うつ positive. ⑤ ネガティブが大爆発

ちょっとずつ、出来ることが増えてきた。掃除、洗濯、料理、かぎ編み、メールのやり取り、近親者との短い電話、見ず知らずの人との会話…。

まだ親しい人と会って話すことが出来ないけれど、ここまでくればもう大丈夫かな、と思った矢先に


私は仕事もせずに何をしてるんだろう。

ずっとこのままの生活になるんじゃないか。

世間的に言えば結婚して子育てもしてる世代なのに実家で家事しかしてないってどうなの⁇


ネガティブな気持ちが噴出した。


もうこの先の人生、生きてても意味がないんじゃないか。そもそも私が何かに貢献したことがあっただろうか。生産性のない人間なのに存在してていいんだろうか。仮に良くなったとしても、毎朝きちんと起きて仕事に行く生活なんて出来るのだろうか。家族や友人に心配と迷惑をかけてばかりで、この先もそうならいなくなった方がみんなのためじゃないか。


もう、人生をおしまいにした方がいい。


けれどそれを実行出来なかった。

私が思いとどまった理由が


お金がない。


葬儀代も墓代も自分で捻出しなければ。

そういえば、まだカードの支払いもあるし…


泣きながら電卓をたたいて、

足りない、足りない、足りない‼︎

と。


そこで収入を得るために働かないと、と思っても全く気力がついてこない。

よし、働こう! と決めた数時間後には気分が萎えている。そしてまたネガティブが溢れて、人生をおしまいにしたい、でもお金がない、を繰り返し。


最後には結局お金か、と通帳を眺めて思いとどまった。


「おしまい」にするのを諦めたけれど、ネガティブ思考は残ったままで家事や手芸に集中出来なくなり、また泣くことも増えてきた。もう限界だ。


お薬、ください。


ずっと拒んでいた投薬治療を始めることにした。

副作用に不安があること、金銭的理由から少量にしてほしいこと、初めてなので事細かに説明を聞いてレスリン25という薬を処方してもらった。


効果が表れるまで2週間前後、と言われたが飲んだその日から寝つきが良くなった。今まで、うつ になる前からずっと寝付くのに1時間以上かかっていたのが薬の効果で30分前後になった。しかも熟睡しているのか、翌朝ばっちりと目が覚める。憂鬱な気分はあるけれど、朝きちんと起きれることが嬉しかった。


数日後、寝起きの憂鬱な気分も時間が経てば緩和されるようになり、

「明日、仕事行きますね」

と職場に連絡を入れてみた。

大丈夫、早く起きて憂鬱な気持ちが飛んでいった頃に出社すればちゃんと仕事も出来るはず。


はず、だった。



著者の小宮山 由子さんに人生相談を申込む

著者の小宮山 由子さんにメッセージを送る

メッセージを送る

著者の方だけが読めます

みんなの読んで良かった!

STORYS.JPは、人生のヒントが得られる ライフストーリー共有プラットホームです。