デビューから1年。5万人以上が応援する世界最高齢VTuber「メタばあちゃん」誕生秘話と高齢者が輝けるチャンスを創り出したテクノロジーの功績に迫る
OTAGROUP株式会社は、広島県に本社を置く創業5年目のベンチャー企業です。代表取締役を務める下西 竜二が大学在学中に東京で創業し、VTuberなどのエンタメコンテンツをプロデュースしてきました。コロナ禍をきっかけに地元である広島にUターンし祖母と両親と4人で暮らしています。
ダジャレから生まれた「メタばあちゃん」
「メタバース+おばあちゃん」で「メタばあちゃん」。思いついたときに、ついクスっとしてしまったこのダジャレがこんなにも発展するプロジェクトになるとは思いもしませんでした。
クリエイティブプロデューサーを養成する一般財団法人渡辺記念育成財団「みらい塾」に通っていた私は、「⼀⼈⼀⼈が⾃分の肯定感を感じることができる社会・⾃分の夢を実現できる可能性に挑戦できる社会」を実現するエンタテインメントをつくるという課題に悩んでいました。
そこでふと思い出したのが数カ月前に思いついた「メタばあちゃん」というワードです。当時ACジャパンのCMで世界最高齢プログラマー若宮正子さんの「とにかくバッターボックスに立ってバットを振ってみようと思ったんです」というセリフが多くの人に勇気を与えていました。
本当のおばあちゃんがVTuberとしてメタバースという新しい世界で活躍したら若い人たちに「何歳からでも挑戦は遅くないこと」を伝えられるのではないかと思いました。
VTuberになったのはまさかの...。
問題になったのは誰におばあちゃんVTuberを頼むかということです。知り合いのおばあちゃんにVTuberを頼んでも意味が分からないのにやってくれるだろうかという不安がありました。
そこで自分のおばあちゃんだったら、よくわからなくても協力してくれるだろうと「おばあちゃんこれ読んでみてくれん?」と頼んだことで85歳のVTuber「ひろこ」が誕生いたしました。
孫のために少しでもなるのであればというおばあちゃん心がメタばあちゃんを誕生させました。
予想以上の反響を巻き起こした“世界最高齢”のVTuber
「世界最高齢VTuberがデビュー!」というプレスリリースを発表するや否や多くのメディアやVTuberさんたちが取り上げていただき、またたく間にXのフォロワーは2万を超え、YouTubeの登録者も10日で3万人を突破する勢いで増えていきました。週刊朝日「今年“跳ねる”100人の主役」にも選出されました。
予想以上の反響に、ひろこが動揺しているのではないかと心配をしていましたが全くの逆で「次はどんな動画出す?」と本人はノリノリになっていました。この性格こそがみなさんに好かれる理由なのでしょう。
本当は3本だけ動画を出して終わりの予定だったのですが1ヵ月間毎日動画を更新することとなりました。毎朝ひろこと私と私の母の3人で台本作りの日々のスタートです。
朝私が起きると「今日はどんな台本にする?」とおばあちゃんの方が言ってくるぐらいの前のめりな様子でした。
新たに加わった3人のメンバーが受けた世界一ハードルの高いオーディション
メタばあちゃん1期生のメンバー募集をしたところ60名以上の応募がありました。
75歳以上しか応募ができない募集要項でしたので「世界一ハードルの高いVTuberオーディション」と言われました。
3分の2程度はご家族が「うちのおばあちゃん面白いので!」「おばあちゃんに元気になってほしい」という理由の他薦でしたが、自らネットで応募した方もおり驚きました。
60歳からジャズを始めた83歳横浜生まれ横浜育ちのハマコさん、元スナック経営者で現在は野菜作りにいそしむ埼玉っ子80歳のはなえさん、全国の歌謡コンテストでも入賞経験あり現役ビューティーアドバイザー福島県出身75歳のかおるさんという個性豊かなメンバーが加入してくださいました。
ここに平均年齢80歳の婆ちゃるアイドルグループが誕生いたしました。
「今が一番幸せです」新たな楽しみを見つけたおばあちゃんの輝く姿
「1期生の人が入ったらわしゃぁ引退じゃのぉ」と話していたひろこですが、この4人でおしゃべりする時間が本当に楽しいようで活動も継続することとなりました。
メタばあちゃんの活動を始めてからどんどん活き活きとしていくおばあちゃん。とあるメディアのインタビューにも「今が一番幸せです。」と答えておりました。
何がおばあちゃんを輝かせているのか聞いてみるとこの3つのキーワードが出てきました。
「見知らぬ土地に友達ができた」
「家族との会話が増えて自分中心になった」
「若者との接点が生まれた」
我々はインターネットの世界で遠い場所でも友達ができることは当たり前になってきましたが、スマートフォンをうまく扱えない高齢者からするとそれは難しいことです。メタバースやアバターという技術に家族のサポートが加わって実現することができました。
当初の目標だった「婆ちゃるライブ」も大盛況
当初からの目標であったメタバース空間での音楽ライブを敬老の日に開催することができました。メンバーそれぞれが十八番の楽曲を披露しました。
YouTubeで生配信をしたのですが、同時に350人もの方に集まっていただき大盛況で終えることができました。
世界最高齢100歳の「メタじいちゃん」もデビュー
YouTubeチャンネル「あしなっすの1週間」のコラボ企画として100歳のヒロキおじいちゃんが「メタじいちゃん」としてVTuberデビューしました。
世界のメディアにも取り上げられるほど話題となりました。今後もメタじいちゃんの動画はアップロードしていく予定です。
地域や年齢の垣根を超えたアバターによるケアプログラム
コミュニティケアセンター ライフタウンまび様(岡山県倉敷市真備町)とアバターを活用したケアプログラムを共同開発しています。
アバターを介することで地域や年齢を超えた交流を増やすことを目指しています。
ひろこが体感した「見知らぬ土地に友達ができる」喜びをより多くの人に感じてもらえたらなと思います。
目指すは『紅白歌合戦』出場
婆ちゃるアイドルグループとしての目標は『紅白歌合戦』出場です!憧れの大舞台に立てるようにスタッフ一同精一杯サポートできたらと考えています。
そのためにも2024年はオリジナルソングの制作に励んでまいります。
世界進出を目指す“ワイルドな”最高齢アイドルグループ
私がメタばあちゃんのメンバーを見ていて思うことは「カッコいいな」ということです。「ワイルド」という言葉が似合うと感じています。
還暦からジャズを習い始めたハマコさんは83歳の時点で23年も取り組んでいたこととなります。これは小学生の頃からスポーツなどを習い始めた子どもが30歳くらいになる月日に等しいのではないでしょうか。
メタばあちゃんの活動はおばあちゃんだけではできません。家族の手助けが必ず必要です。子や孫世代の手助けで高齢者の可能性が広がるということをメタばあちゃんが証明できたのではないかと思います。
メタばあちゃんのYouTubeチャンネルも約30%が海外から見ていただいており、婆ちゃるライブでは鍛えられてきた歌声を全世界に届けることができました。
日本のワイルドシニアが世界へ飛び出していく、そんな時代がすぐ目の前に来ているのではないでしょうか。それはテクノロジーと家族の支えによって実現されることでしょう。
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