『愛情』

人を愛することが、こんなに難しかったのかということを知る。それは相手に甘い言葉を矢継ぎ早に乱射するという単純なことではないからである。気持ちの表明だけでは「愛」にはなり得ても「愛情」にはなり得ない。

 「愛情」には身体が伴うと気付いたのは最近である。すなわち、心の動きと連動して身体に変化が表れる状態こそ、愛情の本質的な定義なのである。それは語義的水準ではなく、身体的水準である。ある人は鳥肌が立つかもしれないし、ある人は膣内がしっとりと濡れることかもしれない。

 大切な人に会いたい。会って今すぐ抱きしめたい。しかしその願いは、彼女が隣にいないという当たり前の事実によって叶うことはない。しかし、僕の思いは愛から愛情へと確かに変わっていく。なぜなら僕は、これほどまでに彼女のことを思慕し続けて、鼓動のペースが早くなっているのだから。

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