日本一ロックな街 埼玉が生んだ葬儀業界の革命児が手掛けるライブ配信スタジオLIVE THEATER +810(プラスハート)の誕生秘話
日本最大のロックフェスティバルROCK IN JAPAN FESTIVALの会場でもある埼玉県で2024年3月に一風変わった配信特化型ライブフェス「ROCK MOON FES」が行われました。
会場はなんと、さいたま市岩槻の葬儀場。次世代の新感覚ライブの仕掛け人 有限会社愛翔葬祭の代表取締役 兼 LIVE THEATER +810(プラスハート)CEO 関根 信行氏がアフターコロナ後の葬儀の形と変わらない故人様への想い、次世代の配信スタジオの在り方について語ります。
「It’s my lifeをかけながら拍手で送り出してほしい」の一言がなければLIVET HEATER + 810(プラスハート)は生まれなかった
LIVE THEATER + 810 (プラスハート)が生まれたきっかけは飲み仲間の何気ない一言です。大手の広告代理店勤務の彼が私に「俺の葬式の時はボンジョヴィのIt’s my lifeをかけながら『これが俺の人生だ』って拍手で送り出してほしい」って言ったんです。
当時、故人様を拍手で送り出そうというものを全面に出している葬儀屋さんはなく、そんな葬儀屋さんが日本に一つくらいあってもいいなと思いました。
ちょうどコロナ禍でエンターテイメント業界も厳しい局面を迎えており、大勢の人が集まる音楽ライブイベントの中止や延期などが相次ぎ、再開の目途が付かない状態でした。
このまま才能のある人たちの音楽に直接触れる機会がなくなってしまうのでしょうか。
どうにかして残す方法はないのかと模索していた時、知人の紹介でフジアールさん(フジテレビを中心にテレビ番組の美術製作を行う会社)を紹介していただくことができました。
「どうせ作るなら最高の設備で最高のスタジオを作ろう!」とフジアールさんをはじめ、シルクドソレイユの日本公演の照明を担当されていた方など、錚々たる方々のお力を借りTVの音楽番組でも使用されている機材を備えた
配信型ライブスタジオ LIVE THEATER + 810 (プラスハート)は生まれました。
25歳から今まで葬儀業界に携われているのは大切な人たちが背中を押してくれたから
愛翔葬祭は2001年に立ち上げました。私は20歳までプロを目指してバンド活動をしていましたが、25歳後半から遺影写真の編集に携わっており、その縁で葬儀の世界に入りました。
友人のお母様の力を借りて葬儀社の社員として数社を経験した後、一度葬儀業の世界から離れていた時期があったのですが、同じタイミングで姉の子どもが事故で亡くなったんです。
甥の葬儀を取り仕切っていた私の様子を見ていた父に「お前なら(葬儀社を)やれる」と背中を押されて今の会社を立ち上げました。愛翔葬祭という会社の名前は当時亡くなった甥の名前から一文字もらって父が付けました。
故人様と納得のいく時間を過ごせることが本当の意味での良い葬儀だと思う
祭壇の背景にはTV番組等のLEDを手掛ける「LEDTOKYO(株)」による高性能LED画面が3面設置され、故人様との思い出の風景などが映し出すことができる
コロナ後、家族葬や告別式だけを行う1日葬を選ばれるご家族様は増えました。
葬儀業界もそれに合わせた葬儀スタイルを提案していますが、ご家族様のご要望にあったものは少ないと感じています。
例えば、チラシやCMでは最低限の基本プランを謳っていながら「お棺や祭壇のお花などを華やかなオプションプランでお送りしましょう」など故人様やご家族様の想いに寄り添ったご葬儀ではなく、既存の常識や形式に則ったプランばかりのように思います。
弊社ではそのような常識ではなく、故人様とご家族様の想いを形にするご葬儀を大切にしております。
その一つに弊社で20年ほど前から行っているサービスでシルクフラワーを使った祭壇があります。
今では見ることも多くなった華やかなシルクフラワーの祭壇も愛翔葬祭が先駆け
たった数時間のためだけに生のお花を使うのはご家族様の負担が大きいと思い、生花ではなく、華やかで手頃な価格のシルクフラワーで祭壇を飾ってみようと始めたサービスです。
始めた当初は周囲から「造花なんてとんでもない」と言われましたが、既存の常識に囚われないサービスはご家族様にご好評をいただき、結果スマッシュヒットとなりました。
また、弊社では喪主様との葬儀のお打ち合わせの際、あしあと帳というものをご用意しております。
実際に故人様との思い出が記載された足跡帳
