23歳の女が1人で確かめた!本当にソマリランドは安全なのか? 

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「ソマリランド」という国をご存じだろうか。おそらくほとんどの人は聞いたこともない国だが、最近「謎の独立国家ソマリランド」という本により、徐々に知名度を上げている謎の国である。なぜ謎かというと、まだ国際機関からは正式に国として認められていないということと、紛争を想起させるソマリアに隣接していながらも、なんとかなりの平和な状態を保っているといううわさが謎をかきたてる要因となっている。


ソマリランド渡航企画は数年前から始まっていた

そんなうわさが本当なのかを確かめるために今回ソマリランドを目指したのだが、決して私は「謎の独立国家ソマリランド」という本に刺激を受けていこうと思ったわけではない。実は2010年にクーリエ・ジャポンで特集されていた「地図にのっていない国、ソマリランドへようこそ」という記事に触発された所の方が大きい。


そもそもの計画は、イスラエル留学が終わる2011年の6月に、エジプト経由でエチオピアへ飛行機で飛び、エチオピアから陸路でソマリランドへ行くというものだった。しかし、イスラエルでエジプト入国ビザがとれない(現金がなかったため)という初歩的な失敗をし、エジプトに入国できず(実際は30分程度入国した)そのままイスラエルから日本へ舞い戻るという無残な結果に終わったのが、数年前。


ソマリランドへ旅立ち

そして社会人1年目、有給の90%以上をはたき計画したのが、このソマリランド渡航計画である。許された猶予はたったの1週間しかないので、本当は陸路で行きたかったが、時間短縮のためすべて空路にて手配をした。ソマリランドへは、ドバイ経由でジュッバ航空から直行便が出ていたのでそれを利用した。その他にもソマリランドへの行き方にはいくつかある。多くの人がおそらくエチオピア経由で行くと思うのだが、実は個人的にはドバイ経由で行く方がおすすめである。


さてドバイ国際空港ターミナル2から出発したソマリランド行きのフライトだが、ソマリランドのハルゲイサとベルベラの2都市を経由して、最終的な目的地はソマリアのモガディシュに到着するというものだった。3都市を一気にめぐるフライトとは驚きだ。


席に座ると隣にいたソマリア人の男がなれなれしくはなしかけてきた。調子を合わせて話を聞いているとどうやらマレーシアに留学中なのだが、里帰りでソマリアのモガディシュへ行くという。ソマリアのモガディシュはいまだ紛争が絶えない危険地帯だと聞いていたので、おまえ死ぬ気か!と心の中で素人っぽくつっこんでみたが、本人にとっては生まれた故郷。危険だからいかないもなにもないのだろう。


さて、ソマリア人。みんなおしゃべりでじっと席に座っていることができないらしい。どうも話したくて席を移動してまで話を続ける大人たち。日本の静かな電車とは正反対だ。そんなほほえましい様子を見ながら、もうすぐ空港に着陸するというアナウンスが。そこで突然、非常事態が発生した。


「ガサッ」


なんと天井からでてきたのは、緊急時用のマスク。飛行機で乗っているときに最も発生してはいけない事態である。


「ソマリランドに行く前にこのまま死んでしまうのか!?」


状況が呑み込めないままあたりを見回していると、ソマリア人たちは全く動じていない。しかも横のモガディシュ出身の男は、降ってきたマスクをつけなよとのんびりとした手つきでマスクを差し出してきた。こいつ、状況が本当にわかっているのか?


人生初めての緊急時マスク体験。ああ、こんなことならちゃんとやり方を見ておけばよかったよ、というのも今では遅い。マスクを言われるがままにつけて、じっと呼吸をする。すると機内アナウンスで、


「何も問題はないので、安心してください」


とのこと。どうやら間違ってマスクが下りてきたらしい。しっかりしてくれ操縦士!とそんなこんなでソマリランドのハルゲイサに到着。ただしソマリアのモガディシュへ行く乗客はまだ乗ったままだ。彼らを乗せてそのままソマリアへ行くらしい。


緊急用マスクが出たままの機内。ハルゲイサ着陸時。


夢のソマリランドへついに入国

そして、ついにソマリランドの地に到着。入国ビザでもめたものの、無事空港から脱出。そこで待っていたのは、ホテルのお迎えだ。運転手が私のパスポートのコピーを見ながら、こいつだなと確認をされる。どうみてもこんなアジア人は私しかいないので間違えるわけがないのだが。


空港から車で10分ほどのところにある「アンバサダーホテル」が私のとまったホテルだ。噂どおり、国連御用達のホテルのようで駐車場にはUNと書かれた車やロビーでもいかにも国連職員です、みたいな欧米人がいた。


早速、タクシーの運ちゃんを雇い町へ繰り出す。向かう先は家畜マーケットだ。マーケットにつくやいなや目にしたのは、大量のラクダだ。見渡す限りのラクダに圧倒される。すべて、家畜用とのことだが、こんなに多くのラクダを目にしたのは初めてだ。そのほかにもドナドナ状態になっているヤギや牛など人々の生活には欠かせないマーケットとなっているようだ。



町を歩いていて思ったのは、海外ではよくある「チャイナ!」という呼びかけがないということだ。変なアジア人が歩いていても、だれも気にすることはないし、子どもたちはやはり気になるのか黙ってついてきている。いい意味で興味がないのか、恥ずかしいのか。

みんなの読んで良かった!