ライオン独自開発のグミとガムで“おくち育”! 親と子どもで楽しみながらできるオーラルケアプログラム『噛もっと!』開発秘話
ライオン株式会社(代表取締役社長・竹森 征之)は、子どもの成長段階に合わせ、きちんとした歯みがきの習慣づくりや、良い歯ならびの土台づくりを支援するオーラルケアプログラム『おくち育』を2023年4月24日から専用ECサイトにて提供開始いたしました。
その第一弾となるのが、「歯ならびの土台づくり」が重要な6~12歳の生え変わり期の子どもを対象とした『おくち育 噛もっと!』。『噛もっと!グミ』を毎日食べて噛む力を育み、月1回『噛もっと!ガム』で噛む力をチェックし、『おくち育会員サイト』で『歯ならびチェック』ができるAIアプリの3点がセットになっています。
ライオンの本気!子どものお口の健康習慣をサポート
当社は、「より良い習慣づくりで、人々の毎日に貢献する(ReDesign)」というパーパスを掲げ、一人ひとりのライフスタイルや心身の健康状態に合わせた前向きな予防歯科習慣づくりを後押ししながら、人々の健康増進に貢献する活動を進めています。
お口の健康を育むためには、子どもの頃から、歯やお口の衛生を保つことに加え、「食べる・笑う・話す」といったお口に関する機能を育てることが重要です。一方で、歯みがきが嫌い、噛む力が弱い、永久歯の歯ならびが心配等、保護者は子どもの成長過程において様々な口腔健康不安を抱えています。
そこで長年オーラルケアの研究を続けてきたライオンは、子どもの「やってみたい」気持ちを大切にしながら、将来の「生きる力」の土台となるオーラルケア習慣づくりに役立つ「おくち育」の開発に取り組みました。
今回は開発に関わった担当者の思いをお届けいたします。
(左からグミ開発担当 川延、サービスデザイン担当 水谷、マーケティング担当 遠藤、
臨床試験・歯ならびAIアプリ開発担当 岡)
自らの子育て経験をもとに、「普段の日常生活に組み込める」商品を
親は子どもに健康に育って欲しいと願うもの。新規事業のマーケティング歴4年の遠藤はこの商品を立ち上げる上で、自分の子育て時の悩みを振り返りました。「初めての子育てでは食事の与え方から歯みがきなど日常の生活習慣を身につけさせる上での正解が分からず、日々ネットとのにらめっこ。そして、言うことを聞かない子どもを叱ってしまい、後悔の繰り返し。実は子どもと一緒に過ごし、成長を喜び合える時間はとても短いことに気づき、子どもの成長に応じて身につけたい習慣や教え方が分かり、子どもも楽しめ親と一緒に成長できるサービスを作りたい」と思ったのが本商品の始まりです。
実は遠藤は過去にも子ども向け「IoTハブラシ」を立ち上げています。
(記事URL:約8割の子どもが歯磨きスキル向上。クリニカKid’s初の「loTハブラシ」開発秘話|ライオン株式会社のストーリー|PR TIMES STORY)
今回もプラスワンの行動ではなく、保護者も子どもも無理なく日常生活に組み込めることに拘った商品開発を目指しました。
『噛もっと!』を思いついたきっかけは、遠藤自身の子どもの歯に対する悩みにありました。子どもの歯の生え変わりが遅かったため歯ならびの心配をしており、周りのママ友と積極的に情報交換を開始。「子どもの歯ならびが気になるけど、矯正って高いよね」「歯ならびは遺伝だから、どうしようもないよね」「マウスピースってどうなんだろう」などの会話を通して、どの保護者も歯ならびに強い悩みがあることが分かりました。そこで当社研究所との相談を開始し、良い歯ならびの土台づくりには遺伝以外にも「噛む」ことが非常に重要であることが分かり、新規事業の方向性が決まりました。
「グミ」開発への道のり、子どもが本当に喜ぶものとは?
グミ開発担当の川延は、10年間歯磨剤の研究に従事。途中社内プロジェクトで「子どもの噛む力の向上」に携わった経験があり、本商品開発にも参加することになりました。
「以前から関わりたかった子ども向け商品の新規事業に関われたことに、とてもやりがいを感じました。自身の子育ての経験も踏まえ、従来のオーラルケア製品には縛られない、簡単で子ども自ら、楽しく取り組み続けられる商品の開発を目指しました。」(川延)
「噛む力」を育てるためには日々継続することが大切。そのためにも「カンタン」「楽しい」「子どもが喜んで続けられる」をキーワードとして意識したという川延。『いつでもどこでも毎日無理なく続けられ、子どもにも保護者にも嬉しいグミ』の開発に着手することになりました。
しかし、子どもが喜んで続けられることと、しっかりと噛む力を育むことの両立はとても難しく、実際に色々なグミを本プロジェクトメンバーで試食し、噛むトレーニングに適したグミ物性を模索しました。まず、グミの物性としては、子どもがいつでもどこで食べてもむし歯にならないよう考慮し、“ノンシュガー”に設定。次に、”左右でバランス良く噛める大きさであること”、 “適度な薄さや弾力があること”を目標に物性パラメータを設計しました。
「“硬さ”と“弾力”と“味”」のバランスが特に難しかったのですが、子どもが毎日美味しく食べられるよう、研究員やその子どもたちに試食してもらいながら、試作品を作り続け、トライアンドエラーを繰り返し、完成まで辿り着くことが出来ました。弾力・味どちらも自信作です。」(川延)
日本大学松戸歯学部と連携しながらグミの臨床試験を実施
歯ならびAIアプリ開発では500名以上のデータ活用!
