夫婦で二人三脚。コロナによる会社の危機から、韓国発のボードゲームの輸入販売が大ヒットとなるまでのストーリー
株式会社フルフルPLUSは、古着販売や海外輸入品の販売を行っています。当社のヒット商品は、韓国発のボードゲーム「Lexio(レキシオ)」。日本での販売は当社が初めてでしたが、3回のクラウドファンディングで合計2,270万円もの支援があり、その後も問い合わせが絶えないほどの人気商品です。
しかし、もともと当社でやっていた事業は古着のネット販売のみ。夫婦2人で始めた小さな会社でした。そこからなぜボードゲームの輸入販売に踏み切ったのか。なぜこれほどのヒットにつながったのか。そのヒットの裏側をお届けします。
コロナ禍で訪れた危機
株式会社フルフルPLUSは、夫婦2人からのスタートでした。一念発起し、2013年に古着のネット販売業を開業。
夫婦二人三脚で8年間ネットショップを経営してきましたが、2020年からコロナ禍が始まると、古着は衛生面で風評被害を受けるように。当然、当社の古着販売の売上も大きく減り、このままでは経営が厳しいという状況になってしまいました。そこで、会社の再起をかけ、古着以外で販売できそうな商品がないか探し始めたのです。
新しい商品を探すと言っても、古着以外の物販はやったことがなく、正に手探り状態からのスタートでした。日本で探しては、既に販売されているので勝ち目がないと考え、海外のクラウドファンディングサイトを中心にリサーチをスタートしたのです。とは言えどんな商品が良いのか?分からないまま、最初は無差別に多種多様な商品にアプローチを掛けました。ですがほとんど返事はなく、返事があったとしても正直日本で売れるかな?と不安になる商品ばかり。そんな中、息子がボードゲームが好きという理由からボードゲームのジャンルに絞ってリサーチをし始めました。焦る気持ちを何とか抑えながら、毎日商品探しに明け暮れる中で、偶然「Lexioレキシオ」に出会ったのです。
リサーチし始めてから、気が付けば3ヵ月が経っていました。
レキシオを初めて見た時、まず第一印象で、そのコンポーネント(「牌」や「コインチップ」などのボードゲームの部品や内容物)に一目惚れ。すぐに海外サイトで購入しスタッフ同士で遊んでみると、気がつくと何時間も経っているくらいゲーム自体も本当に面白かったのです。「これは面白い!」と大絶賛で、日本でまだ販売されていないのが不思議なほど。「このボードゲームを日本でも広めたい!」という直観的な思いで、韓国メーカーに日本でも販売させてもらえないか交渉してみようとすぐに決意しました。
2021年11月、コロナ禍真っ只中に見えた小さな光でした。
Lexio(レキシオ)の魅力とは
Lexio(レキシオ)は韓国ではすでに8万台も販売されていて認知度も高く、韓国大手のクラウドファンディングでは累計6,000万円以上の支援、ボードゲームジャンルでランキング1位や賞を獲得している、韓国の国民に愛されている大人気ボードゲームです。
Lexio(レキシオ)の魅力は何と言っても、ルールがとても簡単で、誰しも一度はトランプで遊んだことがある「大富豪」がベースとなっているため誰でもすぐに始められるところ。そこにポーカーの役が加わっていることや、前作からルールが拡張されるスペシャルカードの導入で先の読めない展開がユーザーを魅了しています。そして、私たちが最初に惹かれたコンポーネント。レキシオ牌は簡易なプリントではなく、印刻された4色のスートデザインがとてもおしゃれ。適度な重さと重厚感が、視覚、聴覚、触覚を程よく刺激してくれるところも、Lexio(レキシオ)の魅力の一つです。
Lexio(レキシオ)の日本初販売にこぎつけるまで
現在、海外製のボードゲームが人気を集め、再び注目を浴びています。ボードゲームは通常、複数人で楽しむものであり、家族や友人と一緒にテーブルを囲んでプレイすることで、テレビゲームのオンラインプレイでは得られないリアルな絆を深めることができます。ボードゲームの人気に加えて、コロナ禍の終息に向けて、以前のような人間関係を取り戻すニーズも、ボードゲームの販売を後押ししていると感じています。
