神さまありがとう第2回

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 8月になると決まって思い出す人がいます。父の姉である亡き叔母、"金(キン)"おばさんです。

 父が交通事故で入院している間、母は金おばさんにわたしを預け、一家の家計をまかなうために仕事へ出る傍ら父の看病に負われていました。今のように完全看護という制度がまだなかった時代でしたから。

 金おばさんは、わたしを溺愛していました。おば夫婦には子供がいなかったせいもあるかもしれませんが、相当常軌を脱したものがあったようです。

 毎日デパートへわたしを連れて行ってはおもちゃをわんさかと買ってくれました。さらに鼻血がでるほどチョコレートを食べさせてくれもしました。

 わたしはこの金おばさんを母のように慕い、実際”まま”と呼んでいました。そしてわたしにとってのただひとりの心の支えでした。

 わたしが小学校4年生になった頃病死してしまいましたが。

 父も母も、わたしがこの金おばさんに奪われると懸念したのか、父の退院後叔母の手が届かない新潟へ引っ越してしまいました。

 でも、新潟での生活はわたしにとっては地獄でした。母のわたしへの暴力が始まったのは新潟に住んでいた時期でしたから。

 このとき、両親が何を思ってわたしと”まま”を引き離したのかよくわかりません。「かわいいわが子を奪われたくない」という親心からならうれしい・・・。

 "まま"が末期がんで余命いくばくもないとの連絡が新潟の自宅へ届いて、やっとわたしは最愛の人との再会を果たしたのです。でもその1~2年後に”まま”と再び、今度は永久に会えなくなりました。わたしはほんとにこの世でたったひとりぼっちになってしまったと思いました。

 最愛の人と無理やり引き離され、さらに永遠の別れという体験をも与えられました。これもまた”わたし”という人間を育てるために欠かせない重要なシナリオだったんですね。

 神様のなんと深く緻密な構想が寝られていたことか・・・・。

 それは人知を超えた恵みと平安としか言えません。

 キリスト教との出会いまでは、もうちょっと先になります。


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