グミの臨床試験/歯ならびのAIアプリ開発担当の岡は、基礎研究に長年従事している。過去には口臭ケアサポートアプリの開発など、新規事業にも携わっていました。直近では、子どもの歯ならびについて研究していたこともあり、本プロジェクトへ参加することになりました。
「しっかりと噛む習慣をつくり、発達を促すことが良い歯ならびの土台作りに重要です。従来のケア手段は、トレーニング感が強いものが多く、継続性に課題がありました。グミであれば、日常の習慣に溶け込みやすく、子どもでも毎日楽しく取り組めることが出来ると考えました。一方、子ども向けのグミで噛む力をサポートするソリューションは前例が無かったため、開発グミにおける噛む力への有効性に対しては、慎重に検討しました。」(岡)
開発グミの有効性検証では、日本大学松戸歯学部と連携し、試験設計や機能評価を行いました。当社は過去に、正しく噛む習慣を身につけるための歯科医院向けの硬性ガムを日本大学松戸歯学部の矯正学講座と共同で開発していました。その経緯もあり、同講座の根岸教授にご指導頂きながら、グミの有効性検証に向けた臨床試験を推進してきました。
(噛む力の指標の一つである、口を閉じる力を測定する機器を説明する岡)
臨床試験では、小学生26名に対して、開発グミ摂取時の噛む力の変化を検証しました。グミ摂取により、摂取前と比較してお口を閉じる力や細かく噛み砕く能力など、噛む力に関連する機能が向上していたこと、さらに保護者からのアンケートでは、多くの方が「口を閉じて食べるようになった」「食べ物を噛む回数が増えた」と、子どもの噛む習慣の変化を実感していることがわかり、とても嬉しかったと岡は言います。
また、歯ならびのAI開発では、500名以上の子どもから歯ならびの画像やお口の癖に関するアンケート情報を収集し、そのデータを活用して、子どもの多様な歯ならびを判定するAIを作成しました。「当アプリは、歯ならびの判定結果だけでなく、歯ならびに影響を与えるお口の癖やケア情報についても楽しく学べるコンテンツとなっています。お口の状態について気づきを得ながら、楽しく毎日のケアを取り組めるような仕様になっています。」(岡)
商品が届いてからお客様が体験するシーン全てを可視化
ストレスなく商品を使用できる工夫
本商品開発を行う上で、ライオンとして珍しい取り組みを行いました。その役割を担ったのが、入社6年目の水谷です。水谷は生活者の行動や心理を分析し、サービス体験を設計するUXデザインを専門とし、購入前から購入後のお客様体験をよりよく設計する役目を担っています。『噛もっと!』をお客様が知るきっかけになった接点、購入に至るまでの経緯、購入後の受け取った瞬間から使用シーンまでを想定して、全てを書き出しプロジェクト内で共有することで、皆の考えをまとめて開発の方向性を定める重要な役割を担っていました。
「今までの仕事では、出来上がった商品をどうしたら使いやすいかを考えることが多かったのですが、今回は商品開発の早い段階からこのプロジェクトに入りました。早期段階から一緒に取り組むことで、よりお客様が使いやすい方法をプロジェクトメンバーと共に考え、思いを共有することが出来ました。」(水谷)
本商品には水谷のアイデアが沢山盛り込まれています。『噛もっと』を使用する保護者は、子育てで多忙なため、ポストで受け取れるネコポスを採用。保護者と子どもの自然なコミュニケーションを想定して毎日の習慣になるよう、楽しいデザインにすることは勿論、文字を減らしてイラストで視覚的に商品の良さが伝わるような工夫。WEBアプリでは情報を出すタイミングを何度も試行錯誤し、親子で間違えそうな要素を注意表示ではなく、いかに楽しくストレスなく伝わるかも大切にしました。
「お客様が使う時にストレスなく、正しく、楽しく、当たり前に使ってもらえることを日々商品開発の中で目標にしています。」と水谷は話す。
子どもたちの「やってみたい」気持ちを大切にした商品づくり
今回紹介した『噛もっと!』は『おくち育』の第一弾商品で、『おくち育』では今後も続々と商品を開発していきます。
『おくち育』という商品名には、勉強とも違う、遊びの中から学びを得る、知育という考えを組み込み、子どもたちに楽しくハミガキや噛むことの大切さを学んでいって欲しいという思いが込められています。
保護者の悩みを解決できることは勿論、家庭の中で、お子さんとの良いコミュニケーションの一つにもなるよう、今後とも商品を開発していきたいと思います。
■『おくち育』ブランドサイト
https://okuchi-iku.lion.co.jp/
■プロフィール
遠藤(オーラルケア事業部 2008年入社)
基礎研究を経験し、2017年にマーケティング部門へ異動。
クリニカの商品企画を担当した後、新規事業の推進リーダーを担当。
川延(オーラルケア研究所 2012年入社)
入社以来、システマ・クリニカの歯磨剤開発を担当。
岡(口腔健康科学研究所 2013年入社)
機能性表示食品の開発や、舌画像を活用したAIアプリなどの新規事業開発を担当。
2020年より口腔健康科学研究所に配属、小児口腔領域の研究・技術開発に従事。
水谷(ビジネス開発センター 2018年入社)
社内の新規テーマにおける顧客体験開発支援を行う。
新規事業支援を担当。
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