ビープラッツが語る、サブスクリプションの研究・啓蒙活動から生まれた、日本管理会計学会での産学共同研究「サブスクリプションビジネスのモデル化とその評価に関する研究」
流行に留まらず、効率的な活用に向けて。サブスクリプション総合研究所設立のきっかけ
サブスクリプション総合研究所(以下、サブスク総研)の宮崎でございます。サブスク総研の親会社であるビープラッツは、これまで17年間、まだ世の中にサブスクリプションという言葉が広く浸透するはるか前から、サブスクリプションビジネスの基盤をつくり続けてきました。そのなかで、2つの課題が日増しに大きく感じられたことが、サブスク総研を設立したきっかけとなります。その課題とは、
①近年、「流行り言葉としてのサブスクリプション」が先行してしまい、これまで体系的な研究が不足している一方で、世の中でのサブスクリプションについての知のニーズはますます高まり、このギャップが大きくなっていること
②電気・水道・ガスや新聞の定期購読、家賃や保険といった、古くからある、いわばアナログの「サブスクリプション第一世代」、ソフトウェアのライセンス、移動体通信やコンテンツ配信といった、主にインターネットの普及を背景に1990年代後半~2000年代に発展したデジタルの「サブスクリプション第二世代」を超えて、IoTやフィンテックといった新技術と歩を一にしながら、各産業界に大いなる変革をもたらしつつある、いわば「サブスクリプション第三世代」をきちんと捉え、読み解くことが、製造業をはじめとした数多の日本企業の益、ひいては国益に資すと考えたこと
です。
これらの取組は一方ではサブスク総研自身での活動、例えば「SMARTサブスクリプション」(東洋経済新報社刊)をはじめとした著作などですすめています。しかしもう一方で、設立当初より、本来のゴールは「アカデミアや各種研究機関といった『知のプロ』にテーマが引き継がれていく」こと、つまり、サブスク総研がきっかけとなる鏑矢は放つが、本来はわが国のさまざまな知の領域で、知のプロの研究テーマとして根付いていくべきで、その橋渡しとなることがのぞましい、と考えています。
さまざまな知の領域で、知のプロの研究テーマとしてサブスクリプションが捉えられていく、この活動目標については、2019-2022年にかけて、株式会社三菱総合研究所の研究分科会として、各社の実務家を集めて継続的な議論を行い、レポートの発行にまで至ったことは、大きな成果のひとつとなりました。しかし、重ねてになりますが、この分科会が実務家のみで構成されたように、わが国においては、サブスクリプションが流行語として広く膾炙されたこの数年、サブスクリプションビジネスに携わる実務家の興味が先行している印象があります。また、実態として、各学会・学術機関、いわゆるアカデミアでは研究テーマとして多く挙げられるに至っておらず、世の中での盛り上がりに反して、産学の連携に乏しい状況にありました。
アカデミアと実務を繋ぐ。日本管理会計学会の産学共同研究に参画
しかしながら、「顧客との継続的な関係を担保したうえで継続的な収益を得る」というサブスクリプションの本質といえる態様は、管理会計学や経営学をはじめとした諸領域と大きく重なるところがあり、アカデミアにおける体系だった研究によって実務家を支えることは、わが国の産業発展に大きく資するはずである、と強く考えております。
このような課題感を、幸いにしてサブスク総研の活動の中で知遇を得た、日本管理会計学会理事でもある専修大学の青木教授に諮りましたところ、大変興味を持っていただけました。そして、そのままトントン拍子に同学会内でのテーマ化、産学共同研究グループの立ち上げが行われ、6名もの先生方にご賛同を頂戴することができました。これはなんとも僥倖だと感謝する一方、アカデミアの先生方のなかでも、サブスクリプションを研究テーマとして捉えるべきだという機運がある、と知ったことは、サブスク総研としても大きな自信となりました。
サブスクリプション研究・啓蒙の今後の展望
サブスクリプションとは、単なるビジネスカテゴリーのひとつではなく、実学そのものであり、研究者と実務家が一体となって取り組むことで大きな成果が出るはずだ、という仮説は、サブスク総研設立以来の継続的なテーマです。今回の産学共同研究については、この仮説の確からしさをある程度示すことができた成果かと考えています。これは、私たちにとって、模索しながら活動をすすめてきたなかでの、大きな自信にもなりました。今後ますます、他の研究領域でもサブスクリプションが取り上げられ、実務家のブームだけでなく、アカデミアの中でも大きなうねりになっていって欲しいと願っておりますし、微力ながらサブスク総研が今後もそのきっかけとなれれば、と思っております。
サブスク総研ではこれまで、さまざまな業界から、サブスクリプションビジネスに
携わるキーマンをお招きし、そのエッセンスを伺う機関誌「Subscription YOU」を発刊してまいりましたが、2023年11月1日発行の第9号(通巻12号)では、日本管理会計学会における産学共同研究グループから、専修大学 青木教授・青山学院大学 高橋教授にご登場いただき、両教授のご専門領域と、サブスクリプションとの接点についてお話を伺いました。(誌面ご希望の場合は、https://www.bplats.co.jp/catalogs/ よりPDF版をダウンロードしていただけます。)
「製造業のサブスクリプション」について、オンラインセミナー開催
「Subscription YOU」の発刊に伴って、「もっと出演者の話が詳しく聞きたい」「講義イベントはないか」といった声を多くいただいてまいりましたが、電子帳簿保存法やインボイス制度の施行に代表される、世の中の大きな動きに際しては「特定の利益を代表する実務家でなく、研究者、学術機関における専門家の話を聞きたい」という声も同様に多くいただいており、こういった背景のなか、日本管理会計学会を迎えての機関誌「Subscription YOU」の発刊と連動し、その出演者の講義をオンラインで実際に受けることができるオンラインセミナー「Subscription YOU オンライン」を開催いたしました。第1回は青山学院大学 高橋邦丸教授に「製造業のサブスクリプション」と題して、産学共同研究でのサブスクリプションに関する高橋教授のテーマについて、その概要を講演をしていただいております。
本コンテンツをご覧いただいている皆様には、アーカイブ配信セミナーとして開催させていただきます。
青山学院大学 高橋教授ご講演「製造業のサブスクリプション」
~Subscription YOU オンライン vol.1 ~
開催期間: 2023年12月11日(月)~2024年1月10日(水)まで
主 催 : 株式会社サブスクリプション総合研究所、ビープラッツ株式会社
参加方法: 事前登録制(無料)
開催形式: オンラインセミナー(アーカイブ配信) 70分
詳細・お申込み:https://www.bplats.co.jp/news/2023/12/mfgsubsc_seminar_archive/
▽株式会社サブスクリプション総合研究所
https://www.subscription-research.com/
▽ビープラッツ株式会社
◆お問合せ先
ビープラッツ株式会社 広報
TEL:03-6262-9425
E-mail:pr@bplats.co.jp
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