塀の中へ 2,SHOP 販売店
その販売店さんは、 刑務所に対して印刷機材を納品されている会社さんである。いつも出入りされており、内情にも詳しい。
お伺いすると、昭和な雰囲気なままの事務所だった。
うちの会社は、デジタル印刷機というものを製造、販売している。
その機械を各販売店さんに販売して頂くのであるが、刑務所への案件はとある少年刑務所に引き続き2件目であった。
今回の刑務所にも、この販売店さんを通じて入札を経て販売させて頂いた。
納品、設置にあたり顔合わせという事でご挨拶に伺がった。
お会いしたのは重樫さん。
重樫さん
この間、別の機械を入れましてね、中に優秀なのがいてまして、物覚えがええんですわ
私
ほう。やっぱり刑務官の方が教えてるんですよね
重樫さん
いやいや、直接指導してもらいましたよ
私
えっ?直接?
重樫さん
ええ。受刑者に直接です
私
大丈夫なんですか?
重樫さん
大丈夫。そこらの印刷屋のオペレーターより真剣に聞きますわ。なんせ聞き直したら速攻でしばかれますからね。たぶん次の日一日座りとちゃうやろか
私
座りってなんですか?
重樫さん
一日中正座ですわ!あははは!
私
えっ?そんなに厳しいんですか・・・
重樫さん
そうそう。だから、みんな真剣ですよ。命がけだから
直接受刑者への指導か。。。なんだか、気が重たくなって来た。
それにしても、やっぱり刑務所。扱い方が半端じゃないなぁ。と変に感心してしまう。
重樫さん
後日、打ち合わせの為に現地に行きましょう。色々僕らでもわからない事があるから
私
わかりました・・・
重樫さん
あはは!大丈夫、大丈夫。あんまり不安にならないで下さいね
私
はい・・・
後日、刑務所に伺う事になる。
そこでも、特殊な、独特な雰囲気を味わう事になる。。。
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