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今日が、残りの人生の最初の1日。

EVの変革期に仕掛ける新規事業開発。リブ・コンサルティングのコンサルタントが見据える未来。

著者: 株式会社リブ・コンサルティング


EV(電気自動車)の急速な普及が進む昨今。自動車市場は従来の産業構造からの、大きな変化が余儀なくされています。モビリティ領域を支援し続けてきた、株式会社リブ・コンサルティングのコンサルタントたちもまた、その変革期に新たな事業開発を進めてきました。


それが、モビリティ領域とエネルギー領域に生まれた新たなビジネスチャンス、EVX(EVトランスフォーメーション)です。モビリティインダストリーグループのコンサルタント2名が、同事業の旗揚げにいたるまでの足跡をたどります。

クライアントに提供できるソリューションをもっと広げたい


――2人のキャリアについて教えてください。


西口:

私は2015年に、リブ・コンサルティングへ入社しました。前職では、HR領域のコンサルティングやアウトソーシングを提供する会社に在籍し、採用や人事評価制度策定・給与制度改定などのプロジェクトを担当していました。前職には大学卒業から約7年在籍し、そこから今に至るまで、リブ・コンサルティングに在籍しています。


横山:

私がリブ・コンサルティングに入社したのは、2019年です。前職では大手家電メーカーに7年在籍し、法人営業やマーケティングに携わっていました。


――2人とも、なぜリブ・コンサルティングへ転職しようと思ったのですか?


西口:

コンサルティングというのは、主にふたつの軸があります。ひとつは「テーマ特化」という、戦略やHR、ITなど、ひとつのテーマに特化した軸です。もうひとつは「インダストリー特化」という軸で、支援する業界は固定されますが、そのなかで人事や財務など多種多様なテーマを支援します。


前職は、ひとつ目のテーマ特化の企業でした。当時のクライアントと話していると、人事以外のご相談をいただく機会もありますが、HR専門の私はその課題にお応えできずにいました。


しかし、私が目指すコンサルタント像は、クライアントの経営全般をサポートするパートナーのような存在でした。だからこそ、クライアントを包括的に支援できる会社に転職しようと思ったのです。リブ・コンサルティングはその条件を満たしており、この会社ならコンサルタントと事業リーダーの、両方の経験を積めると思い転職しました。


横山:

私の転職動機は、西口さんと非常に似ています。メーカーの法人営業は、基本的に「商品ありき」の提案になります。自社商品以外のソリューションを提供できないことに、物足りなさを感じていたのです。


また、大手のキャリアパスはすごく時間がかかってしまう点も、転職しようと思った理由のひとつでした。私の就職活動は、iPhoneが大ブームを生んだ時期と重なります。ひとつのプロダクトが世の中を変える瞬間を見て、自分もなにか面白いものを作りたいと思い、メーカーへ入社しました。


しかし、大手メーカーでそれを実現するには、事業責任者にならないといけません。下手をすると、50歳までそのチャンスが得られない可能性もあります。それではリスクが大きすぎる。もっと早く、社会にインパクトのある仕事がしたい。そう思い転職を決意しました。


コンサルタントという職種を選んだ理由は、提供できるソリューションの幅を広げられると考えたからです。その中で、実ビジネスに関われる、かつ手触り感の強いコンサルティングに携われる会社だと思い、リブ・コンサルティングを選びました。

「Up」をサポートする環境の充実

――実際に入社して、働き方の変化やそれに伴う戸惑いはありましたか?


西口:

私も横山さんも、入社後はカーディーラーを主に支援していたのですが、2人ともこの領域の知見はなかったので、そこのギャップを埋めるのは大変でしたね。とはいえ、転職活動時に考えていた「コンサルタントと事業リーダー両方の経験を積みたい」という願いはかなったので、期待通りのキャリアを歩めている実感があります。


入社してからの戸惑いは、むしろ横山さんの方が大きかったのではないですか?大手からベンチャーへの転職だったので、会社の文化や働き方にかなり戸惑ったと思います。


モビリティインダストリーグループ ディレクター 西口 恒一郎


横山:

ある程度のギャップは覚悟していたので、そういう意味では想定内でした。それでも、最初の1年はすごく苦労しましたね(笑)。


前職とリブ・コンサルティングでは、「評価方法」が全く違うと感じました。大手企業は減点方式で、どれだけ失点を防ぎつつ、与えられた仕事をこなすかが重要です。それに対して、リブ・コンサルティングは加点方式です。答えがない中で、道なき道をチャレンジした成果が評価されます。この「答えがない」という環境に、ものすごく苦しめられました。


――というと?


