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あなたには「我が家流子育て」の軸がありますか? ~「かおりメソッド」を通して見えた現代日本の親が抱える課題とは~

著者: 株式会社ママプロジェクトJapan

ガミガミしないで勉強する子に育てる「かおりメソッド」などの事業を展開する㈱ママプロジェクトJapan。

今やInstagramフォロワー1万人、子育て世代の受講生累計5000名を超えて全国に拡大し続けています。

戦略的ほったらかし家庭教育を通して、多くのママに寄り添う中で得た子育ての「確信」を「革新」に、新しい世の中を切り開くたくましい子どもたちを増やすことを使命に、活動を続けている当社。代表の岩田かおりの考える現代社会特有の「ママの他者比較」への課題感と、その解決策、また今後の事業の方向性についてお伝えします。






「後悔しない育児」は、「自分理解」から始まる

 仕事柄、「どうしたら、自分らしい育児ができますか?」と聞かれることがあります。いつでも、SNSなどから多くの情報が取れる昨今、「他人の価値観」に縛られながら、育児をされている方が増えている気がします。


 私自身が勉強し、また3児の子育てや受講生との対話を通して確信するのは、「周囲に振り回されず、自分らしく、後悔しない育児」をするためには、踏まなくてはいけないプロセスがある、ということ。


 中でも一番大事で、最初に通るべきプロセスが「自分理解」です。企業でも「自己理解」の研修は行われていることも多く、「会社でやりました!」と答える方も多いのですが、育児に必要な「自分理解」は、重点が異なります。



育児は「記憶」に引っ張られる

 これを読んでくださっている方の中にも、「幼い時、親の●●という言葉に傷ついた」「頑張ったのに、お姉ちゃんばかり褒められた」など、多少なりとも「トラウマ」を抱えている方がいらっしゃるのではないでしょうか。私にもあります。


 このような子どもの時に受けた傷は、意識していなくても潜在意識(記憶)の中にしっかり残っています。そして、自分が育児をするようになると、なぜかこの記憶に引っ張られてしまう=自分の親と同じことをしてしまう、もしくは反面教師にしてしまう、ということが起こるのです。


嫌だと意識していると、それが現象化する、という話はどこかで聞いたことがあると思います。大人になり普段は表出していなかったその部分の執着が、子育てになると、再び立ち現れてくるのです。


また、特に「初めての育児」の場合、自分が体験した唯一の育児が親からのもので、それしか知らないため踏襲してしまう、ということが起こります。



“記憶”という凸凹土壌を更地にする

 自分らしい育児をするには、まずこの記憶の凹凸=傷をなだらかにすることが大事です。建物もデコボコした土地にはしっかりしたものが立たないのと同じです。


 『かおりメソッド超オンライン講座』では、最初に受講生が「履歴書」ではなく「生育歴」を作っていきます。「親はこんな人だった」「こんなつらい目にあった」「こんな嬉しい思い出がある」などをできるだけ列挙。中には過去に受けた傷を思い出し、涙する受講生もいます。でもこのプロセスが大事なのです。


 全部洗い出したあとに、俯瞰して見てみる。そうすると、その時の体験を客観視できるようになります。また受講生何人かと開示しあうことで、別の視点からの意見をもらえ、違う見方ができるようになります。加えて、自分自身も色々な人の体験に触れることで、記憶についての違う解釈が生まれます。そのようなプロセスを経て、「傷ついてきた自分と傷つけてきた親を許す」という感情が出てくるのです。


この感情を持って初めて、自分の「育児」に関するトラウマが癒え、更地になり、そのしっかりとした土壌に「自分の価値観にそった、自分らしい育児」を積み上げていくことができます。




「育児の暗黙ルール」に惑わされると

「おうち寄宿舎」「お母さん(お父さん)探偵」が大量発生

 情報過多とも言える現代、「他人ではなく、自分の価値観で行う育児」ができづらくなっているとも言えます。世の中にはびこる、育児にまつわる暗黙のルール。でも冷静に見てみると、様々な「ウソ」が見えてきます。


 例えば、時間や気持ちの「余白」で子どもは発想したり、考えたりして能力が伸びると言われていますが、その余白を分断してしまう「おうち寄宿舎」(親が寄宿舎の責任者のように、起床、ご飯、勉強、趣味…など、生活全てのタイムマネジメントを厳しく行うこと)。これは「小さい頃から、時間を意識して動けるようになったほうがいい」という常識のようなものが、親に過剰なマネジメントをさせ、結果、子どもの能力の発達を阻害しているのです。


 また、レジリエンス(困難やストレスを受け止め、その後跳ね返したり、適応したりする力)が、生きていく上で必要だと言われて久しいですが、親がその能力を潰してしまうケースを多々見ます。子どもが生きていくためには、親ができるだけミスの可能性を排除すべき、という通例のようなものが、親を「お母さん(お父さん)探偵」にしてしまう。家庭内での子どものミスを常に観察、指摘し、転ばないようにすることで、失敗を経験せず、結果「レジリエンス」を身につけられないまま育つ子どもを生み出している(*1)のです。

*1:文部科学省 中央教育審議会 子どもの育ちの現状と背景 https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/siryo/attach/1395404.htm


 「後悔しない育児」「自分らしい育児」をするには、親が世の中の様々なルールや通例に対し、「それは本当か」と自分で考えることが大事なのです。



育児とは、壮大なマネジメント

育児とはマネジメントそのもの。

このマネジメントとは、管理することではありません。家庭の方向性を決め、示しながら、沢山の事象に一つ一つ向き合いPDCAを回し、「我が家流」を創っていく壮大な事業。

決して「単純作業」ではなく、複雑で難易度の高い「意思決定」の繰り返しなのです。



この「オリジナルの指針」を持てるかどうかが大切なのに、「子育てに対する自己理解」や「我が家流のビジョン」なく、いきなり授乳とおむつ替えからスタートする現代日本の親は、まさに孤軍奮闘。


周囲の情報とハウツーに右往左往して不安を募らせた結果、イライラガミガミや先回りに走り、最終的に主体性のない子、やりたいことがわからない子、知的好奇心の低い子を育んでしまうのです。




人生100年時代。

一生退屈せず、育児を軸に支えあえる世界を創りたい

 今、各種講座を通して、親御さんたちが、「自分らしい、本質的な育児」ができるよう、全力で支援していますが、私にはその先に、実現したい世界があります。それは、そのように苦労して身につけた育児の本質を、受講生のみなさんがそれぞれの身近な人にシェアできる世界です。


 日々色々なことが起こり、子育てには悩みがつきもの。そんな時に、自らの子育てに一息ついた世代が、後進に、メソッドを伝えたり、育児の悩みを吐露する場を提供する。そんな「みんなの子育て」社会が実現できたらいいなと思っています。



 以上のように、当社では、情報過多な現代、「他人と比較しない、自分らしい、本質的な育児をしていきたい」声は、日々高まっていると感じています。このニーズを背景に、我々は親子の関係構築を軸とした、子どもを「一生モノの学び体質にしていく」メソッドを、今後も拡充・展開していきます。また育児経験やナレッジを、未来の後輩に伝えていくエコシステムを構築し、人生100年時代、「一生役割のもてる社会」の実現に貢献していく所存です。




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