あしあと帳を通じて、故人様がどのような方だったのか、ご家族様が最後に故人様に何をしてあげたかったかなどをお伺いしています。こうしたあしあと帳やご家族様へのヒアリングを基に弊社スタッフが故人様やご家族様にとってベストなご葬儀をご提案させていただいております。
ご葬儀の際、祭壇の背景に故人様がお好きだった風景を投影し、ご家族様や親しかったご友人様が、数時間という短い時間ではありますが、故人様との幸せな思い出とともに最期のお別れを迎えていただくサービスの他、ご葬儀後も故人様との思い出を集めたメモリアムービールをご覧になっていただくことで、残された方が大切な人を失った悲しみを癒していただけるようなサービスをご用意しております。
故人様と親しい方がパッと集まって、何年、何十年という故人様との過ごした思い出をギュっと凝縮した最期のひとときを過ごせる。
これこそご家族様が望んでおられる「本当の意味での良いご葬儀」ではないかと思うのです。
コロナ禍で始めたオンライン葬儀に感じた違和感
ホール後方のコントロールブースで祭壇上の複数のカメラの切り替えや音響の操作が行える
コロナ禍でこれから葬儀はどうなるんだろうという不安の中、葬儀業界でもオンライン葬儀というものが出始めました。「うちもオンライン葬儀をやってみよう」と挑戦してみましたが、実際にやってみた感想は「誰がこれを見るんだろう」というものでした。
葬儀中、画面に映されるのはお経を上げるお坊さんの後ろ姿や祭壇のお花。それが40分くらい続きます。この様子をずっと見続けるのはなかなかの苦行だろうなと感じました。
その時にふと、街の人に声を掛けてその人の家で話を聞くというTV番組を思い出して、人って他人の人生に興味があるなと思ったんです。そこで「この方(故人様)の人生をクローズアップした映像なら配信でも見ている人も飽きるのではないか」と考えるようになりました。
葬儀の世界に導いてくれた恩人をお見送りしたことがその後の大きなターニングポイントに
祭壇上のLEDビジョンでは、故人様のゆかりの地や思い出にまつわる画像の投影も可能
+810(岩槻家族葬ホール「旅立ち」)の原型になったご葬儀があります。
私が葬儀の世界に飛び込むきっかけを作ってくれた友人のお母様が、コロナが流行り出した時期に亡くなられたんです。友人から「お母さんがお骨になって帰って来たんだけど、ここからどうしたらいい?」と電話をもらって「お骨を祭る祭壇を持っていくよ」と祭壇と周りを飾るお花を持って行きました。
祭壇を作りながら「お母さん大変だったね」と話していたら、友人が「やっぱりお葬式やりたい。うちのお母ちゃん、こんな形で終わらせたくない」と。
当時、まだコロナがどういうものかが分からない時期だったので、お母様が亡くなられた直後はご家族も会えず、お骨になった状態でしか対面できませんでした。
ちょうど故人様をフューチャーしたご葬儀を企画していると話すと「うちでやってくれていいよ」と了承してくれたので、四十九日までにお孫さんやお友達、関係者の方からメッセージを集めて40分くらいの動画を作って会館で上映会を開催しました。
大体のお葬式は1時間くらい掛かりますが、1歳から3歳くらいの小さいお子さんは途中で飽きてしまいます。でも動画に自分やおばあちゃんが映っていると真剣に観てくれます。そして周りの大人が動画を観ながら泣いたり、笑ったりしている空気を一緒になって感じてくれていました。
それを見た私は【これってすごい学びだ】と思いました。
どんな人の人生にも物語があり、それを伝えることも大切な仕事
現場担当の成川氏と告別式の打ち合わせをする関根社長
ご本人は自分の人生は平凡で大した人生ではないと思っていても、私は一人として同じ人生はないし、エピソードのない人っていないと思うのです。
恩人であるお母様のお話になるのですが、お母様は美容師をされており、友人である娘さんもお母様と同じ美容師の道を進むほど一家の誇りのような方でした。そんなお母様でしたが、その裏では、美容師の命である利き手が動かなくなる、片目を失明するなど病との壮絶な戦いを乗り越えられていたことを友人が話してくれました。
度重なる病にも負けず、懸命なリハビリによってハサミを握れるまでに回復されただけでなく、失明後もいつもと変わらず明るく振舞っておられました。 後になって知ったのですが、光を失った目の痛みは凄まじく、家族が寝静まった夜、あまりの痛みに気絶されていたそうでした。
そんな想像を絶する体験をされていた中でも、お母様は周りには辛い様子を一切見せずに「私は、今が一番幸せ」と言い切るほど気丈な方でした。
そんなお母様だったからこそ、家族が集まってキチンとした形で送り出したいという友人の気持ちが痛いほど分かったんです。
お母様の四十九日にはご家族様など40人ほど集まり、「お母さんって格好よかったよね」と最期は集まった皆さんの拍手でお見送りすることができました。
