「防災って難しい」から始まった、ママ発の防災メディア『いつもしも』誕生ストーリー
TAG株式会社は「ママと子ども向けの防災情報」を提供する防災メディアとして、2019年10月にwebサイトいつもしもを開設しました。
現在ではサイト以外にも各種SNSなどを展開し、「子育てに忙しくて防災なんて後回し」になりがちなママに向けた防災情報を発信しています。
このストーリーでは、いつもしも立ち上げメンバーのひとりであるトコが、防災メディアの誕生エピソードや「子どもとママのリアル防災」に込めた想いについて、当時を振り返ってお伝えします。
【いつもしも編集部スタッフ】トコ
「ママの役に立つメディアを作りたい」からスタート
私達が所属するTAG株式会社は、サイトやSEO記事の作成、インターネット広告配信など、Webにまつわるコンテンツを幅広く手掛けている会社です。
当時同じ部署で働いていたメンバーは女性4名で、そのうち3名は私も含めた子育て中のママライターでした。この4名が、後にいつもしもを立ち上げる「いつもしも編集部」の初代メンバーとなります。
<左上から時計回りに>えるふ・みよし・ノマリ・トコ
「いつもしも」立ち上げのきっかけは、代表の「人の役に立つWebメディアを作りたい」という一言でした。そこで、どんな内容であれば人の役に立つのか、私達が発信する事に意味のあるものは何なのか、お互いに意見を出してみることにしました。
まずは「誰に発信したいのか」を決めるべく、ターゲットを絞る作業から開始しました。私達が発信したいのはどんな人なのか、書きたいのは誰向けの情報なのかを考えていく段階で自然と出てきたのが『ママ』というワードでした。
「発信する私達がママであることを活かしたいよね」「ママ目線で伝える情報の方が身近に感じてくれそう」と話が弾み、ターゲットは『ママ』に絞ることに決めました。この瞬間、私達のママ向けサイト立ち上げプロジェクトがスタートしたのです。
最初は躊躇した「防災」というテーマ設定
すんなり決まったターゲットとは逆に、防災をテーマにしようと決意するまでには時間がかかりました。
初めに『防災』というキーワードを提案したのは、同じくママライターとして働いていたノマリでした。
【いつもしも編集部スタッフ】ノマリ
南海トラフ地震のリスクが高い静岡県出身のノマリは、子どものころから防災教育を受けて育ったため、自然と防災に触れる機会が多かったと話します。
ただ、他のメンバーには防災のノウハウが全くと言っていいほどなく、初めは「防災の知識は絶対役に立つし、ママとしても知っておきたいけど…難しそう」と正直及び腰でした。なかなかテーマを決めきれずに焦る日々を過ごしながらも「防災」への抵抗感を拭えずにいたのです。
そんな私達が防災をテーマにしようと決断したきっかけは、何気ない会話の中にありました。
「そもそも『防災』って難しいイメージがあるよね」
「やらなきゃいけないのは十分わかってるんだけど…面倒だと思っちゃう」
「子育てに忙しくて、つい後回しになっちゃう」
「もっと楽しくできたらいいのに…」
防災=面倒、難しい、忙しいから後回し、楽しくない…。「これって、実はみんなが抱いている気持ちなのではないだろうか。それなら『面倒くさがりの私達でも楽しくできる』内容になっていれば防災に対するネガティブなイメージを払拭できるのでは?」ということに気が付いたのです。
この時の会話がきっかけで「防災初心者ママでも無理なくできる防災情報を提供する」というメディアコンセプトが決定。「いつも、すこしずつ、もしものことを」無理なく進めていこう、という想いから、サイト名は『いつもしも』と名付けることにしました。
一般的な防災常識だけでは足りない「ママ向けの防災」
ママに向けた防災内容を具体的に深く掘り下げていくと、いわゆる「フォーマット化された防災情報」だけでは足りないことが多くあることに気づかされました。
まず前提としてあるのは「自分用の備えだけではダメ」だという点です。特に子どもが低月齢のうちは、避難時の荷物におむつやミルクなどのかさばる物が大量に必要な上、子ども自身も抱えて避難する必要があります。
それに加えて、生理用品など「女性」ならではの備えもしなければなりません。避難所で生活するのなら、着替えや授乳は避けて通れないので、目隠しになるものも必要になるでしょう。
「そんなママ達にどのような防災情報を提供することが正解なのだろう…」
子育て経験者である私達でも、初めはなかなか答えの出ない事でした。そこで、自分たちならどうするかを実際に検証してみることから始めたのです。
