ワインを作りたくて世界を旅してみる話

前話: ワインを作りたくて世界を旅してみる話 第三回

世界を飛び回るというとかっこよく聞こえるけどね。

25歳だった。

新卒から勤めた会社を辞め、イタリアへ飛んだ。


約三ヶ月の滞在。

目的は、イタリアワインの勉強。

と、言えばかっこ良く聞こえるかもしれないが、日本人向けのコースに申し込んで現地でワインの勉強をみっちり一ヶ月半した、というシンプルなもの。


残りの一ヶ月半で、イタリアの郷土料理とそのお店のハウスワインを飲む、という旅を。


私のワインの基盤はここにある。

そして、知れば知るほど、自分の無知を知る。

この堂々巡りでここまでやってきたようなものだ。


「ワインを知っている」とは何だろう?

資格を保有しているからといって、「ワインを知っている」という言葉を発するたびにモヤモヤとしていた。


「ワインを知る為に、栽培・醸造から販売までの全てのプロセスを経験したい。」

私の旅はここから始まった。

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