ネスレ日本株式会社様に聞く・TOLFA導入まで
TOLFAをご導入いただきましたネスレ日本株式会社のマーケティング&コミュニケーションズ本部コンシューマーリレーションズ部ストラテジックオぺレーションプランニングユニットマネージャー三好様にお話をお伺いし、ブラウザからの通話を電話設備へ接続するTOLFAのサービスをご導入いただくまでのいきさつをご紹介していきます。
ネスレ日本株式会社 三好様
TOLFA・内田:本日は、宜しくお願いいたします。
ネスレ日本・三好(以下敬称略):宜しくお願いします。
内田:最初にネスレ日本様のコールセンターについてお伺いしたいと思います。現在どのような体制で運営されていますでしょうか。
三好:現在、本社にて自社運営しているコールセンターを中心として、国内外のパートナー様の各拠点を含めて、数百席規模、365日でのコールセンター運営を行っております。「ネスカフェ バリスタ」「ネスカフェ ドルチェ グスト」などコーヒーマシンのサポートデスク、ネスレ通販コールセンター、ネスレお客様相談室、ネスレ会員様向けのネスレリレーションシップ・センターなど多くの問合せ窓口をご用意しています。
内田:たしか電話以外でのサポートも行っていたかと思いますが。
三好:従来のメールに加えて、AIによるチャット対応(ネスレ チャット アシスタント)、ツイッターでのアクティブサポート、現在は一部のお問合せ対応に限りますが、自動音声対応(24時間)など、複数チャネルで対応しています。
内田:電話交換機(以下、PBX)に関しては複数拠点を統合されたというお話をお伺いしました。
三好:はい、そのとおりです。これまで各コールセンター拠点に存在するPBXを使用し、コールセンター運用を行っていましたが、データ管理一元化および業務効率化を図るため、数年かけて弊社PBXに統合しました。拠点が離れていながらも、仮想的に1つのバーチャルコールセンターを実現し、運営効率化を図っています。
内田:大規模な統合だったとお伺いしていますが、どのような理由から統合されたのでしょうか。
三好:各拠点の運営状況が可視化できないという問題を解決したいという事が1番の理由です。複数拠点で運営していると、どうしても遠隔から運営状況を確認することができません。加えて、データ管理やレポーティング業務効率化も大きな理由です。各拠点にPBXが存在していると各拠点にそれぞれデータが存在し、データ管理が大変でした。各拠点からのデータ連携に手間がかかり、全拠点のデータを統合することが非常に膨大な作業となっていました。現在は、弊社PBXに統合されたことにより各拠点のデータを弊社側で取得できるようになり、一元管理ができています。これにより、コールセンター運営のガバナンス強化にも大きくつながっています。
内田:複数のPBXの併用だと、なんとなく、それぞれ取得するデータにも差異がありそうな気がしますが・・・。
三好:ご指摘の通りで、微妙に差異が発生する可能性もあります。その場合、差異がでないようにデータ補正作業が必要となり、稼働がかかっていました。業務効率化にという観点からもPBX統合は正解だったと考えています。
ネスレ日本様コールセンター(兵庫県神戸市)
内田:今回TOLFAをご導入いただきましたが、その経緯についてお話をお聞かせいただけますでしょうか。
三好:ポイントは2つあります。ひとつは通信費の削減、もうひとつはお客様のカスタマーエクスペリエンス(以下、CX)の向上です。
内田:お客様のCX向上については、当初よりお伺いしていましたが、どのようにお考えでしょうか。
三好:CX向上の肝として、お客様が弊社にお問合せをされる際の最適なチャネル誘導が非常に重要であると考えています。
内田:具体的にはどのようなことになりますでしょうか。
三好:お客様からのお問合せ内容は、非常に多岐に渡ります。尚且つ、お問合せされるお客様の属性も異なります。そのため、お問合せ内容やお客様の属性などによって、最適な対応チャネルは異なります。WEBページのFAQをご覧いただいてお客様ご自身で解決するもの、メールやチャットで解決するもの、直接お電話で解決するものなど、お客様1人1人によって、最適なチャネルはさまざまです。複数のチャネルを持ち、お客様にチャネルを選択してもらうことは当たり前の時代であり、1人1人のお客様にとって最適なチャネルをメーカー側から提案し、誘導することがCX最大化には欠かせないものと考えています。
内田:WEBサイトで、お客様にキーワードを入力していただくと、最短の解決方法を提案するような感じでしょうか。
三好:はい、そのようなイメージです。
内田:それは大変良いかもしれません。私は問い合わせにはチャットをよく利用しているのですが、なかなかチャットだけでは解決できないこともあり、残念な結果になることもあります。最初に問題解決の最短の方法が示されるのはとても良いかと思います。
三好:解決できなかった場合、その後のお客様の導線を整備することも重要ですね。ちなみに何かTOLFAでもできるようなことはありますか。
内田:TOLFAを利用してお客様に問い合わせキーワードを音声で吸い上げ、その回答を音声で案内したり、テキストで表示したり、適切なURLへリダイレクトするなど最適な方法をTOLFA側で切り替えていくようなシステムはできると思います。営業色が出てしまい申し訳ありません・・・。
三好:なるほど。TOLFAを起点にするということも技術的に可能なのですね。
内田:CX向上につながっているかわかりませんが、TOLFAは1アクションでコールセンターへ接続できることをコンセプトに開発を行いましたので、そのあたりのご評価はいかがでしょうか。
