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STORYS.JPは、2013年2月に誕生しました。

学生時代の実体験から生まれた、セーラー服専用の『インセーター』

著者: 株式会社チクマ

インセーターとは、株式会社チクマが開発したセーラー服の中に着ることに特化した「イン」する「セーター」です。今までにないセーターを完成させるために多くのこだわりを詰め込んだのですが、そのこだわりには開発担当者(以下:私)の思いが大きく反映されています。



インセーター誕生のきっかけ

繊維専門商社チクマで、私は学生服地をはじめとする学生服に纏わる様々な商材を取扱う部署に所属しています。取り扱い商材は重衣料素材、軽衣料素材、ニットなど多岐に渡ります。

インセーターの開発の最初の一歩は、ニット工場の方を目の前にした状態で上司に「何か新しいアイディアないか?」と話を振られたことでした。当時私は入社一年目で、そんな無茶ぶり!と思ったことは忘れられません(笑)

何か言わなくてはいけないと焦って話し始めたのが、自身が学生だった時の思い出でした。


学生時代の思い出

私は中学・高校の6年間をセーラー服で過ごしました。襟元が開いており、裾をスカートの中に入れることもできないので、冷気が上から下から容赦なく流れてきて冬はすごく寒かったことを覚えています。

私の出身中学校ではオーバーカーディガンや授業中のブランケットの使用が校則で禁止されていたので、セーラー服の中に何を何枚着込むことができるかが温かく過ごすポイントでした。

私の場合は下着、Tシャツ、カーディガンの着用に加えてカイロを仕込んで寒さを凌いでいましたがそれでも寒く、高校生になってからはオーバーカーディガンまで着用するようになりました。

重ね着のせいで着ぶくれしてシルエットは最悪、動きづらかったです。さらに嫌だったのが衿や袖から中に着ているカーディガンが見えてしまうことです。セーラー服の中に着ることを想定されていないものを着用しているので、カーディガンがセーラー服から不細工にはみ出してしまうのです。

薄手で暖かくセーラー服からはみ出さない、そんなカーディガンかセーターがあればいいなと学生時代に不満に感じていたことが、社会人になってまさか役に立つとは当時の私は思いもしていませんでした。



開発中は毎日が悩みだらけ

かくして始まったインセーターの開発ですが、右も左も分からない社会人一年目で何から始めたらいいのかさえ判断がつかず困ったことを鮮烈に覚えています(笑)

とりあえずスリムなシルエットのセーターを作ったものの、パンチが弱いと一蹴。こだわるならとことん!ということで、学生時代に感じていた不満をすべて詰め込んで今の形になりました。

試作を何度も繰り返し、自分でインセーターとセーラー服を着てシルエットや着心地などを確認したこともありました。社内でセーラー服を着てうろついているものですから、他部署の人間から注目を浴びて恥ずかしかったのも思い出です(笑)

私の理想を形にしてくれた弊社のパタンナーも相当なプレッシャーを受けていたようで、一番苦しかったのは私の無茶な要望をニット工場へ伝えることだったと言われました。無茶な要望がきちんと形になっているかも毎回ドキドキしていたらしく、板挟みにさせてしまって申し訳ないことをしました(笑)

パッケージにもこだわりをたくさん詰め込みましたが、書き始めると長くなるので今回は割愛します!

仕様が決まった時、パッケージも含んで製品として完成した時、社内外の方に製品を認めてもらえた時、一つ一つが嬉しくて、悩んで苦しかったのがウソみたいな達成感に包まれました。私が入社して初めての大仕事、販売する製品が完成するまでにかかった約半年間は本当に怒涛の日々でした。



インセーターを通して知ったことと感じたこと

ニット工場の方や弊社の社員、母校など様々な人に協力していただいて営業活動に活かせる情報を収集する中で、現在学生である皆さんの声を頂戴する機会がありました。

そこで意外だったのは私が学生だった時より皆さんの「きちんと制服を着用したい」という思いが強かったことです。セーラー服の中のインナーがはみ出すのがイヤだから襟を安全ピンで留める人がいるのを知った時には心底驚きました。安全ピンはあくまで一例ですが、制服を正しく快適に、安全に着用したい生徒が全国にいるなら、それに応えたいと強く思ったことを記憶しています。

私の体験談がここまで大きく成長したのは、関わってくれた皆様の協力あってこそです。「インセーターの人」だと社内外問わず様々な方に覚えていただけるような、私の代名詞になるものが今もなお学生さんの助けになっているなら非常に嬉しく思います。


これから先もインセーターがもっと大きく育ってくれて、一人でも多くのセーラー服を着用する生徒さまの元に届けばいいなと思います。



◆本件に関する問い合わせ先◆

株式会社チクマ キャンパス事業部 

井上実咲

tel.06-6222-3531 fax.06-6222-3614

email misaki-inoue@chikuma.co.jp


◆株式会社チクマ◆

1903年創業の繊維専門商社

本社:大阪市中央区、代表取締役社長:堀松 渉

主な取扱品目は、ビジネスユニフォーム、スクールユニフォーム、婦人服の生地素材及び製品

 1995年 環境推進室 開設

 2004年 広域認定制度 第一号認定企業

         「服育」の理念を提唱

 2007年 循環型社会形成推進功労者等「環境大臣表彰」を受賞

 2009年 第11回グリーン購入大賞「経済産業大臣賞」を受賞

 2018年 「SDGs」の目標実現に向けた取り組みを宣言

▪チクマWebサイト:https://www.chikuma.co.jp/

▪チクマ キャンピースWebサイト:https://canpeace.net/

◆衣服を通して豊かな心を育む「服育」◆

衣服を通して、コミュニケーションやマナーなどの社会性、環境問題、健康や安全、国際性や様々な文化等に対する理解を深め、「生きる力」や「豊かな心」を育むもうという取り組みです。2004年にチクマが提唱し、教育関係を中心にファッション、環境関連の業界などに広がっています。

▪服育Webサイト:https://www.fukuiku.net/





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