取引先の債権回収に担当者自宅まで踏み込むとどうなるか。その2
(前回からのつづき)
個人事務所の保険代理店からDM発送代行の仕事を請け負って
新規の取引を始めたが、入金遅延が発生した。
自宅兼事務所である赤坂のマンションはもぬけの殻。
「15万円」の債権であるが、されど「15万円」。
お金云々よりも、プライドをかけた回収へと気持ちを
切り替える。
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部下が営業で初回に訪問した営業報告書を
読み返しながら、当時の会話を振り返っていた。
部下:「毎月定期的な案件みたいですよ!」
私:「そうか!金額は少ないけど定期案件は欲しいね。」
「でも、事務所が赤坂のマンションだけど大丈夫なの?」
部下:「高級そうな犬も飼ってますし、自宅内も結構豪華で
羽振りは良さそうなんですよね。」
「担当者は奥様で、旦那さんは大手企業に勤めてる
みたいですよ。初回は前払いでもいいよ、って
言ってくれましたし。」
私:「分かった。じゃ、PL作って見せて。後は先方と条件を
つめていこう!」
その後、交渉の末合意に至り、契約書を締結する。
初回は、前払いでという条件も予定通りだ。
こんな小さな代理店、世の中にいっぱいあるから、
全部請け負えたらいいな、と新たなサービスとして
考えてもいた。
当時の弊社事務所が芝公園で、
赤坂からは近かったので、初回の取引時は会社見学がてら
その「奥様」が真っ赤な「Cherokee」を運転して
DM発送用の印刷物を弊社へ持参された。
私:「このたびは、ありがとうございます!」
奥様:「こちらこそ、宜しくお願いします。
担当者の方も明るくて元気ですし、会社も
近いから末永いお付き合いができるといいですね。」
部下:「ありがとうございます!DMの効果が出るように
提案していきます!」
スタートの雰囲気も最高だ。
真っ赤な「Cherokee」を見送りながら、
これを仕組み化して新たなサービスを具体化しようと
部下と話をしていた。
しかし、この「Cherokee」と憎悪に満ちた感情で再会することに
なるとは、まさか夢にも思わなかった。。。
(つづく)
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