天国へ旅立っていった馬鹿な友人へ7
死神は天使の笑みと甘美な声でやってくる。
前回までのあらすじ
Bの葬儀を済ませた俺
これでBも安心して逝ける
そう感じて
B家を後にしようとする俺
その刹那
最悪なシナリオを描く確信めいた予感に振り向く俺
Bおかんに7年前のあいつと同じものを俺は見ていた
あらすじここまで
B家、玄関先
俺は靴を履きながらB家の家人の見送りを受けた。
B家の家人に背を向け
帰る瞬間
それは突然やってきた。
(うごぁああああ!!!)
俺は、叫びたくなるのを必死で堪えていた。
なんだこの感覚…
ヤバイ、今まで経験してきた何よりもヤバイ
浮かぶイメージは四肢を封じられ首を跳ね飛ばされる瞬間
なぜここまでなるまで俺は気づかなかった
この人この後、後追う気だ
しまった!
思ったよかしたたかだBおかん
今際まで尻尾出さなかったおかげで
気づくのが遅れた
自分を殺すためにナイフもって忍び寄る殺人鬼に
後ろ向いて「刺してください」と言わんばかりの迂闊さ
どんだけスイートなんだお花畑か俺は
クッソォ!!!考えろ、なんとかするんだ!!!!
Bに続いてBおかんまで死なすようじゃ、あの世であいつに合わす顔がねぇ
どうすればいい?
別に灰色の脳細胞でなくてもいいが、唸れ俺の脳細胞
急場のピンチを口先だけで切り抜けてるのは日常茶飯事
だけど失敗するわけには行かない
人の命がかかっている。
論点を整理だ
今回の場合
やることが終わって死ぬだけのBおかん
これに生きる意味を与えればいい。
Bにとってもしなれちゃ困ることに終着点を見出せばとめられるはず
チャンスは一度、死に魅入られた心の闇を打ち払う質問
あの人の心を一瞬でも現実に呼び戻せ。
あっ…そうそう
そういいながら俺は踵を返す。
(ここだ)
でもあなたが追えば、あいつはどこに帰ればいいんですか?
でも帰ってきますよ。
あいつが帰る場所はここだけ何すから…。
辛く苦しい選択を迫った俺
死んだほうが本人は楽になれるだろう…
だけど俺はそれは許さなかった。
黒い影は消えた。
多分だけど心が弱れば奴はまた現れる。
あれは人が人でいる限り戦わなければいけない敵…
俺は帰り妹さんにメールを打った。
今夜お母さんの様子をよく見ておくこと
包丁に注意
止めた時お母さんが取り乱したらこのメールをスクロールすること
おかあさん
あなたがこの文面を見てるということは
自殺失敗でしょうか?
あなたが失敗したのは
Bが「来るな」って言ってるからです。
勘がこんだけ冴える時ってだいたい不思議なもので
こうゆう外力が加わるもんなんですよ。
「人は死にたいときに死ねないし生きたいときに生きれないもんです」
自殺が失敗するってこうゆうことなんです。
追伸Bにもらった命大事に使ってくださいね。
そして俺は眠れぬ日をすごすことになった。
後日妹さんからTELが来た
危ないときもあったようだがもう大丈夫だ
との言葉に俺はようやく胸をなでおろすのだった。
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