私たちはすぐに韓国のメーカーと販売交渉を開始しました。最初に企画書を作成してメールで送りましたが、当然ながらすぐに了承されるわけではありませんでした。しばらくの間、返事をもらえない状況が続きました。私たちはこの商品の素晴らしさや、日本で広めたいという熱い情熱を込めて企画書を作成し、何度も改良しながら、あきらめずに何通も送りました。思えば、私たちは少々しつこい日本人と思われていたかもしれませんが(笑)、しかし、その忍耐強さが伝わったのか、送り始めて2ヶ月後、ようやく返事をもらうことができました。その後、オンラインで何度か商談を行い、無事に日本での販売を実現しました。交渉の中で私が大変だと感じたのは、相手が韓国の方であるため、言葉のニュアンスが伝わりにくいことが多かったことです。しかし、それを不明瞭なままにせず、お互いが理解するまで何度も確認する機会がありました。海外輸入は言葉の壁で意思疎通が難しいですが、コミュニケーションを密に取り、お互いに歩み寄ることで、理解し合い、国境を越えることができると感じました。もちろん、韓国のメーカーの方々も常に誠実に対応してくださったことが、問題なく交渉を進めることができた要因の一つだと思います。本当に感謝の気持ちで一杯です。
こうして日本でもLexio(レキシオ)を販売できることとなり、当社創業以来2度目の大きな挑戦のスタートラインに立つことができたのです。
日本では誰にも知られていない状態からの販売スタート
Lexio(レキシオ)が日本で本格的に販売されるのはこれが初めてです。もちろん誰もそんなゲームは知らないというゼロの状態から、販売の挑戦は始まりました。
まず最初に行ったことはクラウドファンディングでのプロモーション活動です。その目的は、テスト販売と実績作り。少しでも多くの方に知ってもらえるように、人気YouTuberの方に動画を配信してもらったり、広告も出したりとしっかりプロモーションを行いました。
まず、1回目のクラウドファンディングはニューレキシオNewLexioという商品で行いました。ニューレキシオは牌のグレードはそのままにチップを軽量化し、そこに更に基本ルールを拡張できるスペシャルカードを追加した商品です。
このニューレキシオでは、2回プロジェクトを行い、1回目460万円、2回目466万円の
ご支援をいただくことが出来ました。
この2回のプロジェクトの成功で、レキシオというボードゲームが今後も日本で
販売するに相応しい商品だと実感しました。
ただ、この商品は英語版なので、マニュアルやカードの文字は当然ながらすべて英語です。
私は日本で受け入れてもらう為には日本語版が絶対条件だと感じ、再度メーカーに交渉し
レキシオの完全日本オリジナル商品を制作することになりました。しかしオリジナル版で作るとなると最低注文数も引き上げられ、かなりハードルは高くなりますが、絶対日本語版の方がお客様に受け入れられると確信し、新商品では日本語翻訳に加え、レキシオプラスの牌とコインチップのグレードはそのままにニューレキシオのスペシャルカードを追加するという、韓国メーカーでも販売していないフルセットバージョンで作ることにしたのです。
そして新商品で、資金と販売実績を作る為に3回目のクラウドファンディングを行うことにしたのです。
実質3回目のプロジェクトが私たちにとって、本番のような意識で、今度は目標を
前回を大きく上回り1000万円越えにして挑みました。
そして同時進行で新商品の製作にも取り掛かりました。メーカーと連携しながら商品のパッケージデザインを作ったり、日本語マニュアル、カード類の翻訳はすべて私たちで行い、商品名を「NewLexioニューレキシオ」に続き「LexioNeoレキシオネオ」に命名したのです。
レキシオネオで一番拘ったところは、やはり商品パッケージデザインです。
前作ニューレキシオは家族で遊ぶイラストがデザインされていますが、私はレキシオの元のデザインがとてもクールで格好良く、どうしてもそこに拘りたかったので、日本版では牌の中で一番強い、太陽2牌のスートデザインを採用しました。ちなみにこの太陽2牌デザインは初代レキシオの復刻デザインです。そして、黒をベースに太陽2の赤が強烈に目を惹く、満足いくデザインに仕上がりました。
