不死身だ。
ふられても、次の恋にすぐ行く。戦場を渡り歩く、恋愛傭兵。
いつしか、彼女は尊敬の念をこめて「恋の女戦士」と呼ばれるようになった。
オーストラリア戦線では、全戦全敗、帰国の途へ。
ただ、一つの淡い希望を胸に帰国した。
それは、コリアンの男友達だ。
彼とは、仲良く過ごすなかで、恋の予感を感じるほどの関係までに。
ただ、時間がない。海外生活には滞在期間という縛りがある。
二人に足りないのは、もう少しの時間だけ。。。
帰国した彼女は、恋の戦場から、仕事の戦場へと舞い戻った。
次の戦場、韓国を目指す為に。
半年間、一日も休まず、二つの仕事をこなしお金を貯める。
仕事は決して楽ではなかった、しかし、韓国に行けば彼に会える。
とはいえ、やはり、休みがなしはつらい、何度も心が折れそうになった。
しかし、彼女にはアイテム「恋の種」があった。
FaceBookや、E-mailそしてSkype。
アイテムを使いつつ、半年間の仕事の戦場を駆け抜け、
資金も溜まり、いよいよ、恋の戦場、韓国へ渡ろうとしたところ・・・
「あいつ結婚したらしいよ」
別の、韓国友人ルートからの知らせだ。
女戦士にかかっていた魔法(呪い?)が解けてしまった。
さすがに落ち込む、戦士といえども、女の子なのだ。
職場に行けば、「そろそろ仕事終わりだね、寂しくなるよ」や「いつ韓国いくの?」と
同僚、上司に言われる、やさしさからの言葉だが、彼女にとっては、もはや刃。
しかし、
女戦士は、抜群の回復力をもつ、軽い不死身なのだ。
あなたの親御さんの人生を雑誌にしませんか?
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