サウスウエストグランドホテルが地域住民×宿泊客と取り組む那覇のオーバーツーリズムに対応するエコツーリズムの提案
那覇の街の価値向上を目指すサウスウエストグランドホテルの想い
「日本のおもてなしを世界中の人々へ」をミッションに掲げ、日本及び世界の主要都市でホテル・レストラン・バンケットを展開する株式会社Plan・Do・See(プラン・ドゥ・シー 本社:東京都中央区、代表取締役:野田豊加、以下「PDS」)は、沖縄県那覇市の中心街として知られる国際通りに国内外で8施設目のホテルとして開業した「Southwest Grand Hotel(以下、「サウスウエストグランドホテル」)」にて、オーバーツーリズムに対応するエコツーリズムの提案として、ホテルスタッフやご宿泊のお客様をはじめ、地域住民の皆様も参加可能な11月18日(土)に「那覇 CLEAN GREEN MORNING(以下、那覇CGM)」、11月17日(金)に「ゆんたく SUNSET」を開始いたしました。
今回は、エコツーリズムの提案を企画したサウスウエストグランドホテル ゼネラルマネージャーの宮﨑健太、キャスティング室 江口美沙が、イベントを企画した背景や、その裏に込められた那覇の街への想いを語りました。
――国内外にホテルを展開しているPDSが提供するサウスウエストグランドホテルについて教えてください。
宮﨑:50年前からずっとそこにあるように、というコンセプトでサウスウエストグランドホテルは2023年6月に誕生しました。「那覇でいいじゃん」もキャッチコピーとしていて、これまでは恩納村などの北部にて滞在していた富裕層の旅行客の方たちが、ゴルフ・海、広々とした客室で旅を楽しんでいたところから、那覇という空港にも近い場所で、同じ様に楽しむことができるこれまで那覇には無かったホテルであることが特徴です。
サウスウエストグランドホテル ゼネラルマネージャー 宮﨑健太
新しいアイディアというより、これまで沖縄に住む人たちも「あったらいいな」と思っていた形のホテルとして、那覇の人たちにとっても気軽に来館していただける、街と繋がるホテルで在りたいと思っています。
県外・国外の人や富裕層の人にとっても新しい観光価値となるホテルだと自負していますが、この街に長く住んできた人たちにとっても嬉しいホテルで在り続けたいと思っています。そして、街の人と旅する人が交わるような場所になればいいと思っていますし、沖縄・那覇という場所が旅の目的地になるような、ホテルであることを目指しています。
――実際に国際通り周辺のゴミの状況はいかがでしょうか?
宮﨑:街に出ればゴミを捨てられる場所が無いと感じています。空港にはきちんとゴミを捨てる場所が設置してありますが、街に出ると自動販売機の横にもゴミ箱は無く、ゴミを生まないことが目的なのか、ゴミ箱を作ることによってそれを回収する人達などの人件費がかかるので設置していないのかと疑問を抱いていました。
国際通りは特に多くのお土産販売店や購入して食べることのできるお店が並んでいるので、消費した後のゴミを捨てる場所が無いことでどうしてもポイ捨てをする人の割合が増えているのではないかと感じていました。
沖縄の人たちにとってゴミを片付けることは自分で処理することが当たり前、それを他人任せにせず自分の身の回りのことは自分でなんとかすることで、結果支えあってきたのではないかという話を聞いたことがありますが、今や国際通りは修学旅行生や海外の人が多く訪れているので、ゴミを捨てるということへの習慣や価値観が多種多様だからこそ、ゴミを捨てることのできる仕組みや、ゴミを生まない仕組みが必要だと実感していました。
那覇市・国際通りのゴミの状況
――サウスウエストグランドホテルとして、那覇のオーバーツーリズムをどのように捉えているのでしょうか?