今は現場に出る機会も少なくなりましたが、現場に出ていた時は「(ご家族に故人様は)どのような方だったんですか」とその方の人生を深堀りして聞くようにしていました。
そうするとご家族様が少しずつ心を開いていろんな話をしてくださるので、葬儀の時に担当さんに「こういうことをやった方がいいよ」とご家族様や参列者の方にとってベストな指示を出すことができます。
このように故人様やご家族様に共感して理解することが本当の意味で人に寄り添うということだと思うんです。みんながお互いに寄り添って相手を理解できるようになったら、きっと争いも少なくなるのではないのでしょうか。
葬儀場は寂しい怖い場所ではなく、集まる人たちの想いや物語を届ける場所でありたい
2024年3月に行われたROCK MOON FES開催のためにクラウドファンディングも行いました
実は「ROCK MOON FES」には「岩槻」の「岩(ROCK)」と音楽の「ROCK」の2つの意味があります。
埼玉はロックの街として有名なアーティストを多く輩出しています。県内には軽音連盟というものがあって、みんな甲子園を目指すことと同じくらい真剣に音楽活動に取り組んでおります。
+810のYouTubeチャンネルでは多数の高校生バンドのパフォーマンスが配信されている
そんな彼らにプロの演者が使う設備が整った最高の環境で、思い切り音楽に打ち込んでもらいたい。そしてその姿を配信で届けられたら、きっと多くの人の共感が得られると思いました。
こうした経緯もあり、今年3月の「ROCK MOON FES」では地元の埼玉の高校生バンドに出演をオファーしました。
弊社のライブ配信型スタジオ+810(プラスハート)でロックフェスを開催したのは、葬儀場は寂しくて怖い場所というイメージを変えたい。
愛翔葬祭という場所に高校生や若い人が集まって楽しそうなことをしている。そんな葬儀屋さんがあったら面白いだろうなという思いがあったからです。
恩人のお母様ともうお一人、私の葬儀に対する考え方を変えてくれた女性がおられます。
その方の生前にメモリアルムービーを私が撮影する事になり、「ご自分の人生を振り返っていかがでしたか?」とお聞きすると、おもむろに手にされていた煙草を吸ってフーっと煙を吐きながら「人生無駄でしたわ。でもね、関根君。その無駄を楽しむのが人生なんだよ」と仰ったんです。
私はその言葉を聞いて「なんて格好いいんだろう。人生って深いな」と思ったんです。
その方が亡くなられた時、お通夜の後ご家族様が夜遅くまで故人様がお好きだった麻雀をされ、お別れの際には皆さん笑顔でお棺にお花と牌を入れておられました。
私は皆さんのお姿を見て、「きっと故人様は人生の無駄を楽しみ切って人生の幕を下されたんだ。ご家族様もそれを知っていらっしゃるから笑顔で見送ることができるのだろうな」と思いました。
それと同時に、ご葬儀って静かに故人様を偲ぶだけではなく、こんな風に明るく賑やかに最期をお見送りする方法もあるのだと学ばせていただきました。
アニソンファンに人気のバンド 流田project
琴奏者 大平 光美氏もROCK MOON FESに出演
今回のイベントでは高校生以外も琴奏者やアニソンなど様々な分野で活躍中のアーティストがパフォーマンスを披露してくださいましたが、今後は音楽以外にも様々な分野で活躍されているユーチューバーなどの配信にも活用していただけたらと思っております。
+810は挑戦をしている人たちを応援する箱のようなものと考えています。+810を通して何者かになろうとしている彼らのロックな生き様をここ岩槻から世界へ届けていきたいですね。
■Live theater+810【PLUS HEART】
https://www.youtube.com/@810plusheart/featured
2022年6月、埼玉県さいたま市に誕生した次世代型オンライン配信スタジオ
配信ライブや動画コンテンツの撮影はもちろん、生ライブ、イベントなど多様な使い方がある「+810」
アーティストやライバーをはじめ、多くの表現者を応援します
ご不明な点は、090-1600-0961 関根までご連絡ください
■さいたまそうぎ社連盟 有限会社愛翔葬祭 (https://saitama-sougi.co.jp/aboutus/・https://aisyou.jp/)
事業内容
葬祭事業
所在地
〒339-0074 埼玉県さいたま市岩槻区本宿224−1
TEL:048-749-7878(代表)
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