技能実習生に選ばれる国・地域になるために。「外国人と地域の共生」をコンセプトに活動を続ける一般社団法人次世代環境教育支援機構のストーリー
一般社団法人次世代環境教育支援機構は、外国人労働者の労働環境・地域環境の向上と、環境・文化教育を通した人材育成を行い、人材を通した諸外国と日本の国際関係を確立することを目的に2022年10月に立ち上がりました。
私たちは、「人材不足に悩む日本企業の救世主になる外国人人材が、日本を就業先として選んで貰えるような環境を作りたい」という思いで、主に技能実習生を中心に外国人人材向けの支援活動をしております。
今回は支援活動の一環で、環境と観光をキーワードに、山口県長門市様と一緒に技能実習生向けのイベントを開催しました。フィリピンとインドネシアの技能実習生36名とスタッフ・関係者入れて総勢50名で、海岸清掃ボランティア活動と長門市の観光名所巡りを通して、長門市への地域貢献と技能実習生の文化・風習に触れる機会の創出に寄与しました。
日本の持続可能な社会の鍵を握る外国人人材
日本の出生率は年々低下し、日本の持続可能な社会構築のためには、外国人人材の活用が不可欠となりました。特に人材不足が深刻な建設業、介護・福祉、製造業においては、その傾向が顕著であると考えております。
(出典)内閣府(2022)「令和4年版高齢社会白書」
現在、日本では技能実習制度という外国人が一定期間日本で就業出来る制度を設けております。この技能実習制度を使って40万人近くの外国人が日本で就業しており、日本の産業を支えております。今後の日本の人口減少を考えると、更なる外国人材の受け入れが不可欠であると私たちは考えております。
しかし、今日の技能実習制度を取り巻く環境は良いものとは言えない状況です。ニュースにおいても技能実習生の失踪や技能実習生への暴言・暴力などがクローズアップされ、あまり良いイメージがないのではないでしょうか。もちろん、技能実習制度で上記の問題があるのは一部であり、大多数は問題なく運営されておりますが、私たちは現在の状況の改善及びレベルアップが必要不可欠であると考えております。
(出典)入出国在留管理庁「技能実習制度における失踪問題への対応について」
https://www.moj.go.jp/isa/content/930004592.pdf
そして、外国人人材の受け入れを拡大するためには、外国人人材が居住する地域の住民との共生が必ず必要になります。なぜなら、言語も文化も風習も異なる技能実習生が長く安定して就業するためには、地域との多文化共生が不可欠であるからです。特に島国で単一民族である我々日本人にとって、外国人との共生社会を目指すためには、他の多文化・多民族国家と比較して抜本的な取り組みが必要になると考えております。
現在、技能実習生の9割以上が監理団体を通して企業に就業しております。監理団体は技能実習生の入国から就業まで一連のサポートを実施し、就業中の技能実習生のフォローも彼らの業務範囲になっております。この監理団体は全国に3,500以上あり、規模も経験値も十社十色であることから、サポート体制が十分でないところもあると考えております。
技能実習生が就業したい国として「選ばれる国」になるために
現在、40万人近くが就業している技能実習生ですが、これからも日本を選んでくれるとは限りません。日本以外の先進国も技能実習制度に類似した制度を設けており、人材不足解消に外国人人材の採用を進めております。他国に比較して日本の賃金はこの30年間であまり上がっておらず、技能実習生に支払われる給与も優位性があるとは言えない状況です。そんな日本の現状において、今後も技能実習生が日本で就業したいと思える施策を早急に打っていく必要があります。
(出典)入出国在留管理庁「外国人との共生社会の実現のための有識者会議」
https://www.moj.go.jp/isa/content/001359622.pdf
私たちは、技能実習生に引き続き日本を選んで貰えるために、給与以外の部分を充実させていきたいと考えております。具体的には、日常生活におけるサポートを通して彼らが働きやすい環境を整えること、ボランティア活動や文化体験によって彼らが日本の文化・風習、ひいては日本人との交流を通して日本で働くことに意義を見出してくれること、日本での就業を通して母国に帰国した際に経済発展に寄与し、日本との国際関係を確立することの3点を重視した取り組みをしていくことが非常に重要であると考えており、「選ばれる国、日本」の実現のために邁進していくべく活動をしております。
長門市と共同で技能実習生向けのイベントを実施
