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スマートスピーカーの未来――Alexaスキル開発秘話

著者: 株式会社サイバード

■スマートスピーカーの未来――Alexaスキル開発秘話



 スマートスピーカーのAmazon Echoシリーズ(スクリーン付Echo Showシリーズ等を含む)を活用して、Amazonが提供するクラウドベースの音声サービス「Amazon Alexa」に対応するスケジュール管理スキル「CUE!六石陽菜のスケジュール」が、ついに公開されました。

 

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 このスキルがあれば、スケジュール管理ツールをその都度パソコンで開かなくても、Microsoft Outlook予定表と連携して、日々のスケジュールはもちろん、過去、未来のスケジュールを、お手元のEchoシリーズを始めとしたAlexa搭載デバイスで確認することが出来るようになります。


 このスキルの実現は、ユーザーの生活時間軸に密着したオンタイムのプロモーションが、ついにスマートスピーカーで実現すること意味します。

 つまり、「ユーザー」にとっては日々のスケジュール管理をお気に入りのIP/ブランドを介して随時確認できるという便利なアシスタント機能を日常に取り込むことができ、提供する「企業側」は複数の伝えたいメッセージを伝えたいタイミングにお届けする事が可能になったのです。

 

 そのため、この技術を応用することで、例えばアイデアひとつで、企業やブランドはもちろん、タレント・アーティスト・ミュージシャン、ゲームやコミック、プロスポーツ、映画・舞台・演劇、さらには自治体・公共機関、教育機関といった、ビジネスもエンターテインメントも問わない幅広いジャンルにおいて、オリジナルのプロモーションが展開するといった、可能性が広がるスキルの発表となりました。


 このシンプルながら画期的なAlexaスキルの開発に携わった株式会社サイバードのVoice UI部の「STORY」をご紹介いたします。


■デスクにこれがあれば便利なのに!という発想から生まれた


(写真)左:根岸 秀樹……Voice UI部 部長/総合プロデューサー

(写真)中央:元木 理恵……Voice UI部 副部長/プロデューサー

(写真)右:篠崎 敦……Voice UI部/Voice UIテクニカルスペシャリスト


――今回発表されたAlexaスキルは、カレンダーや予定表と連携することによって、手元のEchoシリーズ等でスケジュールを確認したり、通知アラームでスケジュールを知ることができます。このAlexaスキルの開発に至った経緯は?


根岸 秀樹(Voice UI部 部長/総合プロデューサー、以下、根岸P):

新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い社会が強制的な変化を強いられる中、Alexaのようなデジタルアシスタントにこそ求められるサービスがあるのではないかと考えていました。そんな中サイバード自身も2020年3月末よりリモートワークへ移行していくのですが、物理的空間ではない業務環境下でのスケジュール管理に課題があることに気が付きます。我々自身が卓上に「スケジュールを管理してくれるデジタルアシスタント」を欲していたというのが開発の大きなきっかけになりました。

実は前提となるサービスのアウトラインの構想は、この「Voice UI部」の設立前からあり、むしろそれが部署を立ち上げた理由のひとつでした。2020年春頃に、Amazon Alexaにおいて技術的に実現の目処がついたのも、大きかったですね。。


元木 理恵(Voice UI部 副部長/Voice UI/UXデザイナー、以下、元木D):

最初のプロジェクトは、まだAlexaが日本で発売されていないタイミングで構想が存在していて、当時はアプリケーションで作れないかと、常に話していました。

本当の意味でのデジタルアシスタントが卓上にある生活っていいよねと、我々の案件の中で絶えずひとつのテーマとして動いていて、「遂に実現できそうだ」とチームの中で暗黙知もあったので、「これをAlexaスキルにするんだ」という強い思いは開発前からメンバー全員が持っていました。


■Alexaの新たなユーザーエクスペリエンスを実現


――今回のAlexaスキルの開発において、技術的に最も開発に苦労した点は?


