わたしんち。やーいオバケ屋敷〜

私達は大都会にくたびれて自然がたくさんある田舎に引っ越して来た。

車を運転出来ないと何もかも不便だった。

ある村に古い民家を借りた。

しばらくは何もなかった。

裏の家主さんのところに回覧板を持って行った。

84歳になるおばあちゃんが
「ちょっと上がって行きなよ。お茶でも飲まない?」

田舎では誘われたら断ってはいけないと誰かが言っていたのを思い出す。

「はい。ちょっとストーブ付けっ放しだから消して来ますね」

おばあちゃんは耳が遠い。

「内装綺麗にして貰ってありがとうございます」
私は頭を下げた。

最初、この家を見に来たときは畳みは古く障子も破けていた。

お風呂もトイレも前に住んでいた人が新しいものに付け替えてあった。

「私がね、障子を張り替えたんだの」

おばあちゃんは耳が遠いので大声で
「ありがとうございます」

おばあちゃんはいろいろとしゃべり出す。息子夫婦のことやお嫁さんの実家の話まで。

私は首を縦に降りながら聞いてるフリをした。

「あの家、二人も死んだんだよ」

突然言い出した。

別にそこまで言わなくても…
言わなければ気持ち良く住めたのに…

私は怖がりではないので気にはしないが。

時計を見るとお昼近くになっていた。

「ご馳走様でした」
私は立ち上がりコーヒーカップをキッチンまで持って行った。

キッチンは綺麗に片付けてあり仕事しているお嫁さんがするのかな。私も見習わなくちゃ。誰が来ても恥ずかしくないようにすればいい。

私は家に戻ってキッチンを綺麗にした。

しかし、このアバウトな性格の私のこと。二日も立たずにもとの木阿弥になった。

しばらくたったある日、私はソファーに座って本を読んでいた。

縁側がある。

上から何かが落ちて来てコロコロと転がる音。
音の方へ行ってみる。

何もない。

あれ?

それがしばらく続いた。
全く気にしない私はまたかよ…

近所の方たちは皆、家庭菜園をやっている。無農薬野菜。取れたて。収穫出来たらうちへとおすそ分けに持って来て下さる。

ありがたい。

この前もフキを頂いた。
玄関で丁重にお礼を言い引き戸になっている玄関を閉めた。

田舎なので鍵なんて閉めない。
それに鍵が壊れているし。

村の人たちは勝手に玄関を開けて

「こんにちはー」
それが当たり前になっている。

うちには取られる財産もなにもない。
取るなら何を取っていくんだろ…

さっきフキを持って来て下さった近所の方、玄関は閉じた。

リビングからキッチンへ向かおうとした時、玄関が10センチほど空いていた。

あれ、さっき閉めたはずなのに。

また引き戸の玄関を閉めた。

ソファーに寝っ転がっていた時、また縁側でどんぐりみたいなものが落ちて来た音がした。

覗いてみる。
何も落ちていない。

ふぅーと息を吐いた。

今度は夜中。リビングから続いた和室10畳の部屋がある。リビングと和室には重い扉になっている。古い民家だからなかなか空かない。畳も綺麗に張り替えてあるし、この和室はお客さんが来た時のためにと何も置かず締め切ったままだ。

夜中になると風も吹いてないのにその扉がガタガタと揺れる。

私をここから出して!
と言わんばかりに。

最初は驚いて部屋を見に行ったが誰もいない。

娘とグアムに行った。貧乏旅行なので安いホテルを予約した。
一階だった。
寝ているとベッドがボンボンと下から突き上げられる感じで目が覚めた。
寝ている娘の名前を呼ぼうとするが声にならない。
娘は口を開けて寝ている。

だめだこりゃ。
こんなところにまで着いてくるのかよ~
動かない身体を集中させえいっ!と身体を起こす。ポルターガイストは収まった。

今でも我が家は不思議な現象が続いている。

家族も誰も気にしない。

ワッハハハと毎日笑っている。
わたしんちオバケ屋敷ですがなにか?


著者の大塚 真理亜さんにメッセージを送る

メッセージを送る

著者の方だけが読めます

みんなの読んで良かった!

STORYS.JPは、人生のヒントが得られる ライフストーリー共有プラットホームです。