【第1話】離れて暮らしていた父の介護のこと、死んだときのこと、そしてお金のこと。

【第1話】離れて暮らしていた父の介護のこと、死んだときのこと、そしてお金のこと。
▼他23件のストーリー
このエントリーをはてなブックマークに追加
31

「何か食べるものを買ってきて」

2014年2月。珍しく東京に大雪が降った日の後、父から姉にこんな電話がきた。

ちょっと外出できないから、何か食べるものを買ってきてくれないか
え!?

姉は父がこんな電話を寄越すなんて、何か異変があったに違いない、とすぐに分かったそうだ。

昭和ヒトケタ生まれで変にプライドが高い父が、娘にこんな「お願い」をするなんて、今までになかったから。


今すぐ父の状態を確かめないとまずい。だけどその日と翌日は、姉はどうしても外せない、姉家族の将来を決めるレベルの用事があった。

当然、独り者の私の出番だ。

とりあえず、姉はトリアージ相談の電話をし、その結果「救急車が要」と判断され、私は姉から聞くままに搬送先の病院へ向かった。


病院で会った父は…

サンタと見紛うほどのヒゲをたくわえていた。

のはどうでもよくて、少しぼんやりしているものの、普通に会話を交わせる状態で、ちょっとだけ拍子抜けしてしまった。

診察後、栄養状態にも特に問題なく、入院せずに帰宅。

ただ、杖を使っても歩くことが辛いようで、タクシーの乗降車、そしてアパートの階段(父は2階に住んでいた)を上る時は私の介助が必要だった。


救急車まで呼んで何も問題なしかい、と思われる方もいると思う。

(実は自分も当時少し思った)

もちろん緊急でもないのに救急車を呼ぶことは絶対にいけないことだし、それを分かっていたから相談センターに連絡したことはご理解いただきたい。


そして何より、この姉への電話が結果として、父の命を繋ぐことになったのだ。


つづく

読んでよかった
このエントリーをはてなブックマークに追加
このストーリーをブログ等で紹介する

ヨシザワ ハル

介護、親の死。考えないようにしていたことと向き合った日々を書いていきます。

ヨシザワ ハルさんが次に書こうと思っていること

|

家族・育児のタグがついたストーリー

2016年4月4日 滞在リミット4時間で地元警察のお世話になる

2015年12月 ばあちゃんの入院

2014年9月 帰省 果たして許すとは何か?

私の妹は辻調理専門学校の講師を経て、大好きなディズニーランドのウェルカムセンターでバイトするために正社員をやめる。そのために一時期姉の私と二年同居した話。

2014年9月 帰省 そして対峙すべき者

2014年9月 帰省 ばあちゃんとの再会

2014年9月 帰省 序章

2014年9月 帰省 妹の顔が分からない

ぼーっとしたい。けどママにはぼーっとする時間はない。週末、祝日はデジタルデトックスする方法。緊急や出欠以外のLINEを休日に休んでみた話。

苦しい時期の乗り越え方?

物に魂が宿ります「お気に入りのお弁当箱との別れ」

ママは強いというけど、強くならざるを得ない話。働くなら保育園(でも正社員じゃないと入るのは難しい)預かり保育のある幼稚園にいれてもママが働く大変さは変わらない。入園式では先生を待遇のいい都内に引き抜かれた園長先生が幼稚園の経営の大変さを語った話。

写真家長谷川美祈さんの【Internal Notebook】がドイツのカッセルダミーアワードのショートリストに選考されました

人生最後の日に笑ったおばあちゃんの話

猫に与えちゃいけない物!

ヨシザワ ハル

介護、親の死。考えないようにしていたことと向き合った日々を書いていきます。

ヨシザワ ハル

介護、親の死。考えないようにしていたことと向き合った日々を書いていきます。

ヨシザワ ハルさんの他のストーリー

  • 【第9話】離れて暮らしていた父の介護のこと、死んだときのこと、そしてお金のこと。

  • ヨシザワ ハルさんの読んでよかったストーリー

  • 【末期がんの父に贈った病院ウエディング】めげない心が起こした奇跡