総合証券として初。オンライントレードでの米国株式リアルタイム取引を可能にしたサービス開発の裏側
米国株式市場は、日本と比べ、圧倒的に時価総額や取引金額が大きい。グローバル企業や成長性の高い企業、多くの人に知られる有名大企業も多く、米国株式への投資は日本国内においても人気が右肩上がりとなっている。
米国市場は日本と時差があるため、証券会社での対面取引では、日本時間の夜間や祝日でのリアルタイム取引ができない。そこで人気を集めているのが、インターネット上で取引を行うオンライントレードサービスだ。
総合証券会社として初となる米国株式オンライントレードサービスが、SMBC日興証券株式会社が提供する「日興イージートレード」上で2月27日(月)から取引開始する。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000153.000019056.html
総合証券として積み重ねてきた知見を活かしたサービス開発は、およそ3年に渡る長期プロジェクトとなったという。今回は、その取り組みにおける挑戦の裏側について、担当者から伝える。
(左から、藤田 弘志、嘉数 大輝、今林 健太、五嶋 秀行)
総合証券初。米国株式オンライントレードサービスのリアルタイム取引とは
SMBC日興証券でも、日々お客さまとお話をする中で米国株式のオンライントレードにおけるニーズの高まりを感じていた。そんな中、他の総合証券会社が行っていない状況で、新たに始めたのが「日興イージートレード」での米国株式の取り扱いである。
オンライントレードによって日本の夜間や祝日・休日でのリアルタイム取引を可能としたほか、業界最低水準の委託手数料(※1)を特徴としている。また、総合証券会社として蓄積してきた知見や経験を基にした、充実の投資情報サービスやレポートが本サービスの大きな魅力の1つだ。取扱銘柄数は約2,200。まずは厳選した主要銘柄を取り揃え、米国株式投資をこれから始める人でも安心して銘柄を選びやすい環境を整えている。
(※1) 米国株式を取り扱う主要ネット証券と比較(2022 年 12 月末、SMBC日興証券調べ)。
(スマホからでも確認でき、使いやすい点も魅力の一つだ)
コロナ禍の影響もハードルに。およそ3年を有する長期プロジェクトの舞台裏
「日興イージートレード」での米国株式取り扱いサービスの開発はデジタルマーケティング部が担当した。SMBC日興証券のなかで、この部署はAIの利用など、新たな施策に積極的に挑んできた背景を持つ。
そうしたデジタルマーケティング部がオンライントレードでの米国株式取り扱いサービスの開発に着手したのは、およそ3年前のこと。プロジェクト始動のきっかけは、本支店やコンタクトセンターなどに寄せられたお客さまの声だった。お客さまの声が増えてきた背景には、米国株式への投資人気が世間で高まってきた社会的な変化があり、店舗の営業日・時間帯に縛られずに取引ができるオンライントレードへのニーズが高まったことが挙げられる。
「日頃からお客さまの声を受けてサービスの改善に繋げているなかで、米国株式のオンライントレードを求める声が強まってきました。会社からもサービスの必要性、重要性への声が上がってきたことから、今回のプロジェクトを開始したのです」(チームリーダー・嘉数)
そんな重要なプロジェクトの始動にあたり、まずは「米国株式で何をしたいのか」をホワイトボードに列記していくところから始めた企画チーム。そこから要素を整理し、総合証券会社がリリースする米国株式オンライントレードサービスとして目指すべき形を作り上げ、要件書をまとめていった。
一見すると、オンライントレードで銘柄を決めて注文するということは、単純な仕組みのように思えるかもしれない。しかし、注文の仕組みに対し、新しいシステムを開発・導入する際には、数多くある既存システムとの整合性を持たさなければならない。さらに、米国株式を米国市場が開いている時間帯に発注する際には、海外のブローカーとも協力する必要がある。これらの複雑な要素を整え、安定したサービスの提供と取引ができるよう整える必要があった。
例えわずかな可能性であっても問題をなくしていくこともシステム開発の重要事項だ。高い安全性を担保できるよう、システム構築を進めた。複雑なシステム構築のため、案件によっては内容がかなり込み入っており、関係する他部署であっても理解しづらい点もある。前提部分から説明する、何度も繰り返し説明する、資料を作成してわかりやすく伝えるなど、工夫を重ねていった。
要件書をまとめた後も苦難が続いた。社内だけでなく、開発を担う社外パートナーとのコミュニケーションだ。社内でまとめた内容を社外パートナーへ渡したあと、「このコスト・スケジュール感では、提案されたサービス内容を実現するのは難しい」と回答があり、再びの調整を余儀なくされたこともあった。
「どうしても総合証券という言葉が付いて回るのがネット証券との違いです。総合証券として、どのようなレベルのサービスであればご満足いただけるのか、ゴール地点の設定が非常に難しかったです」(プロジェクトマネージャー・今林)
加えて、コロナ禍による影響も様々な点で受けている。プロジェクトの開始時期がちょうど各社がリモートを導入し始めた時期でもあり、双方ともWeb会議ツールに不慣れで、話し始めるまでに時間を要したことも。いざ会議を始めても、今度は画面越しでのやり取りに難しさを感じる。自分たちの熱がきちんと相手に伝わっているのか不安に思うこともありながら、場数を踏んでいったという。
