世界中から選ばれる観光地となる為に。淡路島観光協会が5年間をかけて取り組む観光戦略の裏側と、体験コンテンツに掛ける熱意のストーリー
一般社団法人淡路島観光協会(会長 木下学)は、3市(淡路市・洲本市・南あわじ市)からなる淡路島全島の観光振興を担っています。
今回のストーリーでは、大阪・関西万博の開催時期に合わせ、来年3月から10月まで開催する「AWAJI島博」を機に、今までは京阪神に支えられてきた淡路島が観光地としてどう生まれ変わろうとしているのか、日本国中・世界中から選ばれる為に、どんな観光体験コンテンツを開発しているのかについて、CMO(チーフマーケティングオフィサー)の髙木俊光からお話させていただきます。
観光戦略室メンバー(右端:髙木CMO)
日本全国から世界中から選ばれる島へと変貌を遂げる為に5年間をかけて淡路島総合観光戦略を推進
コロナ禍で日本全国の観光地が苦しんだ中、淡路島は全国平均が47.1%落込んだのに対し、39.7%(2021年・宿泊)の落込みで済み、2023年はコロナ前の2019年に対し、98.9%まで回復して、好調に推移しています。
但しそれらを支えてくれたのは、圧倒的な人気を誇る京阪神のお客様(京都府・大阪府・兵庫県で宿泊全体の約69.0%)であり、首都圏のお客様は僅か約6%、訪日インバウンドに至っては約2%と全国的にも例を見ない体たらくで、完全に取り残されてきました。
このままでは、将来少子化が進む中で、観光消費単価もアップ出来ず更なる発展がストップすると考えた観光協会では、木下学会長の陣頭指揮のもと、一気に全国区に、更に全世界からお客様に来ていただける島へと変貌する作戦を立てました。
幸い、2025年には大阪・関西万博、2030年には神戸空港国際化、更には大阪の夢洲でのIRの開業と、僅か1~2時間の距離の大阪・神戸には、ここ数年で大きく豹変するチャンスが訪れます。この又とない機会を生かし、「いのち輝く島~個性が輝き続ける未来島~」をビジョンとし、「知られる観光地から選ばれる観光地への転換」を基本理念とした、2023年度から5年間の淡路島総合観光戦略を打ち立てました。
観光客を魅了する”本物体験”の開発が急務でありながら、人材も予算もなく途方に暮れる日々
ではそのメインの戦略は何かを突き詰めた結果が、「淡路島ならではの本物体験」でした。現在の京阪神のお客様の淡路島の楽しみ方は2つ。ひとつは、若者やファミリー層を中心とした全体の9割を占める日帰りのお客様がマイカーで来島し、映えスポットで写真を撮ったりお洒落なカフェを楽しんだりというパターンで、もう一つは、上質な旅館・ホテルにゆったり滞在して、何もせずに帰っていくパターンです。
これでは、首都圏や海外のお客様は来てくれません。わざわざ遠路はるばる淡路島を訪れる理由がないのです。世界中から行きたくなる、淡路島ならではの自然や歴史・文化・産業、特に食料自給率110%を誇る食の魅力、これらの溢れるポテンシャルを引き出す「淡路島ならではの本物体験」の開発・整備が急務だったのです。
とは言え、これらの新規業務を実務で担う観光協会観光戦略室のメンバーは僅か5名、内4名は県と3市からの出向者で、観光体験コンテンツに携わったことがあるのは小職のみ、人材を確保する予算もなく、従来業務に追われるばかりの途方に暮れた状態で2023年度がスタートし、時間だけが過ぎて、焦りばかりが募る毎日でした。
観光戦略室・室長を筆頭にチーム結成。生産者の方々との会話をすればするほどキラーコンテンツを確信
しかしそんな中、「とりあえずやるしかない」と、前向きに且つ超ポジティブに取り組んだ人がいました。それが観光戦略室の室長、地白雅則です。彼は戦略室メンバーの公務員気質を払拭し、メンバー1人1人のモチベーションアップに成功、小さいながらも、強力な開発チームが出来たのです。