宮﨑:サウスウエストグランドホテルを開業して気づいたことは、自分達のホテルの前には意外とゴミが落ちていない一方で、国際通りや松山の通りに出るとたくさんの人が行き交っている分、ゴミの量も増加したように思いました。景観にこだわって、ゴミを捨てる気持ちを生まないようにすることも大切だと感じていますし、ゴミを生み出さないような工夫も大事です。
観光地で入手するものも、そのようなパッケージなどを工夫することが大切だと思っています。ゴミを拾うことも積極的に参加していきたいとも思うが、ゴミを生まないことや、ゴミを捨ててもいい、という気持ちを生まないような街づくりに貢献していきたいと思っています。
2023年11月17日に初開催した「那覇CGM」※イベント動画配信中
――今後、サウスウエストグランドホテルが考えるエコツーリズムのあり方について、教えて下さい。
宮﨑:最初に沖縄に来た時に恩納村で働いていた経験があるのですが、その経験を踏まえると、街の人と旅する人が繋がっている印象が無く、ビーチリゾートで観光客と街の人が繋がっているシーンをあまり見かけなかったんです。
でも、那覇だと、人と人の繋がりを目にして、自分達には、ホテルという場所があるからこそ、沖縄の文化や人に触れる機会をその場所で実現したいし、年齢層も幅広く関われる場所にしたいです。そして、旅する人・街の人・働く人が交流を深めて、新たな観光価値になる、それを体現したものが「ゆんたくSUNSET」です。
2023年11月17日に初開催した「ゆんたくSUNSET」※イベント動画配信中
沖縄の文化、三線を第1回目に開催しましたが、伝統芸術である民謡・三線を若い世代の奏者に依頼したのも、沖縄の若者にとってもアイデンティティを発信する場所になってほしいという思いからです。
今後は、熟練の歴のある方々にも出演していただき、若い世代とこれまでの歴史や時代を長く知っている世代が交流して、ある意味、世代間のミックスカルチャーも生まれたらいいと思っています。その雰囲気を、観光客の方々も肌で感じることもまたエコツーリズムの在り方だと思っています。
――最後に、サウスウエストグランドホテルがどんなホテルを目指すのかについて、教えて下さい。
宮﨑:「街のハブになる場所」「旅する人にとって目的地になる場所」です。
サウスウエストグランドホテルがあるから沖縄・那覇へ行こうと思う人が増え、サウスウエストグランドホテルでは日々進化・変容・編集されている那覇のカルチャーを発信していて、行くたびに沖縄の魅力がアップデートされるような場所になりたいです。
素敵な人との出会い、思ってもみなかった嬉しいご縁などに出会える機会が多い那覇は、新しいものと古き良きものとが入り混じるエリアで、飲食店や音楽、人との関わりも含めて、面白い場所です。
そういう人たちが使いやすくて、居心地良く、お互いに共有できる空間になり、その積み重ねで、沖縄という街に貢献し続けたいと思っています。
ゴミだけじゃない、街の魅力もひとつひとつ拾い上げていく新しい清掃活動
――今回、なぜホテルが発起人となって“ゴミ拾い”である「那覇CGM」を企画したのでしょうか?
江口:那覇CGMは、那覇で暮らす・旅する・働く全ての人々が交わりながら、街をより良くしていくことを目指した活動です。サウスウエストグランドホテルが“那覇の街に在れること“への感謝の気持ちを表現したく、観光による那覇のゴミ問題について、少しでも貢献できることはないかと企画しました。
サウスウエストグランドホテル キャスティング室 江口美沙
特徴は、お掃除だけでなく、ノスタルジックな路地や入り組んだ商店街など、ディープな国際通り周辺のツアーガイドを組み込んでいる点です。街を美しく保つことに加えて、まだ知られていない街の魅力を発信・共有する”場“を創出することで、那覇の価値をより一層高める一助になれれば嬉しいです。そのためにも共通の想いと高いノウハウ持ったグリーンバード沖縄チーム様とタッグを組み、より強く活動の輪を広げていきたいと考えています。
グリーンバード沖縄チーム
肩書も関係ない、フラットなチームワークの「気持ちのいい時間」
――実際に第1回を開催してみて、率直な感想はいかがでしたか?
江口:地域住民の皆様とホテルスタッフ、グリーンバードの運営スタッフがお掃除をしながらコミュニケーションをとっている様子がシンプルに「気持ちのいい時間だな」と感じました。ゴミの分別をきっかけに、お一人で参加された方も自然とコミュニケーションを取ることができるので、すぐにチームワークが生まれているようにも感じました。また肩書も関係なくフラットな立場で参加するからこそ、参加者同士もフレンドリーな雰囲気でおすすめのカフェやショップを紹介されているように感じました。また、お掃除後の交流会でも、ドリンク片手に参加者の皆さん同士がゆったりとお話をされていて、「次回も参加したい」と思える雰囲気を醸成できていたのではと思います。
那覇CGM 国際通りの掃除風景
――参加された方からはどのような感想がありましたか?