そんな状況から、プロジェクトは長期化。進行中にチームメンバーの異動が発生したこともあり、今までにない困難となった。構想開始からサービスのリリースまでに要した期間は、およそ3年。当初の期待もあり、余裕があったわけではなく、「このスケジュールに間に合わせなければいけない」というプレッシャーをひしひしと感じながらの進行だった振り返る。
まずは既存のお客さまへの周知に注力。今後は新たな投資ユーザー層の開拓にも取り組む
およそ3年の月日をかけてリリースを迎えることに対し、メンバーは「まずは安堵している。ただし、まだこれからが本番であるため、緊張感があるのが正直なところ」だと口を揃える。
要件を固める以前、ホワイトボードに「米国株式で何をしたいのか」を列記したが、そのうちの一つ「使い勝手の良さを」の想いは一定達成された。しかし、「プロジェクトを進めてきた3年で他社サービスも進化しているため、これで終わりだとは思っていない」と嘉数は語る。
完成したサービスは、既にある国内株式のオンライントレードサービスとUI/UXを揃えた点も特徴だ。すでにあるサービスに寄せた開発を依頼する点にも苦労があったという。
「それでも、既存サービスと似た使い心地を担保したかった。既存のお客さまが戸惑わず米国株式オンライントレードを利用できるようにしたかったのです」(チームリーダー・嘉数)
コンテンツのデザイン周りを主に担当した藤田は「わかりやすいデザインに力を入れた」と語る。すでにある他社の米国株式オンライントレードサービスを意識するあまり、似通ったサービスを作るのは発展性がない。また、総合証券会社として米国株式オンライントレードサービスをリリースすることで、これまで米国株式に興味のなかった層が利用する可能性も考えられる。
「初めて米国株式の取引を行うお客さまでも使いやすいよう、銘柄検索をしやすいサービスを新たに考案しました」(プロジェクトメンバー・藤田)
「日興イージートレード」での米国株式取り扱いに期待を寄せていた会社からも、長期プロジェクトの完遂を喜ぶ声が上がっている。
現在、各支店の営業員向けに本サービスの勉強会も実施しているプロジェクトチーム。夜間にも稼働するサービスを提供することが初となるため、お客さまへの説明を担当する営業員の不安を払拭することも目的の1つだ。新たな挑戦へ不安の声も上がっている一方、リリース自体への反応は上々。サービスリリースを待ち望んでいた様子がうかがえるという。
リリース後は米国株式オンライントレードサービスを求めてきた既存のお客さまへのサービス周知を優先的に行いつつ、これから米国株式投資を始める初心者向けのアプローチにも順次着手。米国株式投資を行う層の拡大にも取り組んでいく。
本プロジェクトの統括であるデジタルテクノロジー室長五嶋は、長期に渡った本プロジェクトの振り返り、今後への想いについて次のように語った。
「自身の経験の中でも最長のプロジェクトとなったため、まずはリリースにこぎ着けたことに安堵しています。困難なプロジェクトからチームとして得られた経験も大きいと考えており、米国株式の機能改善や今後のプロジェクトにしっかりと活かして、当社のオンラインサービスの付加価値を高めていきます」。
ご留意事項
■手数料等について
米国株式の取引にかかる国内取次手数料は、委託注文の発注形態(発注経路等)に応じて異なります(例えば、オンライントレード(日興イージートレード)で注文する場合、総合コースでは売買金額に対して最大手数料率0.8855%、ダイレクトコースは最大22米ドルの委託手数料をお支払いいただきます)。また、外国取引にかかる現地諸費用(売買手数料、公租公課その他の賦課金等)は、その時々の市場状況、現地の制度、情勢等に応じて決定されますので、その金額等をあらかじめ記載することはできません。 また、外貨建ての商品の場合、円貨と外貨を交換、または異なる外貨間での交換をする際には外国為替市場の動向に応じて当社が決定した為替レートによるものとします。
上記手数料等のうち、消費税が課せられるものについては、消費税分を含む料率または金額を記載しています。(2023年1月現在)
■リスク等について
米国株式は、株式相場、金利水準、為替相場、不動産相場、商品相場等の価格の変動等および有価証券の発行者の信用状況(財務・経営状況を含む)の悪化等それらに関する外部評価の変化等により損失が生じるおそれ(元本欠損リスク)があります。
国内非上場の外国証券(法令に基づく開示を行っているものを除きます)は、日本の法令に基づく企業内容の開示が行われておりませんので、取引を行うにあたっては十分にご留意ください。
最終的な投資決定は、お客さまご自身の判断でなさるようにお願いいたします。
商号等 SMBC日興証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第2251号
加入協会 日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会、一般社団法人日本STO協会
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