「人の親になるかもしれん」と思った僕が自分を棚卸しする話 4 「オレはデキる」をたいせつに

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ウチの家族


今回は「家庭環境」についてしっかり思い出したい。
ちなみにウチは父・母・ばあちゃん(母方)と僕の4人家族。
ひとりっこだ。


父は呉服店に勤務し、母は看護師さん。
ばあちゃんは家のことをしつつ
近所のお友達を呼んだり呼ばれたり、てな感じ。


経済的な不自由は全くなかった。
といっても両親は無駄なものを全然買わなかった。

僕の物欲の無さはこの辺からきてるのかなあ・・・。


食事が超怖い


僕を知っている方々は驚かれるかもしれない。
母いわく、乳幼児期は医者から「太り過ぎ」と言われていたらしい!

てか自分自身でも信じられんわ。
聞くところによると他の子より離乳食を早期から食べていたらしく
それもドンドン食ってたから太ったらしい。ウマかったのかな?

でも僕の中に食い過ぎて太った記憶はどこにもない。
むしろ、常に小食で、痩せていた。


僕は緊張したりストレスを感じたりすると最初に食欲にくる。
おなかは空くんだけど、食べられなくなる。

何と言うか、
のどが詰まったというか・・・
むかむかするというか・・・
口に入れると吐きそうになるというか・・・
ま、まあそんな感じ!


今でも幼少期の記憶が残っている。
出されたものを食べなかったら母からものすごく怒られていた。
それが続いたからなのかは覚えていないが
食事の時間がものすごーーーく怖かった。


食べきれないかもしれない、と思う
→前述の気持ち悪さを感じる
→余計食えなくなる
→余計気持ち悪くなる

というデフレスパイラルを起こす。そして怒られる。
他の家族の分はすでに片付けられ、卓上には僕の分だけ皿が置いてある。
そこから先は食卓から解放されるまで(母が諦めて片付けるまで)耐える。

これが頻繁に発生していた。


食事はおいしいものが食べられる時間、ではなく
食べきれなかったら怒られる時間、として強く認識された。

だから子供に大人気のハズなハンバーグとか嫌いだった。
肉は大好きなんだが、ボリュームがあって食べきれない可能性があるから。


結果に対する評価


両親から言われていたことは
「先生の言うことはちゃんと聞きなさい」とか
「給食はちゃんと食べなさい」とか
「友達とは仲良くしなさい」とか
よくある「ちゃんと○○しなさい」系のことだった。


兄弟でもいればテキトーに聞いていたかもしれないけど
一人っ子の僕にとって、それは絶対命令のように感じられた。


小学校にあがってからというもの、
僕の優等生っぷりは自分でも花マルをつけたい。


成績はそれなりに良かったし(体育も含む)
乱暴はせんし
授業はちゃんと聞くし
宿題はちゃんとするし

てな感じ。
ただ、根底にあるのが「もっとできるようになりたい」
ではなく「できなきゃダメだ」という強迫観念だった。


両親はどっちかというと結果で判断するスタンスだった。
食事はもとより、マンガを描いても「くだらん」だったし
やっとこさ縄跳びの二段跳びができても
「連続で出来んと意味が無い」だった。


できることへの欲望ではなく、できないことへの恐怖。
やりたいこと、ではなくやれること。


そのうち他との比較をしだすと、周囲の目をとにかく気にするようになった。
他の子よりできなきゃいけない。
デキが悪いと思われたくない。
※良い目で見られたい、よりはダメだと思われたくない、の方が強いかな・・・


優等生がよくする考え方だと思う。
かくして、「いい子」が出来上がった。


それから、僕の行動指針は他人が基準となった。
そして終いにゃ自分が欲しいものがわからなくなった。


承認欲求ってやつ?


誤解の無いように書いておくと
僕は両親に対してなーんにも恨みは無い。
まぁもちろんこうしてほしかったな、ってのはあるけど
もうすぐ自分は育てる側に立つことになるから
今のうちに思い出そうとしているだけ。


こうして小さい頃の記憶を思い出してみると
僕は認められたかった、褒められたかったのだと思う。

そして、自分自身を認められるようになりたかった。


自分を認めきれないから、どこまでいっても劣等感に苛まれる。
いわゆる「自己肯定」が僕にはできない。
なるほど、そこが弱いのか。


そういえば学校での出来事とか、あんまり話した記憶ないなあ。
逆に両親の仕事のこととかも聞いたことなかった。
※今でもオヤジがどんな業務してるのか、ほとんど知らない


でも、今ならわかる。忙しかったんだ。
両親ともに、あっちはあっちで毎日が大変だったんだ。

それが分かるからこそ、同じ轍は踏まないようにしよう。


子供ができたら、その日何があったのか、言葉に出して自分を表現する場を持とう。
プロセスでも結果でもなく、その時何を感じたのかを聞き出してあげよう。


と、思った。

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