横山:

大手企業の仕事は、先人が行っていたプラクティスがすでに存在していて、それをいかに早く見つけて実行するかが重要でした。コンサルティングには、そうした道が存在しません。答えがない中で、なんとかソリューションを提案しないといけないのです。


前職とはまるで異なる仕事のやり方に直面して、「自分はこんなにも考えるのが下手なのか」とショックを受けましたね。


――そのギャップはどのように埋めたのですか?


横山:

考える力を伸ばすには、バッターボックスに立つ以外の選択はありません。実務をこなしながら、四苦八苦しつつも自分を鍛えてきました。


それ以外だと、当社の育成環境には大きく助けられましたね。メンバーのステージに応じて気づきを与える仕組みや、それに伴うスキルアップを促す体制が、しっかり整っていると感じるシーンが多々ありました。


コンサルティングファームでは「Up or Out」の考え方がありますが、リブ・コンサルティングはコンサルティング経験者をよりプロフェッショナルに、未経験の異業種人材をコンサルタントになるための「Up」をサポートし、背中を押す環境が充実していると思います。

モビリティ領域の転機と大変革


――2人がモビリティ領域の事業開発に、取り組むようになった経緯も教えてください。


西口:

私たちは、モビリティの中でもカーディーラーに対する経営コンサルを主に担当していましたが、現在はEVとエネルギーが交わる”EVX”(EVトランスフォーメーション)領域において、エンタープライズに対する事業開発提案や支援へと舵を切っています。ここに至った背景には、外的要因がふたつ、内的要因がひとつありました。


外的要因のひとつ目は、自動車業界全体がCASEという大きな転換点を迎えたという点です。既存の業界構造が変革、あるいは崩壊しようとする中、私たちも変わらざるを得ないというシチュエーションに直面しました。


そこで発生したふたつ目の外的要因が、私たちの支援領域である事業の変化です。現在、自動車業界では約550万人が働いています。このうち、私たちが支援する販売や整備領域では約100万人の方々が働いています。


実は、CASEによってこの100万人の携わる事業が無くなってしまう可能性があると言われているのです。CASEに応じて、私たちも今とは異なる提供価値を出していかなければ、自分たちはもちろん、クライアントであるカーディーラーの支援もままならなくなります。事業内容の変化に対する危機感は、より現実味を帯びてきました。


内的要因は、業界全体の変化に対して、社内の変化が追い付いていないという点です。これまで通りのサービス体制から、なかなかピボットできずにいました。そこで、私と横山が新規事業を立ち上げて、その外圧によってチームを変えていこうと考えました。


そこで注目したのが、モビリティ領域でもっとも大きなトレンドである「EVシフト」でした。


横山:

一般のガソリン車がEVに置き換わることによって、動力源が電気になります。そうなると、モビリティ領域とエネルギー領域が、今よりはるかに密接な関係性になると考えられています。私たちは、そうしたEVX領域に対して、関係する企業様に新規事業を一緒に展開していこうと考えました。


西口:

EVX自体は2021年より啓蒙しておりましたが、2022年6月には、次のようなカオスマップを作成しました。EVX領域には、大きく10種類の事業領域が存在します。



――モビリティ領域なのかエネルギー領域なのか。供給側なのかマネジメント側なのかという観点で、企業と事業領域を分類しているのですね。


横山:

例えば「EV+エネルギーセット販売」では、EVの販売と充電設備や太陽光発電システムなどを、いかに正しくお客様に届けるかといった事業開発プロジェクトを進めています。「充電インフラ」では、EVの普及に伴う充電インフラの最適化を進めるための事業開発提案を行っています。


――各領域において、どんな商材が最適であるのかを考え、いちから事業を作っているのですね。

理想の未来に向けて手を動かし続けられるか


――2人が進めているEVX領域の事業開発は、これまでの仕事とまったく違う内容だと思います。それでも、ここまでの形にできたのはなぜですか?