篠崎 敦(Voice UIテクニカルスペシャリスト、以下、篠崎T):

Alexaも初期段階では、「これで何をしよう」というより、「いまの機能で何ができるか」という逆からの発想での開発でした。ですが、バージョンアップしていくにつれてやれることが増えて、今回、スケジュール時計壁紙を作れる仕様になったので、それを活かして、これまでのAlexaにはできなかったユーザーエクスペリエンスを実現したいと、技術側では思っていました。


――どのような体験でしょうか?


篠崎T:普通は、Alexaに話しかけると答える、という反応になりますが、今回のAlexaは、スケジュール時計壁紙として、常に画面上で能動的に動いています。予定の時刻の5分前にアラームで呼びかけてくれるといった働きかけを、当たり前に体験できるはずです。根岸さんや元木さんの要望どおり、ごく自然に行っているので、見た目は素朴ですが、裏ではすごく苦労しています(笑)。


根岸P:ごめんね、いつも無茶言って!


篠崎T:あんまり言わないですけど、苦労してます! とはいえ、試行錯誤を楽しんでいるので、苦しいだけの作業ではなくて、やってやるぞ、という感じで無理なく進めています。


元木D:技術メンバーと調整しながら、できる/できない、あるいはできたとしても想定範囲内の工数かどうかの確認をしつつ、クオリティを損ねない落としどころを決めるのが、私の重要な仕事のひとつになっていますね(笑)。


根岸P:だって、できるって言うから(笑)。


篠崎T:実現可能と判断したことについては「できる」と言うようにしています。


元木D:本当はもっとこう作りたいと、先々思っているところはありますが、フェーズを区切って制作していますね。今後はいろいろなクライアントからのリクエストを実現して、一緒にものづくりをしていきたいと考えています。


根岸Pこの分野に先人はいないので、元木や篠崎にとってゼロイチの挑戦を沢山してもらっています。そういう意味でも今回発表させていただいた内容はそういった「ゼロイチ」の水上にでることができた氷山の一角ともいえます。ここに至るまでの技術的突破力やアイデアでの突破力は我々にとって競争力の原資となっています。

確かに「見た目はシンプル」ですがそんな簡単にできませんよ(笑)。この知見の深さ、実現力の高さがビジネスの根本にもなっていると考えています。



――「Amazon Alexa スキル開発エージェンシープログラム」認定企業になっていますが、どんな制度ですか?


根岸P:Amazon社が音声インターフェイスである「Voice UI 」の世界を広げるために、Alexaスキルを開発できる会社を認定しているプログラムですね。言語に紐付いた開発になるので各国毎にあり、日本では現在は9社のみ認定されています。


どちらかといえばAWS(※Amazon Web Services)を推進する企業や広告代理店が多い中で、弊社はかなり異色の存在ですが、常に最新情報を開発に取り入れた最先端のAlexaスキル開発が可能になっています

日本で一番最初に最新技術を利用してAlexaスキルを作ったり、課金の仕組みを取り入れたりというように、常にVoice UI業界での最先端を走ってきているチームだという自負があります。


事業紹介ページ:https://www.cybird.co.jp/our_business/voice_ui/

エージェンシー:https://developer.amazon.com/ja-JP/alexa/agencies-and-tools


■企業・ブランド等プロモーション活用の具体例は?

――このAlexaスキルは、企業・ブランド等のプロモーション活用に応用できますが、具体的にどのような使い方になりますか?


根岸P:多くの経済活動はプロダクトの「発売日」を最初のヤマ場としてプロモーションが計画されますよね。このAlexaスキルを活用いただくことで、ターゲットとなる消費者のスケジュールに24時間365日寄り添いつつ、ここぞというプロモーションのタイミングを逃さないPRツールとしてご活用いただけます。

ソーシャルゲームであればIPのキャラクターで画面を彩りつつ、ゲーム内外のイベントやライセンス商材発売の告知も有効です。

映画やドラマでは上映日や放映時間と連動したコミュニケーション企画を実装したり、視聴がマネタイズと直結する「ストリーミングサービス」では、配信開始に向けたカウントダウンや限定コンテンツの提供も効果的ではないでしょうか。

他にも家電メーカーや飲料食品系といった様々な企業からお問い合わせなど頂いており、様々な応用ができると考えています。


元木D:企業ブランディングだけでなく、社内SNSで活用したい、というお話も飛び出しましたね。


根岸P:そう! 代理店さんと話していたら、会社内で社員向けのソリューションとして活用できないかという相談もいただきました。私としては対外的な配信ばかりを想定していたので、逆向きの利用方法もあるのかと面白かったですね。「サイボウズと繋がりますか?」「Googleのソリューションとはどうですか?」とか、ディティールを尋ねられることも多いです。


――繋がるのですか?


