【投稿テスト】シミ。

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私はすぐに


【行く!】


と返信した。



まだ一度話しただけの相手なのに

不思議な程テンションが上がった。


キモいな……私は……。と思いながら、早速洋服を選んだ。


そして


【断られたらどうしようかと思った(笑)19時に前会ったトコで良い?】


…そんな返信は

鼓動の早まる心に追い撃ちをかける。




時間通りに着くと、既に見覚えのある黒いランクルが停まっていた。


隣に停めると、彼は気付いて車から降り


『おー!』


と、軽く片手をあげた。

私は自然に笑顔になってしまい


『おぉ…。』


と返した。



……彼はこれから4年

会う度必ずこの台詞としぐさをし続ける。

わたしの大好きなしぐさのひとつだった。




それから


『乗って!』


と言われ、少し車高を高くしてある車に必死で乗り込む私。

スカートは失敗だったなぁ……と、自分のブサイクな乗り方に苦笑している私を見て、彼も笑った。


『ごめん。乗りにくいでしょ。』


それから車は発進して、ようやく落ち着いて会話が出来る状況になり

私はまず、ひとつ質問をした。


『あの…、名前は?』


簡潔でぶっきらぼうな質問に

彼は吹き出して


『純。』


と、これまた簡潔に答えた。


『純…くんね。』


彼は目尻にシワを寄せて笑い


『きみはユキちゃんだよね。

前そう呼ばれてたし。』


と言った。


車は10分程走り、純くんはとあるダイニングバーで車を停めた。


『前さ、おいしいモノお願いしますって言ってたじゃん?

俺全然そういう店知らなくてしばらく悩んじゃって……。

結局職場の大学生から聞いたの。ここ。』


あんな、適当に言った言葉を気にして店を選んでくれた事に、まず感動してしまった私。

全く格好付けずに“人から聞いた”と明かす所にも、かなり好感を持ってしまった。


『ごめん!あれはノリで言っただけで……。

正直、ラーメンとか定食屋とかお好み焼きとか大好きな庶民なんだけど……。

気を遣わせてごめん……』


と必死で言うと


『考え過ぎか俺は。

ちなみに俺もラーメンとか超スキ。』


と、笑ってくれた。


少しだけ打ち解けた私達だったが

せっかく悩んで選んでくれた店だし

再会記念…という事で、私達はそのダイニングバーに入った。


中は静かで

当時の若い私達はちょっと浮いてるんじゃ…と不安になる程、大人の雰囲気だった。


でも

案外話は弾み、私達が仲良くなるのに、全く時間はかからなかった。


純くんは、注文を追加する度に


『これ、苦手じゃない?』


と確認してくれて

私は、女の子扱いしてくれてる…という、男社会で育った私には新鮮すぎる扱いに

くすぐったさを感じた。


…嬉しかった。





食事もほとんど済んで

しかし話だけは絶える事無くかなりの時間が経過して


何気無く私が


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