西口:

今回の新規事業開発は、今いる島から別の島に移るのに等しい行為です。私たちは、モビリティ領域に関する知見はあったものの、エネルギー領域のナレッジは持っていませんでした。


そこで必要だったのが、新しい島へ行くための船と先導役です。それを担ってくださったのが、協力会社様です。私たちが行きたい方向に対して、知見やノウハウを持つ複数の関係者様と連携したおかげで、本プロジェクトを進めることができたのです。


自分たちの実現したい世界に対して、不足しているケイパビリティをさまざまなネットワークや外部のケイパビリティを活用して解決する。それらを、ひとつに束ねて社会へ提供する。こうした活動を自然と実践できるのは、リブ・コンサルティングの文化だと思います。


そうやってプロジェクトを進めるうちに、私たちも勉強を重ねて徐々にナレッジを蓄積していくことができました。


横山:

リブ・コンサルティングは、新規事業をはじめるというか、旗を立てて進むことを積極的に許容する組織ですよね。合理的に考えた、正しいアプローチや挑戦を歓迎してくれる風土なので、チャレンジしがいがありますね。EVX領域の事業開発も、2人で始めた事業ですから。


――経営陣の判断ではなかったのですね。


横山:

私たち自身もベンチャーなので、コンサルタントでありつつ、自分たちで事業開発できます。こうしたアクションを取りやすいのが、当社と他のコンサルティングファームとの大きな違いだと思います。


西口:

そのため、率先して行動できる人やフットワークが軽い人は、当社にフィットしやすいと思います。


今でこそ私たちは、EVX領域に注力して事業を拡大していますが、ここにたどり着くまでに膨大な検証を重ねました。MaaSやグロース支援、デジタル領域などあらゆる領域を検証した結果、EVX領域で花開いたのです。自分が立てた仮説を、どれだけ早く検証して勝ち筋を探れるかが、私たちの優位性のひとつだと思っています。


横山:

時には「泥臭い」と感じられるほど、私たちは手を動かしますからね(笑)。


モビリティインダストリーグループ マネージャー 横山 賢治


西口:

近年、コンサルタントの提供価値は大きく変わっているなと感じることがあります。従来のコンサルタントは、クライアントの課題に対して適切なソリューションを提供するのが主な役割でした。当社のように、実行支援まで行う会社もあります。


しかしここ2、3年、クライアントの課題や経営上の重要なイシューが、不明瞭であるケースが増えている気がします。


――変化が激しい時代だからこそ、明確な課題が見えにくいのですね。


西口:

こうした時代において、コンサルタントの提供価値は、来た球を正確に打ち返すことではないと感じています。


大切なのは、業界や社会の未来に対して、あるべき姿を提案し共感してもらうこと。そして、あるべき未来と現実とのギャップを正確に捉え、そこに対してソリューションを提供していくことが、これからのコンサルタントの姿だと考えています。


コンサルタントのセリフではありませんが、私たちも正解は分かりません。だからこそ、「こういう未来を作りたい」という、強いビジョンや思いを持っているかが非常に重要です。


ある意味で、当社の「”100年後の世界を良くする会社”を増やす」という企業理念に共感できるかどうかが、これからのコンサルタントに求められる素養と言えるかもしれません。


横山:

EVX領域の事業開発も、私たちのケイパビリティとクライアントのケイパビリティを組み合わせて、未来を共に作る共創プロジェクトだと思っています。私たちが描く未来に賛同する企業様を、私たちがハブとしてつなぎ合わせていくという感じでしょうか。


そうやって、雪だるまを大きくするようにネットワークを広げていき、理想の未来に近づいていく。それが現在進めている事業開発の姿であり、これからさらに加速させていきたいことです。





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