ある女戦士の物語

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 お金も時間もある、次は何処の戦線に参加しようかと、酒場(ネット)で情報を集めていると、興味深い情報が。


 ヨーロッバ周遊ツアー(35歳以下)

10日間くらいで、イギリス、ドイツ、フランス、イタリアなどを、巡るツアー。

しかも、35歳以下限定。おや?恋の予感が。

 既に彼女は歴戦の戦士。

恋の気配を、肌で感じるレベルに到達している。

 ツアーだけだと、物足りないので、ついでに、アイルランドの英語学校に二ヶ月語学留学をもくろむ。そして、ヨローッパ戦線、参戦。

 アイルランドでは、韓国人というか、アジア人が少なかった。

イギリス人やイタリア人の友達(男女問わず)もでき、充実した、アイルランド生活を満喫。


 すると、同じクラスのスペイン人男性が急接近。

彼女の戦いのスタイルは、自分からしかける戦型。相手からしかけられる、戦い方にはなれていない。

戸惑いと、旅の恥はかき捨てと、喜びが、3:5:2の割合で、二人はつき合う事に。

彼女は、恋愛防御力も低かった。


 女戦士は、スペイン人の彼氏を手に入れた。


 だが、また、同じように時間が足りない。二人で過ごせたのは、2週間くらいだろう。

学校が終われば、二人はまた、離ればなれに・・・

 学校が終わり、ヨーロッパ周遊ツアーへ。

なぜか、サウジの女の子達と仲良くなる。サウジでは、お酒をあまり飲んではいけないらしく、

サウジの女の子達は、ツアー中、ここぞとばかりに、毎晩、飲み歩き。

彼女も、一緒に騒いだが、毎晩は、さすがにキツイ。


 女戦士は風邪をひいた。


 戦士といえども、弾丸ツアーの疲れ、毎晩のパーティ-、そして、ウィルスには勝てない。

ツアー中も、移動はバスで寝たきり、観光名所についても、バスで寝たきり。

 そんななか、ツアーはスペインへと進んだ。

すると、スペイン人の彼氏が、車で7時間以上かけて、迎えに来てくれた。

日本の7時間走行と、スペインとでは距離が全く違ってくる。

 彼のやさしさにより、女戦士はすっかり回復した。


 その後、ツアーはスペインで途中下車、短い時間だが二人の時間を楽しんだ。

楽しい時間は、あっという間に過ぎ、日本に帰国する事に。


 旅に別れはつきもの、歴戦の戦士といえども、何度、繰り返しても別れはつらい。

だが、今回は寂しさだけではない、確かな希望、確信をもって帰国。


 女戦士は恋に落ちた。

 日本に帰国して、また、仕事の日々。

短期の仕事を、休みなくこなし、スペインへの資金を貯めなくてはならない。

仕事に対する覚悟の違いか、職場でも「よく働くね」、「もっとうちで働いてよ」と、評判はうなぎ上り。

 二ヶ月後、彼女はスペインにいた。

 彼の実家で、一ヶ月を過ごし、家族とも仲良くなった。スペイン語はもちろん喋れない、つうか、英語もあやしいものだ。が、大切なのは、語学力ではなく理解をしようとする姿勢だ。

 彼と、一ヶ月、ズーッと一緒に過ごすのは、初めての事。

いろんな所に連れて行ってもらい、いろんな話をした。

 二人は、そばにいれば、それだけでいい、沈黙を恐れない関係性にまでになった。

 女戦士は愛を知った。


 帰国の途に着いた。彼女は確はかなものを手に入れていた。

だが、彼女の戦いは終わっていない、むしろ、始まったのだ。

これから、「距離」「人種、言語、宗教、文化の違い」「お金」「VISA」などの、

現実と戦っていかなければならない。

 現実は常に厳しい。勝てる保証は何処にも無い。

しかし、彼女は今までも、強い意志と行動力で戦ってきたように、

戦いつづけるであろう。彼女はもう一人ではないのだ。






SKYPE

 いや~、マジで凄い尊敬するよ。ついに手に入れたね、おめでとう。

自分の事のように嬉しいよ、やったな!いきなりスペイン人かよ、どんだけだつうの。  

 

 あ~でも寂しさはあるな。

同志だと思ってたのにな~。裏切られた!つう気持ちもあるぞ。


「ありがとう、私もこんなことになるなんて予想もできなかったよ、

だってさ、私、韓国人好きじゃん、まさかスペイン人だもん、自分でもビックリしてる。

 別に、そんな好きじゃなかったんだよね、顔も好みじゃないしさ、

でも、私の事を思ってくれてるって伝わってくんのよ。

 なんかさ~、一緒にいて楽っていうか、一緒にいたいと思うんだよね。

私、スペイン語、全くわかんないじゃない。

 英語もさ、私も彼もそこまで上手くないし、言葉が通じてないことも、多いんだけどさ。

こんな、気持ちになるなんて不思議だよ」

 ふーん、ロマンチックな話ですな~。

でも、まあ、ね~、距離が遠すぎるだろ。直ぐに、別れるんじゃないの?


「あんた、本当に分かってないね!

別れること考えたって仕方ないでしょ、今、楽しいし、この時間が長く続く為に努力するだけよ」

「だいたいあんた、いつも、相手に嫌われるとか、迷惑になるんじゃないかって、一歩引いてるでしょ。この前の長崎だってさ。」

 その話はいいじゃん、長崎は止めてよ。もう、いいの、あれは、俺の中で自己完結しました。


「そんなこと言って、思いっきり引きずってんじゃないの。

だから、あんたは駄目だっての、いい、私の彼氏はガンガンきたよ。私が彼に興味ないって、彼、知ってたと思う。それでもガンガンよ。

相手に嫌われたっていいじゃない、自分から行かないと、相手に自分の事、

分かってもらえる訳ないじゃん」

 

 あ・・・・はい。

それは、そうだけど、変に距離詰めて、相手に負荷かけたりするよりも、

友達つうか、このままでも楽しいし、いいかなって。


「違うじゃん、あんた!そういう器用なタイプじゃないでしょ!

思いっきり傷ついてんじゃん。だいたい、あんたはいつまでも昔の事をひきずってさ~」

「あ!彼氏がオンラインになった。あれ、仕事、早く終わったのかな、あ、チャットきた。

ヤッター、久々に喋れる」

 

久々って?


「うん?三日ぶりかな。あ、ま、そんな感じ、今度、iPodで分からない事、聞きたいから、また、連絡するね。

 そうそう、変な女ばっか、あんたに寄ってくるから、気をつけるのよ。相手に合わせないで、しっかりやんなさいよ。 

 それから、これからは攻めなさい。

女は、特に攻めに弱いわけじゃないけど、あんたは顔も性格もよくないんだから、攻めないと始まらないわよ、んじゃね。」


俺は、女戦士より攻めの心を学んだ。




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