たとえば「非常持ち出し袋」については、持っていきたいグッズを全部詰めてみたらどうなるかを、リュックサイズ別に検証しました。実際に詰めてみた後の重さを計ったり、背負ってみることで、現実的な収納ボリュームを身をもって実感することができました。
▲子連れ避難に最適な防災グッズとは?リュックに詰めて背負ってみたより
しかも、低月齢の子どもと避難する場合は、このリュックに加えて子どもの重さも考慮する必要があります。
そこで、
「おしりふきを大人の身体拭きシートにも代用する」
「防災マニュアルはプリントアウトする」
「電池は必要最低限の本数しか入れない」
など、必要なものをなるべく残しつつ軽量化できる方法を検討し、紹介することにしました。
この検証結果を参考に「うちのリュックならこれも入りそう」「子どもが成長してきたからもっと足せるかも」などと各家庭用にカスタマイズしていただければ、それぞれに合った備えをしやすくなるのではと考えました。
他にも「防災グッズにプラスするべき衛生用品」や「生理について知っておきたいこと」など、ママにとって必要だと感じた情報は積極的に記事にしています。
「ママ防災」に欠かせない情報発信は、これからも変わらず行っていきたいと思います。
実際にやってみたリアルな感想を記事で伝える
先程のリュック検証のように、いつもしもの記事は「実際にやってみて感じた内容」を伝えることをモットーにしているため、執筆よりもアイディア出しや検証、試食などにかける時間の方が多くなりがちです。
時には諦めたくなるぐらい根気のいる作業なのですが、それでも行うのは「防災へのハードルを下げる」目的のためにはどうしても避けられない、と考えているからです。防災グッズなどの”備え”は無いよりあった方が良い、と頭では理解できていても、普段使わない物にお金を使うとなると誰しも躊躇しますよね。
そうでなくても子育てにはお金がかかるし、場所も取ります。「なら今は買えないな…」と段々後回しになってしまいます。
こんな悪循環にならないよう「家にあるもので代用できないか」「どうせ買うなら普段使いできるものがいいのでは」などと試行錯誤し、結果的に「これならできそう!」と思ってもらえる内容を追究しようとすると、やはり時間を使ってでも検証せざるを得ないのです。
たとえば『ママだからできる備え!ベビーグッズは卒業したら防災グッズに』という記事があるのですが、まさに「これならできそう!」なママ目線のアイディアが散りばめられた内容になっています。
その中の一つが「おむつは非常用トイレ代わりになるか」を検証する為に行った吸収実験です。実際に試した結果、比較使用した市販のトイレ用凝固剤の目安量(約500ml)と同等の吸水力があることが判明し、結果的に「おむつは防災トイレに代用できる」と証明できました。
これを防災に自信のないママが知れば「サイズアウトしたおむつを保管しておくだけでも、立派な防災になるんだ!」と、安心できるのではないでしょうか。
このような知識を積み重ねていくことこそ、ママ達の防災に対するハードルが下がることに繋がるのではないかと考えています。
子どもに「防災って楽しい」と思ってもらいたい
2022年8月にはママ向けの防災コンテンツ作成と並行し、いつもしものキッズページとして、子ども向け防災学習コンテンツ『いつもしも with Kids』をリリースしました。
いつもしもを立ち上げた当時は未就学児だった我が子達ですが、月日がたつにつれて小学生にあがる子が増えてきました。
小学校では防災の授業を受ける機会が増える事もあり、親の立場としても防災教育を始めるのにちょうど良いタイミングだと感じた私達は、子どもでも楽しんで防災に触れられる子ども向けの防災学習コンテンツ作りにチャレンジすることにしたのです。
企画の初期段階では子ども主体で防災に取り組んでもらう「いつもしも ”for” Kids」として内容を検討していましたが、進めていくにつれ
「子どもが自発的に防災コンテンツを検索するのは現実的ではない」
「そもそも防災に興味を持ってもらわないと、探すことすらしないのでは」
という根本的な問題に直面し、コンテンツの方向性に悩む日々が続きました。
そこで、いつもしものテーマでもある「子どもとママのリアル防災」に立ち返り、子どもだけではなく親子で一緒に楽しく取り組める内容に思い切って変更し、名称も「いつもしも ”with” Kids」に変更することにしたのです。