江口:参加した地元の高校生からは「一石三鳥です。自分の街のゴミ拾いをして、こんな素敵なホテルで、おいしいドリンクまでいただけて、とても嬉しいです」と、よりホテルを身近に感じていただけたようでした。
那覇CGMに参加してくれた地元の学生達
また、朝食を食べにホテルに来られた地元のお客様からも「ホテルでこういった活動をするのは、素晴らしいですね。次は家族で参加してみようと思います」と積極的なコメントもいただきました。その他にも、商店街の方をはじめ海外の観光客の方からも活動中に「ありがとうね」というお礼や、「どれくらいやられているのですか?」と興味を示していただくなど、関心を持っていただけて嬉しかったです。
那覇CGM公設市場の掃除風景
ホテルという場を介した、横だけではない縦の幅広い繋がり
グリーンバード 沖縄チーム 山下寛人:ホテルスタッフの皆さんが非常に明るく、グリーンバードが持っている明るさと共鳴して、いつも以上にいい雰囲気で楽しかった実感がありました。学生主体で活動しているグリーンバード 沖縄チームは、Z世代特有のハッシュタグを通じた横の繋がりが非常に強い一方で、今回は、ホテルという場を介したことでより縦の繋がりの幅も広がっていくように感じました。また最後にドリンク1杯の交流会を通じて、コミュニティが生まれていく様子は、これまでの活動で目指していた一つのゴールが具現化したように感じました。来月以降も、リーピート率を高めながら、より多くの観光客の方にもご参加いただきたいです。
グリーンバード 沖縄チーム 山下寛人
沖縄の“ゆんたく(おしゃべり)”にインスパイアされた文化を紡ぐ場
――“文化のエコツーリズム”として開催された「ゆんたく SUNET」はどういった発想から生まれたのでしょうか?
江口:那覇CGMが環境の側面からのエコツーリズムへのアプローチである一方で、より沖縄の文化的な魅力を地域住民の皆様と観光客の皆様で発信・共有、そして紡いでいく場を目指した活動です。沖縄には、ただ親しい人と集まってゆっくりおしゃべりを楽しむ “ゆんたく”という文化があります。私も沖縄に移住してから、ホテルスタッフや現地の方に誘っていただき、夕焼けが見える海辺で“ゆんたく”を楽しんだ原体験がありました。今回の「ゆんたく SUNSET」は、DINING & SUNSET BAR「The Sailor‘s Club」のラウンジで夕日を眺めながら、沖縄に暮らす・旅する・働く人々がカジュアルに沖縄の文化についておしゃべりを楽しむことができます。
ゆんたくSUNSETの様子
――“沖縄の文化”にフォーカスした理由は何でしょうか?
江口:観光地の沖縄といえば、北部の大自然のイメージが強いと思います。しかし、実際に那覇に移住して驚いたのは、どんなに若い子でも三線やエイサー、おじい・おばあに教わった昔の歌の意味などを話せる人が多くいたことでした。そんな脈々と受け継がれている沖縄の文化の面白さを、サウスウエストグランドホテルにご宿泊されているお客様にも触れていただきたいと思い、企画しました。自然だけではない沖縄の文化的な魅力について、地元の方たちとの交流を通じて知ってもらえる機会をご提供できればと思います。
ホテルという空間だからこそ楽しめる沖縄文化の魅力
――実際に1回目を開催された率直な感想はいかがでしょうか?
江口:記念すべき第1回目の開催では、沖縄らしいコンテンツとして、三線とカチャーシーを地元出身の若手・三線奏者・波平宇宙さんにご依頼しました。ただ三線を演奏するだけでなく、その歌の背景や込められた想いを気軽に“ゆんたく”しながら沖縄の文化をお客様にお届けしたいと思いました。その結果、想定以上にご宿泊のお客様が多くいらしてくれたのが印象的でした。ホテルの外にもコンテンツがある中で、ホテルの中で沖縄らしい文化を感じられるということを望んでいる方が多くいらっしゃったことは新たな発見でした。
ゆんたくSUNSETの様子
――参加された方からはどのような感想がありましたか?
江口:実際にお客様からは「本当は今日、国際通りの民謡居酒屋に行って、三線を聞きたいと思っていたけど、ホテルで本格的に聞けるなら」とご参加いただいたお客様もいらっしゃいました。またご家族で参加いただいたお客様からは「子供と一緒だと外に出歩くのも大変だけど、ホテルの中で一緒に三線を楽しめるのはいいですね」とご満足いただけたご様子でした。
ゆんたくSUNSETの様子
三線が持つ“身近な音楽”の魅力を引き出すサウスウエストグランドホテルの雰囲気
三線奏者 波平宇宙:サウスウエストグランドホテルの江口さんよりお話を頂いた時に「三線がBGMになるようなイベントにしたくない」といっていただけたのがとても嬉しかったです。しっかりと歌に込められた想いや文化をお話しながら、曲を歌うとともに、一方的な発信にはならい“ゆんたく”というカジュアルな雰囲気があったからこそ、三線が持つ“身近な音楽”という魅力がより引き出されたイベントになったと思います。
三線奏者 波平宇宙
――「那覇CGM」、「ゆんたくSUNSET」を企画する上で、特に意識したポイントはありますか?
