天国へ旅立っていった馬鹿な友人へ6
逝くのだな…B
前回のあらすじ
恩師の声に
一人の男に戻り自責の涙を流す俺
そんな思いを知ってか知らずか
おかんも何も言わず俺を迎えるのであった…
泥のように眠った俺を待っていたのは
Bの母親からの感謝の声と葬儀の日取りのお知らせであった…。
あらすじはここまで
日曜日
俺はAとB家自宅前の浄水場にいた。
服は喪服…
密葬であるBの葬儀に
「友人として最後のお別れを…」
との言があり、招かれた。
B家は小さな葬儀場と化し
20人程度が参列した
外部の人間は俺たち2人のみ…
奇異の目が向けられていることをAは気にしたが、
俺は別に気にしない。
むしろ気になるわけがない
俺には別の風景が見えていた
Bは、怖いおばあさんに連れられて行った
お坊さんの読経なんか耳に入るわけがない
副音声じゃ怒り狂ったBのおばあさんがBを泣きながらどつきまわしていた
しこたま叱られたB…
どこはかとなくBは幸せそうだった。
普段は遠い親戚の守護にいたBのばぁちゃんが
Bのために職務を放り出してBの葬儀のために来たのだ
食いすぎじゃね
葬儀は、滞りなく済んだ。
しかし、葬儀が終わっていつもと違うのは
みんなが蜘蛛の子を散らしたように帰っていく。
冷たいもんだな
親族の子がなく68なってこんな反応でいいのかよ。
妹さんの女友達数人と話をしながら出された食事を取る。
俺がハイペースで食事を取る様子を唖然として見守る人たち
あの後は様々な反動のせいで
俺はろくに食事も取れないレベルで衰弱し
体が回復したのが今朝方
まともな食事は68時間振りである。
年頃の子…じゃないにしろよく食べるのね。
供養する気あるんすかね。
まぁそこだけは心配要りませんよ。
俺がきっちり食いますんで(キリッ)
少しでも多く食ったほうが故人や残された者の為でもあるんだ。
それを食わずに帰るなんて失礼にもほどがある。
それにお前がもっと食えば俺への風当たりもちったぁ弱まるだろう
さぁ食え。食材にも振舞ってくださったBのお袋さんにも失礼だろう。
俺が箸を止めたのはそんなやり取りから30分後だった。
Bおかんが、俺に話しかけてきた。
不思議な話に首をかしげるBおかんに俺は説明をする。
あくまで個人的とした上で
宗教は生きてる人のためのもので生きるもののための理のひとつと言うこと
仏教の生病老死からなる四苦
(生きる苦しみ、病に倒れる苦しみ、老いる苦しみ、死への恐怖)
がいい例だがそれを救うためのものだと言え、死者には直接意味をなさないと言うこと
(心を寄せられているのはわかるため無意味ではない)
無に帰す定めの魂の終着点とも言える場所には文字通り「なにもない」こと
それがゆえにあの場所は天国であり地獄であること。
それを決めるのが自分の心だと言うこと
俺はそれを伝える。
何にもない場所で一人でいるんですよ
真っ白い果てもないだだっ広いとことに一人でいるのをイメージしてください
それを決めるのはあいつ次第です。
あいつが決めることを俺がとやかく言うもんじゃないと俺は思っています。
読経中、怖いおばあさんが泣きながら拳骨振るいながら説教かまして、B引きずっていきましたがBうれしそうでしたよ
泣き出すBおかん
Bにはなついていたおばぁちゃんがいたらしい。
Bおかんも信頼していたおばぁちゃんが来たことで少し安心したようだ
俺も友を殺した咎を背負って生きていきます。
それだけしか出来ませんが、それだけは出来る。
しばらく俺はその場にいることにした。
いい時間だからそろそろ
Aが俺に声をかける。
ああ俺も行くよ。と応じ席を立つ瞬間だった。
俺は強烈な怖気に襲われた。
例えるならば車の運転中に小さな子供が飛び出してきた瞬間のような感覚だ
全身の毛が総毛立ち
俺は思わず飛びのいた
(こんなにかわいく優雅ではありません)
俺の総ての細胞が最大級で危険を告げている。
振り向くとBおかんがたっていた
だが周りが…黒い
(あのときの黒い影…なんでBのお袋さんに!!!)
俺は、保険を打つことにした
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