取引先の債権回収に担当者自宅まで踏み込むとどうなるか。

次話: 取引先の債権回収に担当者自宅まで踏み込むとどうなるか。その2

ちょうど1年前、世の中は「半沢直樹」ブームだった。


なぜ、惹き付けられるのか。


典型的な「むかつく上司」に立ち向かう


半沢直樹への憧れ、そして絶対服従の上司に面と向かい、


自分自身には決してできない張り合う姿を見て、


ストレスを発散させていると思う。




現実ではできないことだと感じている人が多くいることは、


無骨な反骨精神が、


失われてしまった、とも言えるかもしれない。




10年前に、売掛債権を朝討ちで回収したことを


思い出した。


金額は、半沢の5億とは比較にならない「15万円」だ。




相手は、個人の保険代理店である。


会社は、自宅も兼用していると思われる


赤坂のマンションだ。




2回ほど取引をして、入金も予定通り行われていた。


3回目の取引から入金遅延が発生した。


担当者へ電話をしたがつながらず、


部下に赤坂のマンションへ行かせた。




現地に到着した部下から電話が鳴った。




部下:「誰もいません。。。」


私:「え?どういうこと?」


部下:「逃げられました。。。」



私:「・・・あ、そう。。。」




どうすべきか考えながらも、まずは現地で


収集できる情報を


徹底的に集めるように指示をした。




私:「その後、何か分かった?」




部下:「ポストに郵便物が入っているのですが、


   暗証番号式なので取れないんですよ。」




私:「そうか。。。」




部下:「思い切って開けてみましょうか?」




私:「うーん、、、防犯カメラはある?」




部下:「ありますが、映る位置ではありません。」




私:「よし、がんばって開けてみるか。(苦笑)」




部下:「分かりました(汗)」




一旦電話を置き、問題にならなければという


不安もあったが、そもそも相手が悪いのだから、


やむを得ないとすぐに開き直れた。




部下:「携帯電話の請求書があって、


   プライベート用の電話番号を


   ゲットしました!」



私:「よし、以前教えてもらったことがあったという理由にして電話番号を控えておこう!」




部下:「実は・・・今、電話したらつながったので少し話をしたのですが、すぐに切られちゃいました。。。」




私:「ばか、ばか、情報を大切にしろよ。もうつながらないぞ!」




部下:「すみません。とりあえず、その他の郵便物から


  分かることを細かく控えて帰ります。」




私:「長時間いるのもあやしまれるから、


  できる限り情報をすばやく集めて帰って来い!」




電話番号からは、個人情報は教えてくれないだろうし、


すぐに解約手続きされてしまうと


感じながらも、持ち帰ってきた情報を整理して改めて


冷静に考えることにした。




もはや、金額の多寡ではなく、騙されたことへの憤りと


必ず見つけ出してやるという


強い気持ちでいっぱいになったのだ。




(つづく)



著者の児玉 佳哉さんに人生相談を申込む

続きのストーリーはこちら!

取引先の債権回収に担当者自宅まで踏み込むとどうなるか。その2

著者の児玉 佳哉さんにメッセージを送る

メッセージを送る

著者の方だけが読めます

みんなの読んで良かった!

STORYS.JPは、人生のヒントが得られる ライフストーリー共有プラットホームです。