犬は永遠の一歳児。犬を大切にしよう。
小学生の時、ウチに犬が来た。
白い和犬の雑種で、「シロ」と名付けた。
はじめの頃は学校から一目散に帰り、いつも一緒に遊んでいた。
けれど、飼い方を知らなかった。
正しいエサの与え方も、散歩のさせ方も、しつけの仕方も、
何も知らなかった。
父は会社で、母はお店で忙しく、そして僕は友達との遊びに夢中で、
シロへの関心は薄れていった。
やがてシロは病気になり、とても可哀相な死に方をさせてしまった。
最後の日の朝、保健所からクルマがやって来た。
母は高級品だった鮭缶をお店から持ってきて、シロに与えた。
そして「ごめんね」と言った。
僕は激しく後悔した。
● ● ●
それから30年後、
仕事でペットフードや関連グッズのECサイトを立ち上げることになり、
当時二子玉川にあった「ねこたま・いぬたまパーク」へ毎週通った。
打ち合わせが終わると、敷地の隅にあった「子犬と子猫コーナー」に立ち寄り、
時間の許す限り子犬をながめていた。
そしてある日、生まれて3カ月の豆柴を衝動的に買った。
「ラッキー」と名付けた。
ラッキーは、もう13歳になる。
ここには書けないいろんなことがあった。
ラッキーが人間の言葉を話せたら、と何度思ったことか。
犬は永遠の一歳児だという。
子どもがいない僕は、何かを大切にするということをラッキーから教わったように思う。
犬を大切にしよう。
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