江口:一つ目は、ロゴのクリエイティブからカメラマンも含めて、沖縄で活躍している方、那覇の土地に理解があって好いている方に頼みたいという想いがありました。ロゴは那覇の浮島通りで地域とアートをつなぐ活動をされているミコさんという方にご相談をしたところ「ぜひ協力したい」とご賛同いただき、作成いただきました。
那覇CGMロゴ
ゆんたくSUNSETロゴ
また、カメラマンとして参加してくれた玉城 幸二朗さんも沖縄出身のカメラマンで開業前からお店の撮影にご協力いただいています。企画の段階からホテル単独にならないように、地元の方々と一緒に作り上げていくことを意識しました。
――まさに地産地消のイベント企画と運営だったということですね。
江口:二つ目は、社内での発信です。トップダウンではなく、背景として「ホテルとして街への感謝と貢献をしていきたい」という想い発信したところ、若手からベテランまで多くのスタッフが積極的に協力してくれました。また、“価値アゲ隊”というプロジェクトを立ち上げ、社内公募制でメンバーを募集しました。
面談を通じて、料飲部と宿泊部からそれぞれメンバーを決定し、運営の責任の一部をメンバーにどんどん託していくことで、各人がスピーカーとなってよりホテルスタッフ全体を巻き込んでいくエンジンになりました。実際に初回のイベントを終えて、若手メンバーからも「価値アゲ隊に入りたいです」という声が上がるなど、より社内での理解も深まったと感じています。
那覇CGMに参加したホテルスタッフ
――「那覇CGM」と「ゆんたくSUNSET」は今後どのように展開していくのでしょうか?
江口:那覇CGMは引き続きグリーンバード様と共同で、2023年3月まで毎月第3日曜日定期開催を予定しています。4月以降も継続実施を検討しながら、今回ご参加いただいた方はもちろん、より多くの地域住民の皆様、特に観光客の皆様にもご参加いただけるように開催時間なども調整しつつ、ブラッシュアップを図っていきたいと考えています。
那覇CGM集合写真
一方の「ゆんたく SUNSET」は、人との交流を通じて沖縄の良さをより実感してもらえるイベントを継続していきたいと考えています。
那覇の文化の社交場を目指す「ゆんたくSUNSET」
例えば、サウスウエストグランドホテルで実際に働いている沖縄SVのサッカー選手を交えたサッカーイベントや、琉装の展示/着付け体験に、夕焼けをバッグに撮影できるイベントなど…。カルチャーの発信地としてのシティホテルの在り方を、サウスウエストグランドホテルが提示できたらと思います。イベント自体が“場”として、同じ沖縄への愛を持った人たちがそこで共鳴し合える空間が生まれれば、その熱量に触れたときに観光のお客様も沖縄のファンになってくれると思います。
■2023年12月17日(日)イベント案内
①「那覇 CLEAN GREAN MORNING」
■日時:2023年12月17日(日)08:30~11:00※受付08:15~
■イベントスケジュール:
・08:15 ~ 08:30 受付開始@SWGH 1F ロビー
・08:30 ~ 08:45 事前説明@SWGH 1F ロビー
・08:45 ~ 10:00 お掃除@SWGH→一銀通り→国際通り
・10:05 ~ 11:00 交流会@「SWGH」内「The Sailor’s Club」
■参加申し込みフォーム:https://www.greenbird.jp/news/okinawa/entry/8777
②「ゆんたく SUNSET」Vol1.沖縄の伝統文化を体感しながらゆんたく「三線・カチャーシー」
■日時:12月17日(日)17:15~18:30※受付17:00~
■イベントスケジュール:
・17:00 ~ 17:15 受付開始@SWGH 11F 「The Sailor’s Club」
・17:15 ~ 18:00 三線、カチャーシーのワークショップ&ライブ(登壇者:三線奏者・波平宇宙様)
・18:00 ~ 18:30 交流会
■参加申し込みフォーム:https://forms.office.com/r/dD37KLCsrM
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