捨てられた男娼の気分って、わかる?
学祭でメイクをして女装すると、本当に女の子に間違われた。
顔も知らない女の子から、告られるようになった。
そして、ゴメンねと断り、心でガッツポーズを取る高校生だった。
一度、試しに付き合った事があったが、予想通りめんどくさ過ぎて3ヶ月続かなかった。
そんなまま社会に出たもんだから、モテる意味が変わることに気が付かなかった。
相変わらず、女の子に気を持たせ、付き合う振りをしながら、自己愛を満たしていた。
そして、気が付いた。
彼女達は、僕の外見に惚れてくれている。
僕を連れ歩く事に快感を覚えていた。
ここまで自分で書きながら、ナルシストっぷりに吐きそうだが、当時の彼女本人から聞いたから間違い無い。
少なからずショックを覚えた。
が、当然と言えば当然。
女の子の好きそうなファッション、髪型、仕草、知識、デートスポット、あらゆる事を勉強していた。
外側で付いて来る女の子を乗せる為に、生きてきたんだから。
誰も僕を、好きになってくれてなんかいない。
それからは、自分から好きになった女の子を誘いまくったが、上手く行ったことは一度も無かった。
20代、30代にもなると、中身のない男は見破られる。
捨てられた男娼の様に、ミジメな気持ちになった。
自分から誰かを好きになる事が解らない。
自分に好意を持ってくれる女の子は解るから、仕掛ければいい。
でも、自分からはやり方が解らないのだ。
結果、好きになってくれた女性と付き合う。
ある時は、経済的に豊かな女性と付き合うことになった。
その頃、定職にも付かず貧乏だった僕はまさしくヒモ。
結局、自己嫌悪に負けて、相手を傷付け別れた。
結婚なんか、絶対俺には無理だな。
一生独身でいいや。
本気でそう思っていた。
ところが、
数年後、僕の人生を一変させる女性と出会うことになる。
彼女に会わなければ…
いや、そんなこと考えたくも無いくらい、僕にとって衝撃的な女性だった。
現在の妻だ。
彼女が僕にしたことは、到底理解出来ないことだったのだ。
この話は、また続きに書こうと思います。
最後まで読んでくれて、ありがとうございます。
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