開発段階では、いつもしも編集部ママの子ども達にモニターとして協力してもらい、リアルな意見を聞きながら仕上げていきました。
理解度を確認するために試作段階のコンテンツを実際に読んでもらったり、操作に無理がないかトライしてもらうなど、本当によく頑張ってくれました。
たとえば、コンテンツの一つに『防災ドリル』というものがあり、ボタンをタップすることで正誤判定をする機能を実装して試してもらったところ、あるお子さんから「合ってたら『ピンポーン!』って音が鳴ったらいいのにな」という意見が出ました。
そこで「確かに音が鳴った方が子どもは楽しいかもしれない」と早速機能を追加した、というエピソードがありました。
<いつもしも with Kids>ドリルコーナーの実際の映像
忌憚ない子ども達の意見は大人目線では気づかない部分も多く、とても貴重なものです。
彼らの意見がいつもしも with Kidsの礎になったと言っても過言ではありません。
▼いつもしも with Kids プレスリリース
今後はより多くの方の意見を反映
今後はいつもしも編集部スタッフ以外のママとの交流や、ママならではのリアルな意見を伺う機会も積極的に増やしていきたいと考えています。
今年はその第1弾として、いつもしもの読者ママ数名にWebインタビューを実施し、進級・進学を間近に控えた時期にママが気になりがちな「子どもと離れているときの不安」をテーマに色々な意見を伺い、レポート記事を公開しています。
▲子どもの留守番や放課後遊びどうしてる?令和版・ママの不安と対策より
コロナ禍でなかなか触れあうことができなかった一般のママ達と交流することで、防災に対する率直な意見を伺える良い機会となりました。
▼いつもしも部 プレスリリース
また、知り合いママの「自由研究で使えるようなページが欲しい」という意見がきっかけで、今夏はいつもしも with Kids内に防災をテーマにした自由研究特設ページ『自由研究おうえんコーナー』を開設しました。
子どもの自由研究テーマ決めに苦しんだ経験がある編集部ママも多く、その意見に一同共感し、即採用を決めました。子どもに興味を持ってもらえそうなものや学校に提出しやすいものを中心にテーマ設定して紹介しています。
▲いつもしも with Kids 自由研究特設ページ
こちらのリリース時も、編集部ママの子ども達が色々協力してくれました。
実際に子ども達が楽しみながら取り組む姿に触れることで「他の子ども達にも興味を持ってもらえるに違いない」と、親である私達も励みになりました。
今後も引き続き、子どもに「楽しい!」と思ってもらえる防災コンテンツに力を入れていきたいと考えています。
▼自由研究特設コーナー プレスリリース
初心を忘れず「無理なくできる防災」を継続
いつもしもを立ち上げてから、もうじき5年が経ちます。
最初のころと違い「防災初心者」とは言えなくなってきた私達ですが、それでも「防災って難しいな」と未だに思う事が多くあります。
そんな本音を素直に感じつつも、5年で培ってきた防災知識をサイトを通して提供することで、少しでも皆さんの「防災=難しい」を「これなら私でもできるかも」に変えていけるよう、日々追究しています。
ママがリアルに「欲しい」と思う情報であることを常に心がけながら、普段の⽣活の中で「無理なく」できる防災情報やコンテンツを今後も作り続けていきますので、ぜひ『いつもしも』をお役立ていただけたら嬉しいです。
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■子どもとママのリアル防災サイト『いつもしも』
※企業・自治体向けページ↓
https://itumosimo.jp/aboutus/for-business/
■子ども向け防災学習コンテンツ『いつもしも with Kids』
https://itumosimo.jp/withKids/
■いつもしも公式SNSアカウント
・LINE:@itumosimo(https://page.line.me/itumosimo)
・X(旧Twitter):@itumosimo(https://twitter.com/itumosimo)
・Instagram:@itumosimo.jp(https://www.instagram.com/itumosimo.jp/)
・TikTok:@itumosimo(https://www.tiktok.com/@itumosimo)
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