第1話)体を犯された子どもが考えること。

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* * * * * 

酷いショックを受けると

本当にしばらくの間、意識が曖昧になるらしい。


犯されて一週間ほど、記憶が無い。


ようやく自分の身に何が起ったのか、

ぼんやりと考えられるようになって

真っ先に思ったのは


僕は

「酷く汚れてしまった」

「悪い人間になった」


という事だった。

お父さん、お母さん、ごめんなさい。


なぜか、罪悪感で

胸がはち切れそうになった。


この事を誰にも言いたくない。

無かった事にしたい。


僕を犯した男が、

家族ぐるみで付き合っていた人

だったからかもしれない。


恥ずかしい。

もし、怒られたらどうしよう。


今思えば怒られる訳などないのに


当時はそんな考えが頭を過って

恐くて仕方がなかった。


あの時の僕は、


大人が喜ぶ自分で居なければいけない。

「いい子」じゃないといけない。


そうじゃないと「愛されない」

そう思っていた。


だから言えなかった。


それから15年間、家族に

嘘をつき続ける人生を送る事になる。

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