根岸P:ご要望に応じて詳細を詰めていければと思っています(笑)。


元木D:機能としては、まだ第一フェーズだと思っています。今後の第二フェーズ以降に、キャラクターとのコミュニケーション機能を拡張していきたい。その点は、これまで開発してきた「委員長・椎名乙葉シリーズ」や「イケメンシリーズ」のAlexaスキルで実現してきた我々の得意分野なので、今後さらにコミュニケーションツールとしても楽しめて、ユーザーの生活に入っていけるよう、準備をしています。



■操作をしないという操作へ


――では最後に、ここに注目してほしい! というポイントをお願いします。


篠崎T:Alexaスキルの開発者同士でしたら、「こんなことできるんだ、どうだ!」という気持ちなんですけど、ユーザーにとっては、そんなの関係ないですよね。

画面を1から再描画せずに表示内容を更新させ続けることが、今回のスキルの技術的に面白いところであり、難しいところでもあるのですが、その苦労をユーザーにはむしろ気づいてほしくないです(笑)。

「使いやすい」とか、「なんとなくいい」とか、そんな風に楽しく手軽に使っていただければ、それが一番です。


元木D:チームとしてこれ以上望むことがないくらい、意思の疎通も自然とできる恵まれたメンバーと仕事をしていることもあり、Voice UIがある環境が普通になっているのですが、市場全体を見渡すと、まだ特殊なことと見られるんですよね。


音声であらゆるものを操作する、というVoice UIは、ユーザーの生活の一部にごく自然になっていくと信じているので、このAlexaスキルはその第一歩の役割を果たすのではないかとワクワクしています。


根岸P:iPhoneが発売されて以来(※2007年)、タッチUI を人類が大規模に受け入れはじめてから、まだ十数年ですよね。人の意思を機械に伝えるためのユーザーインターフェースがあって、それが音声でできるようになったのが、ここ5~6年です。「とにかく声で指示して操作しよう」というところにスポットライトがあたっているのが、いまのVoice UIのマーケットですが、翻って考えれば考えるほど、ユーザーインターフェースは操作をしない方向にいくと思っています。


センサーやAIや機械学習が、個人認証と密接になっていくはずなので、自動的に操作がいろいろ行われていくようになりますよね。将来的には、ユーザーインターフェースは自動的な経験と同一化していくはずなので、あまりスマートスピーカーやVoice UIを難しく、特別なことだと思わずに、ぜひ身近に感じて活用していただきたいですね。




Voice UI部

◆根岸 秀樹

Voice UI部 部長/総合プロデューサー/Voice UIエバンジェリスト

チームを統括し、ビジネスとしての設計をとりまとめる。


◆元木 理恵

Voice UI部 副部長/プロデューサー/Voice UI/UXデザイナー

コンテンツの企画、会話設計、画面設計、仕様策定を担当し、さらに営業も行う。

◆篠崎 敦

Voice UI部/Voice UIテクニカルスペシャリスト

技術者として開発を担当。企画者の無理難題をAlexaの仕様を落とし込んで実現している。



<報道関係の方からのお問い合わせ先>

株式会社サイバード マーケティング統括部

E-Mail: press@cybird.co.jp


<Alexaスキルに関するお問い合わせ先>

株式会社サイバード Voice UI部

E-Mail: vui_pj@cybird.co.jp



*サイバード及び「CYBIRD」ロゴは株式会社サイバードの商標または登録商標です。

*記載されている会社名及び商品名/サービス名は、各社の商標または登録商標です。




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