今回、私たちは山口県長門市の協力のもと、技能実習生向けのイベントを実施しました。本企画を長門市のご担当者様にご紹介したところ、快諾頂き企画がスタートしました。我々としても長門市様としても初めての取り組みのため、イベント実施までの期間はほぼ毎日メールでのやり取りや週に一度のオンライン会議を通して、技能実習生が学び、楽しみ、長門市を満喫して頂くための企画案の作成に奔走しました。
特に長門市のご担当者様及び関係部署の皆様には、各方面への調整や複数の行程の作成など、多大なご協力を頂き、長門市様のお陰でイベント実施まで漕ぎ着けたと思っております。なお、本企画には長門市内で、外国人住民が地域社会の中で住みやすく生活しやすい環境づくりをサポートしている「ながと日本語クラブ」様のご協力も頂いております。
また、今回の企画に関する費用は全てクラウドファンディングにて実現しました。今回、企画にご賛同頂いた監理団体の「アジアビジネス交流協同組合」様、「協同組合メディアバンク・エデュケーション」様には、所属する技能実習生の参加のみならず、協賛金のご協力を頂きました。そして同じく企画に賛同頂き協賛金を頂いた「株式会社黒坂塗装工業所」様を始め、個人の皆さまにも沢山のご支援を頂きました。この場を借りてお礼申し上げます、本当にありがとうございました。
参考(クラウドファンディング):https://camp-fire.jp/projects/view/661195
海岸清掃と観光を組み合わせ、地域の魅力をSNSで発信
監理団体が独自でイベント企画をすることはありますが、自治体と連携して複数の監理団体から技能実習生が参加するのは初ではないかと考えております。イベントの概要は午前中に海岸清掃を実施し、午後に長門市の観光名所を巡るという内容です。
海岸清掃については、翌週に開催されたJAL主催の向津具(むかつく)ダブルマラソンのコースとなっている大浜海水浴場の清掃活動を実施、1時間の清掃活動でプラスチックゴミやボトルなどを回収し、更には近年大きな問題となっているマイクロプラッチックについてもザルを使って回収するなど、大浜海水浴場の環境改善に大きく寄与しました。
また、午後の観光名所については、123基の鳥居が100m以上にわたって並ぶ元乃隅神社、標高333mの高台に広がる草原の地である千畳敷、山口県でもっとも古い歴史をもつ長門湯本温泉での足湯体験を通して、長門市の魅力を最大限満喫して頂きました。
そして、長門市のキャッチコピーである「Nagato is calling」をハッシュタグに、参加した技能実習生のSNSにて発信を行い、海外への地域の魅力発信に貢献しました。特に長門市はインバウンドの誘致にも力を入れており、技能実習生の発進で微力ながら、長門市の魅力を世界に発信出来たと考えております。
全国の自治体でのイベント開催で外国人との地域共生社会の確立へ
今回、長門市と実施したイベントをモデル事業として、今後全国の自治体と連携したイベント開催をしていきたいと考えております。冒頭でも申し上げました通り、日本の持続可能な社会構築のためには外国人人材の受け入れ拡大が不可欠であり、そのためには地域の多文化共生が必須となります。弊社は環境と観光をテーマに、清掃ボランティア活動による地域貢献と、地域観光を通した文化・風習への理解を実現していきたいと考えております。
◯参考URL
*JAL向津具(むかつく)ダブルマラソン:
https://www.jal.co.jp/domtour/jaldp/mukatsuku_marathon/index.html
*元乃隅神社:https://www.city.nagato.yamaguchi.jp/site/kanko/21422.html
*千畳敷:https://www.city.nagato.yamaguchi.jp/site/kanko/2212.html
*長門湯本温泉:https://yumotoonsen.com
◯協力企業様(協賛企業様含む)
・アジアビジネス交流協同組合:https://abccs.info
・協同組合メディアバンク・エデュケーション:http://mbe.or.jp
・株式会社黒坂塗装工業所:https://www.kurosaka.co.jp
◯弊社概要
社名 :一般社団法人次世代環境教育支援機構
設立 :2022年10月
代表理事:五十嵐 聖
事業内容:外国人材向けの福利厚生・イベントの企画運営
【弊社イベント等に関するお問い合わせ先】
・一般社団法人次世代環境教育支援機構
代表理事担当:五十嵐 聖 Email : contact@seef.or.jp
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