三好:ネスレ通販サイトなどのWEBページをはじめ、ポータルサイトへの実装も簡単ですし、AIチャット対応時におけるコミュニケーター接続が必要な際にも利用できるのではないかと考えています。今後は通販でご購入いただいた際の明細書へのQRコード埋め込みを含めて、広く利用いただくことを検討しています。お客様のスマホやPCにアプリケーションのインストールが不要なこともとても良いですね。
内田:有難うございます。問い合わせをしたいと思ったときに、アプリケーションのインストールが必要となったら問い合わせはしないと思いますので、この部分は当初から方針を決めていたところになります。
三好:思っていたより音質いいですよね。
内田:以前行った弊社の測定結果からの考察になりますが、最近のIP電話は、遅延以外はPSTN(公衆回線網)と同等の音質レベルになっていると考えています。体感ですが、TOLFAはそのIP電話より音質が良いと感じます。弊社でも社間の打ち合わせで、TOLFAを利用しています。
三好:「電話ではなく、ブラウザ」ということで、当初は音声品質が不安でしたが、事前の試用機会を下さり、私自身で音声品質を確認できたのでよかったです。
内田:コールセンター側での対応についてになりますが、TOLFAは電話ではありませんので、今までCTIに表示されていた発信者の電話番号が表示されず、表示がTOLFA NUMBERとなります。その点、不便さや懸念点はありませんでしょうか。(TOLFAにおける発信者側の番号をTOLFA NUMBERと呼んでいる。)
三好:通常、コールセンターではお客様のご本人確認が必要な場合、改めてお客様からお電話番号を聴取し確認を行います。ご登録いただいている電話番号からご連絡をいただくとは限りませんので、お電話番号の聴取をせず、CTIに表示された発信者番号の目視のみだけで各種手続きを進めることはありません。CTIに即座に顧客情報が表示されても、コミュニケーターが検索して顧客情報を表示させるという場合もありますので、大きな問題とは考えていません。他の事業者様ではどうですか?
内田:意外とそこは問題となることがなく、「お客様の電話番号ではないところが良い」「そもそもCTI連携していないので問題ない」「気軽に問い合わせをいただけそう」といったご意見をいただくこともあります。お客様が、自身の電話番号が相手側(コールセンター等)に伝わることを敬遠して問い合わせを控える、といったこともあるようですので。弊社としても、本人確認の手段として電話番号情報が必要という場合はSMSがありますので問題ないと考えていました。 つづいて、もう一つのポイントの経費削減についてはいかがでしょうか。
三好:ネスレのコールセンターでは、年間多額の通信費が発生しています。このコストが削減されるだけでも喜ばしいのですが、お客様のCX向上を考えると、それ以上の効果があると見込んでいます。初期導入時の結果を評価した上で、今後TOLFAの利用を拡大していきたいです。
内田:大変有難うございます。是非宜しくお願いします。今後、海外展開も予定していますので、ネスレ様・スイス本社へも噂が届くように頑張りたいと思います。
三好:これって、海外からも使えますよね?
内田:はい、インターネットが接続できればどこからでも利用できますので、国際電話の代わりにもなります。緊急時、電話回線は制限が入りますが、TOLFAはインターネットが接続できる限り利用できます。ウィークポイントは、インターネット回線の輻輳で、発信者側の利用環境も影響するので制御できない部分もあります。
三好:あと、もうひとつ重要なポイントがありました。今回のTOLFA導入にあたり、現在利用中の弊社既存PBXが引き続き利用できることが大きなポイントでした。今まで多くの会社様より、ブラウザを使用した無料通話サービスに関するご提案をいただいていましたが、いずれも新しいPBX環境を追加で用意することが必要であり、環境変化が伴うものばかりでした。それでは導入ハードルが非常に高く、断念せざるを得ませんでした。そこでTOLFAという新しいサービスに出会いました。現在の既存PBXを継続して利用でき、電話回線からの着信とTOLFAからの着信を同じPBXへ収容して受電対応ができるということを聞き、直感的に「これだ!」と感じました。何よりお客様と直接対応されるコミュニケーターにとって、変わりない環境で導入できるといのは非常に大切な点です。さらにレポーティング業務についても、環境変化がありません。これは導入ハードルを大きく下げ、TOLFA導入の決め手となったポイントです。
内田:全ての電話設備へ接続試行していませんが、TOLFAは、AVAYAのほか、NECやOKI、富士通、Asteriskなどの電話設備にクラウド・オンプレミスを問わず接続が可能です。今後のTOLFAに対してのご要望はございますでしょうか。
三好:さらなるお客様のCX向上が実現できるものを期待しています。
内田:かしこまりました。今はまだご案内できませんが、すでに次のサービスをご準備しておりますので、是非、ご提案させていただきたいと思います。
三好:期待しています。完成したら是非提案をお願いします。TOLFAに続き、どの会社よりも先に導入したいですね。
内田:有難うございます。新サービスのご提案もさせていただきます。ネスレ様からそのようなお言葉をいただけると、新しいスタンダードにしていくのだ、という気持ちが強くなります。本日は大変有難うございました。引き続きよろしくお願いいたします。
三好:宜しくお願いします。
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