まず最初に取り組んだのは、第一次産業(農業・漁業)を中心とした食と、伝統産業(線香・淡路瓦・手延べ素麺)の観光体験コンテンツ開発でした。但しそれらの生産者は観光でお金を儲けるという発想が全くなく、且つ「お客様に自らの仕事の話をしてその仕事を体験してもらうだけでお金をもらうとは何事だ!」という意識も強く、遅遅として開発が進みませんでした。いわゆる門前払いをされることも多々ありました。
一方で、生産者の皆様とじっくり会話をすればするほど、いろいろな背景・バックストーリーを教えていただき、地質・気象条件に恵まれているだけではなく、淡路島の先人たちの努力や創意工夫のお陰で、食のブランド化や全国有数の伝統産業が成り立っていることを痛感し、「そうだ!これらをストーリー化して磨き上げ本物体験コンテンツとして観光のお客様に提供することが、訪日インバウンドをも魅了する、「知られる観光地から選ばれる観光地への転換」を具現化する淡路島ならではのキラーコンテンツだ!」と確信しました。
生産者への熱意が通じ、魅力的なコンテンツを多数開発。チームが目覚めた仕事の面白さ
それからのチームは地白室長を筆頭にアドレナリンが分泌されたかのごとく、コンテンツ開発に目覚めていきました。徐々にではありますがチームの熱意が生産者にも通じ、少しずつですが本物体験コンテンツが出来始めました。
これまでに開発した満足度の高い体験は、仲買人が解説する高級魚が多く獲れる漁港の水揚げ・セリ体験や、御食国時代の海人の活躍をイメージさせる西海岸での素朴な塩づくり体験。10人程度しかいない鬼師から直接教わる鬼瓦作り体験、知る人ぞ知る卓越したのど越し・コシがたまらない淡路手延べ素麺の素麺延ばし体験。また、京都大学・大阪大学が研究するほどの寛容性のある野生の淡路ザルの生態が学べるセンター長自らが説明する特別体験。
他にも、実際の漁師さんの漁船に同乗し、仕事ぶりを目の当たりにする体験や、全国的に知られている玉ねぎのバックストーリーを聞きながらの収穫体験、絶滅危惧状態から淡路島の人々の総力で復活してきた、淡路島固有の淡路島なるとオレンジの収穫体験。淡路人形浄瑠璃を鑑賞できる淡路人形座の座員が、主人公の戎人形と島内のゆかりの地を巡り、他では経験できないツーショット写真撮り放題のプランなど、魅力的な体験コンテンツの開発に多数成功してきました。(詳しくは、淡路島観光協会のHPをご覧ください)
そしてチームの皆はふと気付いたのです。この仕事、メチャクチャ面白いと。
体験コンテンツ造成のため、まずは自分たちが漁船に乗ったり、座禅体験したり…
これまで作り上げてきた本物体験コンテンツの数々
生産者と連携した本物体験。2025年3月に向け更なるコンテンツ開発とブラッシュアップへ
7月24日現在、体験コンテンツは42プランにまでなりました。まだまだ未開発のコンテンツが淡路島には沢山あります。6月から販売を開始した神秘の光を放つ不思議な生物「世界初の海ホタルショー」は、PRTIMESでリリースしたのがきっかけで、7~9月限定・一日25名限定ながら、1200名を超え売り切れが続出する大人気コンテンツになりました。
来年の3月のAWAJI島博の開催までに更なるコンテンツ開発・ブラッシュアップにチーム一丸となって努めていきます。特に第一次産業の食の生産現場での体験の後には、その臨場感溢れる現場での出張料理人による実食体験などを組み合わせ、よりプレミアムな体験の開発にもつとめていきます。
言語問題も訪日インバウンド対応としては必須ですが、コンテンツ開発と並行して推進している多言語対応出来るガイド養成と組合わせることにより、訪日インバウンドのお客様にもより満足度の高いコンテンツが提供できるよう進めていき、世界中の人から「淡路島はすごい!」と言わしめるよう磨き上げを加速していきます。
■【公式】淡路島観光ガイド・あわじナビ
https://www.awajishima-kanko.jp/
■淡路島ならではの本物体験ページ
https://www.awajishima-kanko.jp/taiken/
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