プロジェクトの3回目がいよいよスタートするとき、予期しないトラブルが発生し、スタート売上に大きな影響を及ぼすのではないかと心配しました。しかし、実際にスタートしてみると、驚くべきことに初日にはあっという間に100万円を超える支援をいただき、最終的には初日274万円を集めることができました。292名の皆さまからの多大なご支援によって、無事にプロジェクトのスタートを切ることができました。
私たちも予想以上の反響の大きさに、驚きを隠せませんでしたが、
その後も順調にご支援は増え、3か月行ったプロジェクトの合計金額は1344万円
1328人、目標達成率は6721%と驚くような結果を残すことができました。
このすべては、支援者の方々の応援とご支援のおかげです。心から感謝申し上げます。
本当にありがとうございました。
「諦めず頑張ってよかった」と心の底から思った
最終的に、Lexio(レキシオ)シリーズの3つのプロジェクトが完了し、2,617人の方々から合計2270万円もの大きなご支援をいただくことができました。
私たちはクラウドファンディングを通じてレキシオの認知度を高めるために努力し、継続的なプロモーション活動を行いました。この地道な取り組みの結果、実績を積み重ねることができました。3回目のクラウドファンディングが終了した後も、「どこで購入できますか?」「いつ販売が開始されますか?」など、多くのお問い合わせが寄せられ、さらにSNS上でも私たちの予想を超えるほどの反響をいただきました。特に注目すべきは、有名なYouTuberであるとりっぴぃさんと役満YouTuberのざきさんが制作したプレイ動画です。まだ知名度の低かった商品にも関わらず、楽しく動画を作成してくれました。実際、お二人の動画の影響を受け多くの人々が購入されました。
そして、2023年2月から予約販売が開始され、初日の段階で約100個以上の注文が入るほどの人気商品となりました。これはレキシオにとって大きな成功であり、その後も大きな反響は続きました。
(写真)左、創業者 宮山夫妻と 右、スタッフ青木くん
また、他のプロモーション活動の1つとして、実際に触れて遊べる、国内最大級のアナログゲームイベント「ゲームマーケット」に、2022年秋と2023年春の2回ブースを出展し、どちらも大盛況の結果に。Lexio(レキシオ)を試しに遊べる試遊スペースを用意したところ、2回目の出展では試遊卓を増設したにもかかわらずずっと満席で順番待ちの列ができるほど。そして用意したレキシオも完売し、私たちにとってLexio(レキシオ)への関心や認知が広がっていることを実感できる出来事でした。
たくさんのお客様から「素晴らしいゲームを販売してくれてありがとうございます!」「これからも頑張ってください!」という嬉しい励ましの声が次々と届きました。これまで予想もしない大変なこともたくさんありましたが、諦めず、頑張ってきて本当に良かったと思っています。
人生ゲームのように、あらゆる人に楽しんでもらえるボードゲームにしたい
当社は、Lexio(レキシオ)を人生ゲームのように多くの人に知ってもらい、楽しんでもらうことを目指しています。
さらに、今年はユーザー同士の交流の場として、日本初のLexio(レキシオ)チャンピオンシップ(JLC)を開催します。全国大会勝者は、韓国で開催される日韓大会への出場権と韓国へご招待。世界大会自体も今回が初なので、初代日本一&初代世界一のW受賞も夢ではありません!
最後にレキシオが皆さまの温かい応援とご支援で少しずつ遊んでいただける方が増えてきました。本当にありがとうございます。私たちは、これからもレキシオを通じて、大切な人たちと楽しい時間を過ごすことで、沢山の笑顔が増えるよう願って活動していきます。今後も、どうぞLexio(レキシオ)をよろしくお願いいたします。また、ゲームマーケットや展示会、ボードゲームカフェ、サークルなどで体験する機会もありますので、見かけたらぜひ一度遊んでみてください。きっとボドゲ沼にハマること間違いなしです!
◼︎Lexioジャパン公式Twitter
https://twitter.com/Lexio_Japan
◼︎Lexioジャパン公式HP
◼︎株式会社フルフルPLUS公式HP
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