Datasite、リブランディングを発表し、SaaS技術でM&Aライフサイクルのサポートに専念
2020年3月に「Datasite」へリブランディングを実施
グローバルにM&A(合併買収)専門家に技術を提供するメリルコーポレーション(本社:米国ミネソタ州ミネアポリス)は、2020年3月に新たな企業ブランドとして「Datasite(データサイト)」へのリブランディングを発表し、社名もDatasiteへと刷新しました。
そこで今回は、Datasite Japan日本担当責任者の清水洋一郎さんに、リブランディングの背景や、変更の内容、また今後のビジョンについて話を聞きました。
ファイナンシャルプリンティング事業を売却し、「VDR専門」に
リブランディングの具体的な内容としては、社名変更の他にも、VDRの技術を軸に展開する同社のSaaSを利用した世界的技術プラットフォームであり、合併買収、新規株式公開、組織再編などM&Aの全過程を能率的に処理するデューデリジェンス・アプリケーションの名称を「Datasite Diligence™」へと変更。75%以上の取引で使用される重要な墨消し機能などの画期的な機能が含まれています。
清水:「今回のリブランディングのメッセージとしては、弊社が2018年に“世界で唯一のVDRを専門で扱う企業になったこと”があります。M&A業界の大手企業の多くはファイナンシャルプリンティング(金融印刷)が利益の大半を担うメイン事業であり、VDRは業務の一部として行っているんです。一方、弊社は18年に金融印刷事業を完全に売却し、デジタル専門のSaaSカンパニーとしてVDR事業に専念する選択をしました。VDR分野に選択と集中をしたため、R&D(研究開発)においてもVDRに集中できる強みがあり、クオリティとセキュリティレベルの非常に高いソリューションを提供することができます。このビジネスモデルにより、俊敏で顧客中心の会社としてM&A活動をサポートしています。」
M&A業界全体が「DX(デジタルトランスフォーメーション)化」を求めている
Datasite社がデジタル専門のSaaSカンパニーとしてVDR事業に専念する道を選択した背景には、「M&A業界のデジタル化が加速していることがある」と清水は話します。
清水:「今年7月に弊社が公表したM&A市場最新動向レポートがあります。北中南米や欧州・中東・アフリカ(EMEA)、アジア太平洋(APAC)の企業やプライベートエクイティ企業、投資銀行、法律・専門サービス企業の2,200人以上の担当者に“M&Aの現在の状況および将来の見通し”を尋ねたところ、回答者の48%は“デューデリジェンスがデジタルトランスフォーメーション(DX)の主要領域であり、技術の進展による恩恵を一番受けると想定”、また、回答者の半数以上(56%)は“2025年までにデューデリジェンスの期間が現在の3か月から6か月から、平均で1か月以内になると予測”と回答するなど、業界全体のDX化が求められていることが浮き彫りになっています。」
M&A業界に求められる「DX化」の中身について、清水は「取引におけるスピードとセキュリティの両方を高めること」と説明します。
清水:「VDRがなかった時代のM&A取引では、6畳ぐらいのスペースの部屋をデータボックスとして使い、その中に重要な機密文書や資料を入れて、ドアに鍵をかけて保存していたんです。非常にアナログな方法ですね。その時代は1万個以上あるファイルの中から必要なファイルを探すのも時間がかかり、時間がかかるほどミスが起こるリスクが生まれました。その点、弊社のVDRを使えば即時に検索してピックアップできるため、取引のスピードがアップしてミスが起きる可能性が減るため、“リスクが減っている、セキュリティが高くなっている”と言えます。」
Datasiteは安心かつ安全な取引を提供するるプラットフォームとして、世界170か国以上展開し、全世界の上位25行の法律事務所や投資顧問会社に採用され、2019年6月から2020年5月の1年間、世界TOP100の取引のうち、19件がDatasiteのプラットフォームを使用しています。
日本でもリスクの認識が高まってきている
アメリカでは既にトップクラスのVDRシェアを誇るDatasite社は、2015年に日本支社を立ち上げ、日本における認知拡大、シェア獲得を進めています。
清水:「日本支社を立ち上げた理由は、日本がグローバルでもM&Aの取引金額が非常に高く、活発に取引が行われているため、弊社が提供するソリューションのニーズが高いと考えたからです。日本のマーケットの可能性の高さは以前から感じていましたね。」
さらに、日本の状況が時代とともに変化したことでDatasiteへのニーズの高まりを見せていると言います。
清水:「近年は日本でもM&A取引における情報漏洩のリスクに対する意識が高まってきていることもあり、セキュリティレベルの非常に高い弊社のVDRがより求められるようになっています。面白いことにM&A取引でもセキュリティの認識のレベルは国によって大きな開きがあるんですね。それこそ以前は日本でも情報漏洩のリスクが決して低くないEメールでM&Aに関する文書や資料のやり取りを行っているケースが多数ありましたが、近年は情報漏洩のニュースが頻繁に報じられるようになった影響か、多くの企業でセキュリティに対する認識レベルが上がっていると感じます。」
今後、さらに日本でのリスクへの認知が高まれば、VDRは「セキュリティレベルが高いクラウド」として、M&A業界以外の企業が取り扱う可能性もあると清水さん。
清水:「じつはアメリカでは個人情報のやり取りが行われる不動産取引でもVDRが当たり前に使われています。その他、大手薬品メーカーがVDRを利用して、薬のライセンスを管理、情報共有することもあります。今後は弊社が日本でさらにリスク管理の認知を高めていくことが多くの企業がリスクに対してセンシティブになってほしいですね。そうなると将来はM&A業界以外でも、機密性の高い業態では弊社のVDRが幅広く使われる可能性が十分にあります。」
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